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第92回日本学生選手権水泳競技大会
9月2日(金)~4日(日) 東京辰巳国際水泳場
(1日目・予選)
◆女子50m自由形
6組
3着 岩本 26"20
→全体8位で決勝進出
7組
3着 遠山 26"54
→全体13位でB決勝進出
8組
1着 内田 25"41
→全体1位で決勝進出
◆男子50m自由形
2組
5着 森本 24"09
13組
10着 高瀬 24"05
◆女子400m自由形
4組
3着 露内 4'14"77
→全体3位で決勝進出
5組
1着 菊池 4'15"27
→全体4位で決勝進出
6組
6着 濱田 4'21"55
◆男子400m自由形
5組
1着 天井 3'51"0
→全体1位で決勝進出
6組
2着 山本 3'53"94
→全体6位で決勝進出
8着 内村 4'00"45
◆女子200mバタフライ
6組
1着 中野 2'11"77
→全体3位で決勝進出
3着 藪 2'12"44
→全体7位で決勝進出
◆男子200mバタフライ
7組
7着 森時 2'00"99
8組
4着 三好 1'58"59
→全体6位で決勝進出
6着 牧田 1'59"24
→全体12位でB決勝進出
◆女子200m背泳ぎ
6組
4着 今井 2'14"50
→全体14位でB決勝進出
8組
5着 大久保 2'14"10
→全体13位でB決勝進出
7着 布施谷 2'16"75
◆男子200m背泳ぎ
3組
3着 三好 2'08"47
8組
4着 小鶴 2'03"59
◆女子100m平泳ぎ
5組
2着 金指 1'09"49
→全体10位でB決勝進出
6組
1着 青木 1'07"36
→全体2位で決勝進出
5着 江口 1'10"26
→全体15位でB決勝進出
◆男子100m平泳ぎ
7組
6着 毛利1'01"48
→全体12位でB決勝進出
8組
8着 上田1'03"83
◆女子400mフリーリレー
4組
1着 東洋大 3'45"94
(内田ー宮本ー岩本ー遠山)
→全体3位で決勝進出
◆男子400mフリーリレー
5組
3着 東洋大 3'22"60
(萩野ー中村ー森本ー内村)
→全体9位でB決勝進出
(1日目・B決勝)
◆女子50m自由形
4着 遠山 26"44
◆男子200mバタフライ
1着 牧田 1'58"57
◆女子200m背泳ぎ
2着 大久保 2'13"30
6着 今井 2'15"53
◆女子100m平泳ぎ
1着 金指 1'09"42
6着 江口 1'10"25
◆男子100m平泳ぎ
7着 毛利 1'01"76
◆男子400mフリーリレー
1着 東洋大 3'19"86
(萩野ー中村ー三好ー天井)
(1日目・決勝)
◆女子50m自由形
1位 内田 25"10
8位 岩本 26"09
◆女子400m自由形
3位 菊池 4'13"22
5位 露内 4'14"89
◆男子400m自由形
1位 天井 3'49"64
7位 山本 3'56"03
◆女子200mバタフライ
2位 中野 2'09"09
5位 藪 2'12"29
◆男子200mバタフライ
3位 三好 1'57"12
◆女子100m平泳ぎ
1位 青木 1'06"68
◆女子400mフリーリレー
1位 東洋大 3'41"92 ※大会新
(内田ー岩本ー大橋ー宮本)
総合得点(400mフリーリレー決勝終了時点)
女子 1位 177.5点
男子 6位 75.0点
50m自由形で4連覇を達成した内田
4回目のインカレで個人種目初優勝した天井
牧田は最後のインカレで自己ベストを更新しガッツポーズを見せた
400m自由形で3位入賞した菊池
中野は涙も見せたが、1年生ながら立派に準優勝
藪は昨年のインカレの雪辱を果たすべく決勝に進出した
今年に入り調子を上げる三好
100m平泳ぎで優勝し笑顔を見せる青木
大会新記録で優勝した4継メンバー
インカレ初日、4年生が最高学年の強さを見せつける。内田(営4=関東学園大附)、天井(文4=天理)、青木(営4=武蔵野)がそれぞれの種目で優勝し、チームに勢いをつけた。結果を残したのは4年生だけでなく、表彰台に上る選手が続出し、最高の幕開けとなった。
決勝は女子50m自由形から始まった。内田はこの試合に4連覇がかかっており、自身が昨年出した大会記録に挑む形となった。惜しくも大会記録には届かなかったものの、1位でゴールし、4連覇を達成した。同レースで8位の岩本(済2=京都外大西)も「(内田選手は)やっぱり速かった」と語る。
男子400m自由形では、天井が悲願の初優勝を飾った。昨年は2位だった天井の目標は「自己ベストを更新して優勝」。序盤からトップを守り、250mを折り返すころには2位に身体1つ分の差をつけ、圧巻の泳ぎでゴールした。自己ベスト更新には至らなかったが、優勝でチームに貢献した得点は大きい。また山本(法2=智辯学園)は、予選から自己ベストを更新し、自身初の決勝進出を果たした。天井のことを尊敬する選手と話す山本は、「天井さんの最後のインカレの決勝で一緒に泳げたことは誇り」と満面の笑顔を見せた。
女子400m自由形では菊池(営3=作新学院)が予選からタイムを2秒以上縮めて3位でゴールし、表彰台に上った。菊池はこのレースを「落ち着いて自分のレースができたが、ベストには少し届かなかったのでまだ力が足りない」と振り返る。
女子200mバタフライでは中野(文1=長岡大手)と藪(営2=武蔵野)が出場した。中野は1年生で唯一の決勝進出となり、学年を感じさせない泳ぎで2位でゴールしたが、1位をとれなかったことに悔しさを見せた。また、同じチームのメンバーと決勝に出場したことに関して中野は「美涼さんがいたから緊張がほぐれて、リラックスして臨むことができた」。藪は「みゆちゃんは後輩で、私が高校1年生のときから、ライバルみたいな関係でやっている。優勝まではいかなかったけど2位に入ってくれてうれしい」と語った。
男子200mバタフライでは、三好(営3=八幡浜)が今年5月に行われたジャパンオープンに引き続き、3位で表彰台に上った。決勝までは調子が上がらなかったが、「今の自分に合った落ち着いた泳ぎができた」と、決勝では本領を発揮。バタフライ表彰台の常連に名を連ねる存在になりつつある三好は、100mでも3位以上の成績を残すと意気込んだ。また、牧田(国4=埼玉栄)は最後のインカレで予選を自己ベストで通過し、B決勝に進出した。B決勝では序盤からペースを上げ、自己ベストをまた更新し、1着でゴール。大きいガッツポーズを見せ喜びを爆発させた。
女子100m平泳ぎには青木(営4=武蔵野)、金指(営4=日大藤沢)が登場した。4年間ともに切磋琢磨してきた2人。金指は昨年のインカレでは1位と実力がある選手ということもあり期待がかかっていたが惜しくも表彰台には及ばず4位となった。しかし力強い泳ぎを後輩達は目にやきつけた。青木は、熾烈なトップ争いを制し、堂々の優勝。前半から積極的にトップを泳ぎ、最後はタッチ差で決めた。周りを見て泳いでしまう癖を治し、自分の泳ぎに集中し前だけを向いて泳いだことが功を喫した。青木が特に得意とするのは200m。しかし近頃、100mも大会ごとにベストを更新し、100m、200mともに調子がいい青木は敵なし状態。大本命である200mの方でも優勝が期待される。
こちらも4年生の共に切磋琢磨してきた2人が登場。金指は昨年のインカレでは2位と実力がある選手であるという事もあり期待がかかっていたが惜しくも表彰台には及ばず4位となった。しかし力強い泳ぎを後輩達は目にやきつけた。今
予想外の展開だった。男子400mフリーリレー予選は、萩野(文4=作新学院)、中村(文1=比叡山)、森本(国1=京都外大西)、内村(文2=湘南工科大附)の萩野以外は1年生と2年生という挑戦的なメンバーで挑んだ。第1泳者の萩野が身体1つ分ほどの差をつけたが、少しずつ差を詰められ3位でフィニッシュ。それでも決勝にはいけると思われたが、結果はまさかの全体9位。8位と0.03秒差で決勝への道は閉ざされB決勝に留まった。B決勝には、萩野、中村、三好、天井という安定したメンバーで出場。萩野から渡された身体1つ分のリードを中村が死守し、三好へつなぐと2位との差をさらに広げた。アンカーを努めた天井は王者として貫禄のある泳ぎを見せ、後続をさらに突き放し3'19"86でレースを終えた。このタイムは決勝の2位に位置する好タイムであるだけに悔しさは大きい。しかし、B決勝では強い東洋大の意地を見せつけた。
女子400mフリーリレーでは内田、岩本、大橋(国3=草津東)、宮本(法4=九州学院)が予選からタイムを4秒も縮めて1位でゴールした。第1泳者の内田のスタートから第4泳者の宮本のゴールまで東洋大は1位を守り続けた。第2泳者の岩本では身体1つ分、第3泳者の大橋では身体2つ分2位のチームに差をつけた。内田はこの時のレース展開を完ぺきだったと振り返った。
総合優勝、総合2位を狙うならば、高得点配分のリレーでいかに結果を残すかが重要になってくる。そしてリレーだけでなく、個人種目での得点も結果に響いてくる。今日の表彰台ラッシュに始まり、2日目以降も東洋大の勢いは加速していくにちがいない。
■コメント
・天井(文4=天理)
自己ベストと優勝というのが絶対の目標だった。優勝はできたが、自己ベスト更新はできなかった。しかし優勝したことでチームに勢いがついたので役目は果たせたかなと思う。思ったよりもタイムは遅かったが、コンディションはすごくよかった。(同種目で昨年は2位だったが)今年の方が全然感覚はよかった。200m自由形もチームに勢いをつけられるように、しっかり入賞してみんながいい雰囲気でレースに臨めるようにしたい。
・青木(営4=武蔵野)
(今年のインカレの目標)どんな結果であれ笑って終われたらいいなと思う。チームのみんなを結果で引っ張っていかなきゃいけない。予選を泳ぐ前は、100m平泳ぎは渡部(早大)さんなど実力のある選手もいたので、自己ベストで表彰台くらいに思ってたが、予選で自己ベストが出て優勝が狙える位置で、平井先生にも優勝を狙えってプレッシャーをかけられていたので、終わってみたら優勝できてよかった。昨年のインカレが終わったあたりから、100mの方が大会ごとに自己ベスト更新できていた。スピードがついていたので、前は200mだけだったが今回は100mも頑張ろうと思っていた。練習のときから調子はよくて、自分はいつも試合で結果に結びついてこなかったので、今回もどうかなとは思っていたが上手く結びつけることができてよかった。自分は周りを見ながら泳ぐと力んでしまうので、本当に100m誰のことも見ないで、自分の泳ぎができたら絶対優勝できると思った。なので、まず周りは見ずに自分のレースというのを意識してずっと前だけ見て泳いでいた。200mは持久力的な部分に少し不安があるが、前半からしっかりいって後半勝負していきたい。渡部はいないが、日体の選手が調子いいので、頑張って勝負したい。
・内田(営4=関東学園大附)
大会新記録を目標にやってきたので、切れてうれしかった。私は明日リレーだけだが、みんなが点数を稼いできてくれると思うのでみんなを信じたい。あとは、リレーの優勝に向けて頑張るしかないと思う。(自身最後のインカレについて)日本で1番盛り上がる試合だと思うし、自分自身すごく楽しいと思える。他の試合よりも思い入れがあるというか、チームで戦うことが楽しい。リレーで54秒が出てちょっと自信がついたので、100m自由形では53秒を狙いたい。あと、5冠達成と4年間言っていてまだ達成できていないので5冠を達成したい。(リレーで優勝した時の気持ちは)目標にしていた大会新記録を出せたので、良かったと思う。(レース展開は)最初から1位でいきたかったので完璧だったと思う。
・牧田(国4=埼玉栄)
(決勝で自己ベストだったことについて)予選もちょっとだけベストだったんですけどもう四年生で最後やるしかないと思っていた。目標はA決勝残って戦うことだったが、B決勝になってしまった。でもそこで自分の力を全部出し切るように頑張った。100mバタフライではしっかり自己ベストを出して4年生として後半にいい形でしっかり繋げられるように頑張る。
・宮本(法4=九州学院)
(今日のレースの感想)個人としては遅いが、チームの勢いとしてみんなが波をつくってくれていたので、フリーリレーで優勝して大会新ということで勢いをつけられたのではないかと思う。(前半がリードしてきてどんな気持ちで飛び込んだか)この3人は必ず早く来てくれるとわかっていたので、どれだけ自分がいい泳ぎでタッチできるかを意識して泳いだ。(優勝してどんな気持ちか)4連覇はこれでしかできないことなので良かった。(この後の個人レースの目標)自己ベストを出すこと。(キャプテンとしてチームの目標)女子総合優勝ということでぶれないので、どれだけ2位と差をつけられるか、どれだけ中身を濃くできるかというところをみんなでしっかり頑張っていきたい。
・大橋(国3=草津東)
(大会新記録が出た時の感想)泳ぐ前に平井先生から「絶対去年先輩が出した大会新記録をきってこい」と言われたのでそれに関しては自分が速く泳げるかがカギだと思ったので死ぬ気で泳ぎました。(400m個人メドレーと200m個人メドレーに向けて)プレッシャーも不安もありますが自分のレースをすればしっかり結果はついてくると思うので、周りに惑わされることなく、自分の泳ぎ、自分のレース展開で勝ちに行きたいと思う。
・菊池(営3=作新学院)
(今回のインカレはどんな目標で挑んだか)女子の総合優勝が懸かっていたので、それに大きく貢献したいと思っていました。(今日のコンディションは)日本選手権の時はジャパンオープンよりも余裕があって気持ちが良かった。気持ちの面ですごく良かったので、コンディションはいい方だったと思う。(自己ベストに近いタイムだったがそれについて)最近にしては一番良いレースができた。800mにつながる良いレースができたと思う。(この種目に出た理由)チームの総合優勝が懸かっていたので、そういう面でメンバーで計算して、この配置が1番とりやすいということでこの種目になりました。
・露内(文3=京都外大)
ベストタイムを出すという目標を最低限に持って臨んだ。今日のコンディションは、予選からいい記録で泳げたので、決勝でもそのように泳げるよう頑張ろうと思ったが、前半から行くことができなくて悔しい。去年のインカレと比べるとタイムも順位も落ちたので、去年に比べたら、400m自由形に関しては良くないと思う。(400m個人メドレーに向けて意気込み)ベストを出す。
・三好(営3=八幡浜)
今年は3年生ということで、自分だけではなく周りの気持ちも盛り上げるようなレースをしたり声掛けをしようと思った。(400mフリーリレーについて)初めは僕の予定じゃなかったらしくて、出ると思っていたのでショックだった。昨日も今日の朝聞いても僕ではないと言われていたので、出るってことになってちょっとびっくりした。きついけどやっぱりリレーは楽しい。(200mバタフライについて)昨日は調子がよかったが、今日は朝全然調子よくなくて、どうしたものかと不安だった。予選からいかないと決勝でメダル取れないなと思っていたが、調子がついていかなくて疲れるだけで終わった感じがして落ちるかなと思っていた。でも、残ることができて決勝では今までやってきたことをやるだけだと思った。決勝前もどうなるかと思ったけど、今の自分に合った落ち着いた泳ぎができたと思う。ラスト50mが勝負だと思った。今回はタイムを狙っていくよりも、順位を狙ってチームに貢献したいと思った。泳いでるときは、前の方にいるという間隔はなかった。自分が速いのか遅いのか分からなかったので、冷静に自分の泳ぎを保てたので感覚は悪くなかった。200mバタフライが銅メダルだったので、100mではそれ以上を目指したい。
・岩本(済2=京都外大西)
(今日4レース目で迎えたリレーについて)すごくきつくて最後とか動かなかったが、先輩たちもいてくれていたので、必死に泳いだ。プレッシャーというか、先輩がつけてくれた差を詰められてしまわないか心配だった。(50m自由形で決勝進出したことについて)200m自由形では残れるかなと思っていたが、50mでは少し微妙なところだったので残れてよかった。(先輩である内田と同じレースを泳いだことについて)やっぱり速かった。予選は朝イチで少し空回ってしまったとこがあったが、それでもシーズンベストだった。決勝でもベストは出なかったが、それでも上げることができたので、その感じをリレーにもつなげたかったが駄目だった。リレーのときの泳ぎは焦って空回ってしまったので、自分の力は全然出し切れなかった。200m自由形は確実に決勝に残って宮本さんと泳ぎたい。
・籔(営2=武蔵野)
今年は女子総合優勝を狙うということで、1点でも総合優勝に貢献できるようにという気持ちで臨んだ。インカレ前に少し体調を崩して5日間くらい泳げない時期があって持久力的に不安だったところが、今回出てしまったと思う。調子がいいときは、前半もよくてそのまま後半に上手くつながるが、今回は練習不足ということもあって、後半が上手くいかなかった。(インカレで初の決勝進出について)自分のベストで泳ぐことができれば、去年のインカレとかも表彰台は全然のれるところだった。去年は全然よくなくて、今年もその不安があったが、去年よりもよかったし決勝の舞台も楽しんで泳げた。100mバタフライも、まずは決勝に必ず残って自分の全力を尽くすだけ。
・中野(文1=長岡大手)
(今回のインカレの目標は)優勝したかったので悔しい。(今日のコンディションは)8月の合宿から結構調子が良く、ベストは出ると思っていたが、なかなか思うようにいかなかった。アップも調子が良かったので泳ぎとしては文句なしだと思う。(初めてのインカレの感想は)4年生の先輩方はみんなが表彰台を目指していて、オーラもすごかった。初めてのインカレで雰囲気にびびってしまったところもあるが、東洋のみんながハイタッチとかして待っていてくれて、それですごくほぐれた。(決勝では唯一の1年生でしたが)同世代には絶対負けたくなかったので、1年生で一人決勝というのも嬉しいですが、表彰台は1年目から一番高いところに上りたかったので悔しい。(100mバタフライに向けて一言)ベストを目指して、表彰台を目標にとりあえず予選を突破できるように頑張りたい。
TEXT=吉谷あかり、望月優希 PHOTO=當麻章紘、菊池美久、梅山織愛