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第92回関東大学バスケットボールリーグ戦
9月3日(土) 日体大世田谷キャンパス
東洋大73-65国士大
14|1Q|16
26|2Q|21
18|3Q|13
15|4Q|15
スターティングメンバー
2山口健大(済4=桐光学園)
11 中村晃太郎(済4=幕張総合)
30 川上海斗(済2=市立船橋)
33 平孝介(済3=東海大菅生)
88 山本大貴(済4=市立船橋)
チームをまとめる姿勢を見せた中村
山口の得点が流れを変えた
主将としてチームを鼓舞した山本
関東大学バスケットボールリーグ戦が今年も開幕した。初戦は1部から降格してきた国士大と対戦する。互いに点の取り合いとなるも、終盤に勢いをつかんだ東洋大が73-65で完勝を果たした。
昨年は史上最高位となる5位と好成績で終え、今季は1部昇格という目標を掲げた東洋大バスケ部。格上相手に勝利をつかんだが、立ち上がりは決して良いとは言えなかった。初戦という独特の緊張感のなかで「お互いに固まっていた」と目(さっか)監督の言葉通り、両校ともに決めきることができず苦しい時間が続く。その中で先手を取ったのは国士大だった。1Qを14-16で終えると、そこから得点を取っては取られてという展開になってしまい、差を縮めることができない。あと一歩まで追い詰めるも、すぐに離されてしまう。この重苦しい空気を打破したのが、山口の連続得点だった。2Q終盤に35-37から3ポイントシュートを決めて逆転に成功すると、直後にも得点を決めてリードを広げる。「一試合を通してやれたらいい」と本人は口にしたが、この試合において東洋大が勝利を得る特効薬となったに違いない。一度は相手選手とぶつかり激昂もしたが、冷静さを取り戻した山口はチームに大きく貢献した。
後半は、一度も相手に勝ち越されることなく突き放す。特に相手が疲れが見え始めた3Q以降に選手を多く入れ替えて、逃げ切りを図った。目監督は「出る選手全員頑張った。良かった選手は全員」とチームで勝ち取った勝利であると主張した。そのシーンが際立っていたのが、4Qに連続で得点を奪われ1点差まで詰め寄られた後のタイムアウトでのワンシーン。「ここで頑張らないと最後向こうのペースになる」という指示とともに、目監督の「チーム全員で」という大きな声かけに、スタメンとベンチにいるメンバー全員で円陣を組んで団結力を高めた。その後は、連続得点を奪いしっかりと差をつけて開幕戦勝利となった。
試合後に中村は「3年間でまだ一度も初戦に勝ったことがなかった」と振り返ると主将の山本も「4年目にして初めて勝利で飾れた」と話した。この勝利は実に5年ぶりの開幕戦勝利となった。5年前は3部ではあるが優勝した年であり、幸先の良いスタートを切ったといえる。ただ、翌日に次戦を控える選手たちに、勝利という歓喜に酔いしれる時間はない。「1勝したことで気を抜かずに」と山口は次を見据えている。会場でもある日体大との対戦はアウェイの環境も予想できるが、その逆境にも屈せずに連勝を飾る。
■コメント
・目(さっか)監督
今試合は選手をたくさん使ったけど、出る選手出る選手全員頑張った。ディフェンスが良かったし、シューターが思い切りよく仕事をしてくれた。(作戦は)3人目というポジションのラインを普段より深く入ったり、シフトを引いてという感じ。マンツーマンディフェンスだったので全員ができるように対策をしておいた。(次戦に向けて)二連勝して、今年は1部を狙っているのでチーム全員で勝ちにいく。
・山本(済4=市立船橋)
今年4年目で今まで初戦は一回も勝ったことがなかったので、良いスタートを切れた。(どのような準備を)今年は得点を取れる人が多いのでオフェンスはあまり考えずに、ディフェンスから形を作っていこうという感じだった。(相手は1部から降格したチームだったが)1人1人の身体の強さは感じた。ただ自分たちもやれているところはある。あまり気にするところではなかった。(今季の目標)1部昇格。そしてインカレ出場を確実に目指して戦いたい。(次戦へ向けて)相手はサイズもあるし走ってくるチーム。声を出すとかディフェンスのところをしっかりやれば勝てる相手である。もう一度気を引き締めてやっていきたい。
・山口(済4=桐光学園)
出だしが悪かったが、4年間リーグ戦初戦を勝てたことがなかったので、チームにとっても自分たちにとっても手応えのあるいい試合だった。最初は自分たちのペースをつかめなかったが、後半からリバウンドとかルーズボールを意識してできたことが勝因。あとは走って自分たちのいいペースにできたこと。(反省点は)ファーストショットをもう少し意識して丁寧に打ちたい。試合の入りでその日の調子が決まってくるので、自分は点をとるポジションなので、出だしが悪かった。(次戦に向けて)日体大はどういうチームかはお互いに知っている。1勝したことで気を抜かずに、自分たちのやることをやれば勝てない相手ではない。自分は出だしから頑張りたい。
・中村(済4=幕張総合)
試合内容においては良くなかったが、最後まで皆集中を切らさず頑張れて勝てたので良かった。(良かった点)終盤、攻められた時に集中を切らさないでリバウンドや泥臭く守れた。(反省点)前半まで離した点が3Qで追い上げられてしまって、離したままにするのが理想的だったが、そこで詰められてしまった。それで悪い雰囲気になってしまった。(国士館大は1部から降格してきたチームだが)抑えどころには目星がついていた。あとは、外のシュートを結構打ってくるチームだったので、そこにしっかりチェックしにいくというくらい。(初戦にどんな目標を持って臨んだか)初戦の入り方がすごく大事で、序盤の流れだったり1つ1つの目の前の試合に集中して頑張ろうと思った。(個人的な目標)4年という立場もあるし、ポジション的にも自分がチームをまとめていかなければいけないポジションなので、チームが悪い雰囲気だったりするときは積極的に声かけするというのが自分の役目だと思っていた。(次の試合に向けて)勝てない相手ではないので、ここで2連勝すれば結構大きいと思う。
・川上(済2=市立船橋)
国士舘は結構外角からのシュートが多くて今までの練習でディフェンスの時にしっかりハンズアップするということをやってきたが、それをしっかり頑張ろうときめていた。(勝因は)東洋のリバウンドからの速攻。国士舘はガード陣がシュート打ったあとあまり戻らないので、そこをガード陣と自分らがしっかり走って速攻を多くして点差を広げたことが要因だった。
(心掛けたことは)スタメンで出ていて、ボールが来たらシュートをただ決めるでけでなくオフェンスリバウンドやディフェンスリバウンドとったり、あとはディフェンスを頑張ろうと思って臨んだ。
TEXT=藤井圭 PHOTO=木谷加奈子