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2016.09.05
柔道

[柔道]5選手が全日本へ 川下自己最高のベスト8

平成28年度東京学生柔道体重別選手権大会

9月4日(日) 日本武道館


[全日本出場者]

60㌔級 

平原(営3=京都共栄) 代表決定戦勝利 

齋藤(営4=崇徳) 代表決定戦勝利 

73㌔級 

川下(営3=長崎南山) ベスト8 

81㌔級 

細谷(営4=前橋育英) ベスト16 

90㌔級 

木下(文3=京都学園) 代表決定戦勝利


[出場選手結果] 

66㌔級 

丸(営2=足立学園) 2回戦敗退

丸田(2=沖縄尚学) 1回戦敗退 

73㌔級 

田中(法4=京都学園) 3回戦敗退 

宮澤(営4=足立学園) 3回戦敗退 

81㌔級 

山本(2=習志野) 3回戦敗退 

90㌔級 

山城(営3=沖縄尚学) 2回戦敗退 

前田(営4=大成) 2回戦敗退 

100㌔級 

横田(営4=安田学園) 1回戦敗退 

寺田(営3=長崎南山) 2回戦敗退

100㌔超級 

白井(3=千葉経大付属) 2回戦敗退 

須藤(営4=山形工業) 1回戦敗退


自己最高の結果を残した川下


得意の投げ技が冴えた平原


細谷の全日本進出は2年ぶりとなる


 勝ち進めば全日本への切符を手にする個人戦が行われた。東洋大からは16選手が参加し、5選手が全日本の出場権を獲得。目標としていた全階級での全日本進出はならなかったが、川下がベスト8に残るなど収穫も見えた。

 

 納得はいかないベスト8だった。初の全日本進出を決め、今大会の東洋大勢の中ではもっとも好成績を残した川下だが、試合後は「もったいなかった」と唇を噛んだ。準々決勝の相手は、この大会昨年の3位入賞者にして川下の全日本進出を阻んだ選手。「3回戦から良くなってきた」と、試合を経るごとに調子を上げていった川下は序盤から攻勢に出る。ポイントにはならなかったものの、惜しい仕掛けで主導権を握る。しかし一瞬の隙を突かれ寝技に入られると、必死に解こうともがいたが20秒が経過し一本負け。西山監督も「寝技に対する消極的な部分が出てしまった」と語った。チームは先月、あえて九州の暑い土地で合宿を行うことにより、スタミナだけでなく精神面での強化を図った。そこで着実に成果を出した川下は、試合中も息が上がることなく戦い続けることができ、自己最高の成績へとつなげた。しかし、それでも満足することは無い。「最低でも3番」という目標を掲げ、初の全日本へ挑む。

 2年連続の全日本を決めた平原と木下は、ともに代表決定戦に回っての出場権獲得となった。特に平原は「去年の二の舞とならないように」と考えていたが、昨年同様最後の一枠を勝ち取った形となった。しかし、「練習の成果が出た」と得意の投げ技を多く仕掛け、2回戦で決めた背負い投げには平原自身も手応えを感じた。昨年の全日本は悔しい1回戦負けだっただけに、リベンジを果たしたいところだ。

 最後の全日本となる齋藤と細谷も含め、「少しでも上位」という結果を西山監督は求めた。鍛錬の夏を経てさらに成長を遂げた各選手も、それぞれ高い目標を設定した。その志は、全日本という大舞台の畳で技として体現する。


■コメント

・西山監督

昨年の4名より1名多いが、目標としては各階級もれなく全日本に出場する選手をということで、7名以上という目標は持っていた。何人か惜しい選手がいたので、そこを攻めきれなかったのが心残り。(印象に残った選手は)ベスト8に入った川下。安定した柔道を展開する。最後は寝技を不用意に受けるというか、日ごろの寝技に対する消極的な部分が出てしまって、相手にそこを突かれてしまった。(合宿に関して)夏場にあえて熱い九州に行って、条件的に悪い環境で稽古に励んだ。技とかどうこう以前に精神的な面を鍛えることを重んじた。(全日本の目標は)少しでも上位に進出する。東京では目標を達成できなかったが、3位入賞を一人でも出したい。(細谷は最後の全日本だが)団体戦も含めて良くなった選手。4年生だから最後の最後の個人戦になるので、ぜひとも上位入賞を果たしてもらいたい。


・細谷(営4=前橋育英)

(今日を振り返って)ぎりぎり全日本学生につなげられた点は良かったと思う。2回戦の相手が第2シードということもあり、そこが山場だと思っていたので、粘り強く、指導一つの差だが勝ててよかった。3回戦は東海大の相手に有効を取られ、指導で追いつけずに負けてしまって悔しい。前回、彼と試合した時は有効を取って勝ったが、今回は逆に有効を取られてしまったので、リベンジを果たされてしまった。技のキレよりも粘り強さが自分の持ち味なので、背中を持って距離を詰めて指導を取ったり、自分の技をガンガン出して先に指導を取ってから勝ちに行ったり戦略を練った。(次の全日本に向けて)2年生の時に全日本に出場した時は、ベスト16だった。全日本ではベスト4を狙いたい。この大会では東海大(の相手)にもそうだし、組み負けていたので、担ぎ技をもっと練習していこうと思う。


・川下(営3=長崎南山)

1、2回戦は動きが悪かった。3回戦から良くなってきた。前回もこの大会で同じ相手に負けているのでもったいなかった。(初の全日本だが)東京でベスト8は周りから見たらすごいことかもしれないが、個人的には満足してないので全日本では最低でも3番を目指したい。(合宿での感触は)気候の違い。九州は暑くて体力を持っていかれたので、その面で体力強化ができた。試合でも息が上がることも無かった。


・平原(営3=京都共栄)

苦しい試合が続いたが気持ち切らさずによく戦いきれたと思う。二回戦の背負い投げがきれいに決まったので、練習していた成果が出た。投げ技は得意技なので、そこから分岐して技を得意にしていった。去年も敗者復活で最後まで残ってしまい、去年の二の舞にならないようにと思っていたが、結局今年も同じ結果になってしまった。(1敗後の2勝で切り替えたこと)「次頑張れ」、「気持ち切らすな」と、先輩方やコーチに励まされたので、恩返しじゃないけど、気合入れなおしていこうと切り替えていった。前回は初戦敗退だったが、勝ち抜いた中で最後まで残ってしまい、代表の中で一番当たりが悪いと思うが、当たる相手にどう戦うかを練習して上位まで勝ち上がれるようにしたい。時間が経っていくにつれて、お互い体力がなくなっていくにつれて技がかかりにくくなるので、追い込んだ練習をしていきたい。


TEXT=當麻彰紘 PHOTO=美馬蒔葉、土橋岳