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平成28年度東都大学野球秋季1部リーグ戦・中大2回戦
9月6日(火)神宮球場
○東洋大6-1中大
1死満塁のピンチで登板し、最初の打者を三振に打ち取り吠える飯田
安西(営4=聖光学院)が飛球を捕球するのを見届けた飯田(営3=常総学院)は、思わず安堵の表情をこぼした。
最終回、七回途中から救援し1死一、三塁のピンチをわずか3球で切り抜けるなど、ここまで好投を続けてきた山下(営1=東邦)が、突如崩れる。先頭打者を打ち取ったものの、その後4連続長短打の猛攻を受け失点すると、マウンドを譲った。1死満塁。このピンチを託されたのは、前日138球を投げ抜き完投勝利を収めた飯田だった。「いつでも投らげれるようにしてきた」とこの状況に動じることは無く、飯田の頭の中には前日の完投という良いイメージしかなかった。「野手を信じて自分のピッチングをする」。ミットをめがけて一球一球丁寧に投げ込んでいった5球目、相手打者のバットが空を切った。すると普段は感情を表に出さない飯田が、小さく吠えた。続く打者を1球で右飛にしとめ、飯田は自分の役割を見事に果たした。
前日に完投したにも関わらず、余韻に浸ることは一切ない。「チームの勝利に貢献していきたい」。突然来るかもしれない窮地に対しての飯田の準備の良さが、今日の勝利を呼び込む要因の1つとなった。完全復活した右腕は、もう欠かせない存在になっている。
■コメント
・飯田晴海(営3=常総学院)
疲れは特に無かった。ピンチの時は自分が抑えようと思っていたので、いつでも投げられるようにはしてきた。(前日の完投勝利により)良いイメージで投げることができ、野手を信じて一球一球丁寧に投げるということを心掛けた。打ち取った後、チームの勝利に貢献でき、勝てたことに喜びを感じました。
・西川元気(営3=浦和学院)
投手陣が頑張ってくれたと思う。オープン戦から少ない失点で抑え、投球に自信を持っているので調子が良い。片山翔(法3=大社)と山下(営1=東邦)は春から投げていたので、心配はしていない。投手陣は本当にいい。
TEXT/PHOTO=永田育美