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第29回関東大学ラクロスリーグ戦・2部Aブロック
9月11日(日) 武蔵大学朝霞グラウンド
東洋大6ー6横国大
チームの司令塔矢田主将
得点を決め喜ぶ選手たち
本日最後に2得点の青木
劇的な引き分けに、選手も胸をなでおろす。相性が合わない横国大相手に、一時は4点差のビハインドを許すも、残り6分から怒涛の追い上げを見せる。最後は執念を見せ、引き分けでリーグ戦第3戦を終えた。
流れは完全に横国大だった。第1Q開始早々、ファール(フリースペース・トゥ・ゴールの侵害)を取られ、相手にフリーショットの権利を立て続けに与えてしまう。気づけば0-4と、点数は予想よりも開いた。終了間際にMF中嶋(国2=東京成徳)がフリーショットの権利を獲得、そこからシュートを決めたが、点差の開きからか喜びを表現することができない。
迎えた第2Q、最初に点を入れたのは横国大だった。第1Q終盤に縮めた点差はまた4点差に広がってしまう。残り13分で中嶋が本日2点目のシュートを決めるも、その4分後に横国大がゴール。点差はまた4点に戻ってしまった。しかし、ここで諦めてはいけない。選手たちは、明らかにグラウンドを駆け抜けるスピードが速くなっていた。「シュートを決めた子たちは、自分が流れを変えてやろうという気持ちでやってくれていたと思う」。MF矢田主将(ラ4=県立昭和)が言う通り、流れが変わったのは残り6分で決めたAT斎藤(ラ3=都立井草)の華麗なシュートからだった。続いて残り3分にMF岡崎(ラ3=県立水口東)がゴールネットを揺らす。リーグ戦は、負けるのと引き分けでは大きく成績が変わってくる。残り3分で4-6のスコアに「引き分けでもいい」と誰もが願った。相手のファールやオフサイドも重なり、流れは完全に東洋大だ。
「雰囲気を変えたかった」とMF青木(ラ2=東洋)は語る。青木がゴールを決めたのは残り2分の時、ようやく1点差まで追いついた。残り90秒で1点決めなければ負けというプレッシャーにも関わらず、選手と応援共に負けムードは微塵もない。女戦士たちは果敢にグラウンドを駆け抜けゴールを狙う。そして、残り1分またしても青木が本日2点目を決め引き分けに持ち込むと、会場は今日1番の歓声を上げた。試合を振り返ると残り6分で4点、攻撃陣が大爆発した。
劇的な試合展開で引き分けに終わったが、課題はたくさん見えた。細かい課題や技術的なことはもちろん、矢田主将は「準備不足」を掲げた。「試合に入る前の雰囲気、ゆるさが見える。そこは私が変えていかなければならない」。次の相手は、今年3部から昇格してきた東大だ。1部昇格に向けて、東大戦は絶対に勝たなければならない試合。あと2週間のうちに、どれだけモチベーションを上げていけるか。矢野主将を始め、チームの真価が問われる。
■コメント
・MF矢田主将(ラ4=県立昭和)
予告していた通りの展開だった。(どんなスカウティングをしたか)去年も戦っていた相手で、練習試合もしたことがあったため、研究というところでは怠りがなかった。キーマン、攻めてくる人というのは、確実にスカウティングしていたつもりだった。しかし、個々の技術が、相手の方が上回っていた。個々の技術まではスカウティング仕切れなかったという面があり、そこで全体が崩れてしまったのかもしれない。(事前はどのくらいのスコア予想だったか)私たちの中では、同点か、1点差でどちらかが勝つか負けるかだと予想していた。コーチにも、今日は勝ち試合とは言えないと言われていた。自信がないと思われるかもしれないが、そういう予想をしていた。横国大は東洋大と相性が合わないので、1番厳しい相手かなと思っていた。最後は引き分けることができて、勝てなかったし満足はしてないが、引き分け点になったので意味のある試合だった。(良かったところは)後半の流れを作ったところ。点を決めたのは1、2、3年生で、全員私より後輩。最後先生が「何も考えずにゴールに行け!」というアドバイスに、素早く反応でき、意識できた。それはやはり後輩だった。そこで点を決めて流れを変えてくれたかなと思う。(反省点)コーチにも言われてしまったが、準備不足。それは、スカウティングという準備不足というよりも、試合への入り方、試合前のテンションが、まだまだ。少しゆるいというのをコーチにもおっしゃってもらった。雰囲気作りというのは、私ができることだったので、そこは個人的な反省点かなと思う。(次戦東大戦まで)東大は3部から上がってきた相手。正直、絶対に勝たなければならない相手。絶対に落とせない試合。東大は初戦に国士大と戦っていたが、私たちよりも得点を重ねて勝っていたので、その点では全然油断できない。さらに、走ってくる相手なので東洋大は苦手かなと思う。また、相性的にはあまり良くないが、時間があく分それを逆手に取り、スカウティング、気持ちともに準備をしていきたい。前の試合の時に課題に挙げた得点力について)全然点が入ってない。ゴールポストに当たるなど、コースが悪い。それは、引き続き課題。ディフェンスはよく守れていると思う。(ファールの多さについて)フリーショットをとられてしまった。相手のショットに対して、真ん前に入ってしまうとファールを取られる。それを5、6回重ねてしまった。それで向こうにフリーポジションを与えてしまい、ノーマークで打たれた。でも途中からケアをできていた。細かいファール気をつけたい。1人退場してしまった。絶対に1対1でケアしていかなければならない時だったのに、そういったファールも重ねてしまった。流れを作るという意味でも細かいファールは改善できる。(流れ変わった時)ひとりひとり思っていることは違ったかもしれない。ショットを決めてくれた子達は、私が変えるって思っていた。自分のエゴを出せたのが逆に良かったのかもしれない。青木も、今までエゴを出し続けていて、1度落ち着いたが今回また爆発してくれた。あまりチーム力がない言い方だが、逆にエゴがああいった流れを作ってくれた。
・MF青木(ラ2=東洋)
(試合を振り返って、良かった点と悪かった点というのは)良かった点というのは、後半切り替えて自分で点を決められたこと。前半は、攻めろと言われていたのに弱い部分が出てしまって自分のシュートを決められなかったので、そこが悪かった点だ。(後半点を決めていたが、どのような気持ちだったか)雰囲気が結構悪くなっていたので、そこで決めて雰囲気を変えられたと思うのでよかった。(次の試合に向けての意気込みは)スタートからガンガン攻められるように、また自信をつけられるように練習していきたい。
TEXT=菊池美玖 PHOTO=小野由佳莉