記事
平成28年度東都大学野球秋季1部リーグ戦・専大2回戦
9月29日(木)神宮球場
○東洋大2-0専大
(イニングスコア)
2回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
専 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | × | 2 |
(東洋大)
石倉、山田、中田、○山下(1勝)-西川元
三塁打:中川(五回)
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (二) | 阿部健(営4=帝京) | 4 | 2 | 0 |
2 | (右) | 安西(営4=聖光学院) | 3 | 1 | 0 |
3 | (指) | 中川(法2=PL学園) | 4 | 2 | 2 |
4 | (中) | 笹川(営4=浦和学院) | 3 | 1 | 0 |
5 | (三) | 田中将也(営3=帝京) | 3 | 0 | 0 |
6 | (一) | 鳥居(営4=愛工大名電) | 3 | 0 | 0 |
7 | (遊) | 津田(総1=浦和学院) | 3 | 0 | 0 |
8 | (左) | 茶谷(営4=東北) | 2 | 1 | 0 |
打 | 竹原(法2=二松学舎大附) | 1 | 0 | 0 | |
左 | 西村(営4=広陵) | 0 | 0 | 0 | |
9 | (捕) | 西川元(営3=浦和学院) | 3 | 1 | 0 |
計 | 29 | 8 | 2 |
・投球成績
名前 | 回 | 打 | 球数 | 安 | 四死球 | 振 | 責 |
石倉(営4=帝京) | 31/3 | 13 | 66 | 2 | 2 | 3 | 0 |
山田(総1=桐生第一) | 12/3 | 6 | 31 | 0 | 2 | 1 | 0 |
中田(営2=大宮東) | 2/3 | 3 | 10 | 1 | 0 | 0 | 0 |
○山下(営1=東邦) | 31/3 | 13 | 47 | 2 | 1 | 4 | 0 |
・順位表
※9月30日(木)現在
順位 | 大学名 | 東洋大 | 日 大 | 亜 大 | 国学大 | 中 大 | 専 大 | 勝 | 負 | 分 | 勝率 | 勝ち点 |
1 | 東洋大 | * | ○ | ○○ | ○○ | 5 | 0 | 0 | 1.000 | 2 | ||
2 | 日 大 | * | ○ | ○○ | 3 | 0 | 0 | 1.000 | 1 | |||
3 | 亜 大 | ● | * | ●○● | ○○ | 3 | 3 | 0 | .500 | 1 | ||
3 | 国学大 | ● | * | ○●○ | 2 | 2 | 0 | .500 | 1 | |||
5 | 中 大 | ●● | ●● | ○●○ | * | 2 | 5 | 0 | .286 | 1 | ||
5 | 専 大 | ●● | ●● | ●○● | * | 1 | 6 | 0 | .143 | 0 |
※国学大との2回戦は未消化試合となっています。代替試合日が未定のため、決定次第、連盟から公式に発表されます。
中川の一振りで試合の均衡が破れた
中継プレーがもたつく間に一気に三塁を陥れた
山下は六回途中から登板し、今季初勝利を挙げた
勝ち点のかかった2回戦に見事完封勝ちし、開幕から負けなしの5連勝。五回に中川(法2=PL学園)が連日の決勝打となる2点適時打放ち、その得点を4投手のリレーで守り切った。好投が続く投手陣は、六回途中から好救援した山下(営1=東邦)に嬉しい今季初白星がついた。
目の覚めるような一打だった。四回まで毎回走者を出しながら無得点。五回1死一、三塁。この試合3度目となる、得点圏に走者を置いた場面で打席に向かったのは中川だった。「前の打席がストレート勝負だったので変化球で来ると思っていた」と追い込まれてからの5球目、外よりベルト付近の高さに入ってきた甘いスライダーを逃さなかった。冷静な判断で読み勝ち。迷わずバットを出し、放たれた打球は左中間を真っ二つ。二人の走者を還す2点適時三塁打となった。
初回、1死二塁の好機では三振に倒れた。「ストレートがシュート回転するのが頭になかった」と予想外の球質に惑わされ、思うような打撃ができなかった。後続も打てず先制機を逃すと、それ以降走者を出すもののあと一本が出ない。四回には相手に先制を許しそうなピンチもあったが、今季初登板の1年生・山田(総1=桐生第一)が完璧な投球で乗り切った。そうして全員で耐えて、つないで作った好機に最高の結果で応え、ようやく復調の気配が見えてきた。前日の試合で決勝の本塁打を放ち「気持ちが楽になった」と話した中川。続けて「何で打ててるんですかね、不思議な感じです」と口にしたときには自然と笑みがこぼれていた。
好調の要因はもう一つある。中川が「すごい先輩です」と尊敬している、母校・PL学園の1学年上で、現在は社会人野球の東京ガスでプレーする中山悠輝さんからのアドバイスだ。中川は昨年、全試合に出場し不動の3番として出場を続け好成績を残したが、今春は一転‶チャンスメイク〟も‶勝負強い打撃〟もできていなかった。そこで、自身の打撃の悩みを打ち明けると‶体の使い方〟についてアドバイスを受けた。中川本人は「体の使い方を教えてもらっただけです」と話すも、それを実践し始めてから「以前よりも打球の上がり方が変わってきた」という。前日の本塁打、この試合の三塁打と角度がつかなければ打てない打球だ。尊敬する先輩の的確な一言が、中川の復調に結びついた。
チームは開幕5連勝で首位を快走する。2週間後には中川も「これからは亜細亜戦のためにしっかり準備することが課題」と話すように、全選手が特別な思いを抱いている亜大との戦いが待ち受ける。今春唯一勝ち点を奪えず、連敗した相手。11季ぶりの優勝に向けた重要なカードだ。「監督さんには打てなくても我慢して使ってもらっている。なんとか結果で感謝の気持ちを見せたい」。そう意気込む中川に、3番打者の風格が戻ってきた。
■コメント
・高橋昭雄監督
(試合の)出来は悪かったけど、みんなの執念が実ったのかな。中川はよかったですけど最初がね(一打席目は凡退)。山田はよく投げました。よく0点で抑えましたよ。ここまで負けないで来てるから、あともう一つというところかな。
・中川(法2=PL学園)
(打ったのは)外角の真ん中に入ってきたスライダー。前の打席がストレート勝負だったので変化球で来ると思っていた。その読みが当たった。一発で仕留められてよかった。(初回の好機では凡退)ストレートがシュート回転するのが頭になかった。昨日のホームランで気持ちが楽になった。何で打ててるんですかね、不思議な感じです。(今カードは当たっているが)フォームを少し変えた。PLの先輩で東京ガスでプレーしていらっしゃる中山さんにも相談した。中山さんには体の使い方を教えていただいて、打球の上がり方が変わってきました。これからは亜細亜戦のためにしっかり準備することが課題。今は投打がかみ合っていて、勝てるという雰囲気がある。日頃の練習から笹川さんを中心に盛り上がり方や、一人一人の取り組み方がいい。監督さんには打てなくても我慢して使ってもらっている。なんとか結果で感謝の気持ちを見せたい。チームの状態がいいので、浮かれることなく一戦必勝でやるだけです。
TEXT=菅野晋太郎 PHOTO=菅野晋太郎、美馬蒔葉
※次戦は10月11日(火)亜大戦です。試合開始予定時刻は10:30、東洋大は一塁側、後攻です。