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第92回関東大学バスケットボールリーグ戦
10月23日(日) 東洋大学スポーツセンター
東洋大79―83立大
13|1Q|19
20|2Q|20
18|3Q|21
28|4Q|23
スターティングメンバー
2山口健大
29岩淵俊也
30川上海斗
33平孝介
88山本大貴
スリーポイントでチームに貢献した島崎
鋭いドライブインをみせる山口
中村はチームの支柱となった
前半を6点差で折り返し、後半最大19点に開いた点差を4年生中心に3点差まで追い上げた。追いつき離されのデットヒート戦を繰り広げ、4年生の勝ちに対する強い姿勢をみせるも立大相手に79対83と惜敗。
1Q、2Qともにパスカットからの速攻やゴール下での合わせなどが多くみられ、東洋の持ち味を生かしたゲーム展開だったが、相手のスリーポイントに阻まれなかなか点差が縮まらない。また、「最初の入りが悪いのが全部敗因につながっている」と山口(済4=桐光学園)が語るように今季課題となっている“出だしの悪さ”も目立った。そんな中、2Q終盤、山口がスリーポイントライン付近でファールをもらい、3本のフリースローを決めた。27―29と一気に2点差まで詰め寄る。その直後、中村(済4=幕張総合)が見事スリーポイントを決め、勝負どころで同点に追いついた。その流れのまま前半を終えるとみられたが、チームファールが立て込んでいたところに土壇場でファールをし、相手にフリースローの機会を与えてしまう。結局、1Q・2Q変わらず6点ビハインドで前半を折り返す。
3Qになっても相手のスリーポイントの勢いは収まらず、残り2分で4連続スリーポイントを許し、41―60と19点差まで離されてしまう。「オフェンスも上手くいかなくて、一人一人の集中力が切れていらいらしていたところも少しあった」と中村は振り返る。誰もが下を向きそうになる状況だったが、残り1分20秒で前線からディフェンスを仕掛けにいくと、パスカットからゴールチャンスをものにする。ここでも中村のスリーポイントが光り、山口も体勢を崩しながらのレイアップを決めるなど19点差を9点差に縮め、勝負は4Qへと持ち越された。
運命の4Q、スリーポイントを阻止しようとシュートチェックに向かうも逆にファールとなって裏目に出てしまう。リバウンドもなかなか取れなくなり、じわじわとまた点差が開いていった。しかし、再び開いた点差を島崎(ラ4=蟻ヶ崎)のスリーポイントが引き寄せた。チーム全体に希望が見えると、その直後にパスカットから2点を奪い、再び島崎のスリーポイントが決まる。この時点で77―80と3点差。島崎は「時間もなくて点差も離れていたので打つしかないと思った。決める自信もあった」と語る。一瞬の出来事のような展開の早さで一気に東洋ムードに。だが、残り1分半、ファールが相次ぎ、序盤にたまっていたチームファールから相手にフリースローをまたもや与えてしまい、1点、また1点と離された。ジェットコースターのような激しい展開みせた試合は、惜しくも4点届かず幕を閉じた。この結果に目監督は「もうちょっと早い段階で、何回も同点に行けるタイミングがあった。その時のオフェンスがまずかった」と振り返る。山口も「やれば点差をつめることができるし、いいペースでバスケをできるが温存してしまったり、最初にやらないのが今日の敗因」と前半のゲーム展開に反省点を挙げた。
リーグ戦も残るは2試合のみとなった。現在9位の東洋は1戦でも落とせば3部との入れ替え戦が確定する。負けられない戦いが続くが、今日みせた4年生の勝利への強い思いがあれば必ず勝利の女神は味方につくだろう。残る2戦、4年生の活躍が見所となる。
・コメント
・目監督
立教さんはシュートが上手い。抑えには行っていたが、入れた彼らを褒めるべき。(終盤の追い上げは)たまたまブリッツでのディフェンスが効いた。もうちょっと早い段階で、何回も同点に行けるタイミングがあった。その時のオフェンスがまずかった。(4Qの入り方が問題か)途中の段階で3点差4点差となった時に、入れなきゃいけないレイアップを外したり、逆に相手にレイアップ入れられて2点取るところを2点取られて、4点違ってくる。このダメージは大きい。あとは1Q2Qでのキャッチアップミスというのが3Q以降はなかった。これをやられなかったらこんなに苦しんでなかったし、ゲームも勝っていたと思う。1Q2Qからやってくれれば、結果は変わったんじゃないかと思う。(次戦へ向けて)入れ替え戦もあるかもしれないけど連勝して2部にいなければいけない。何とか頑張ります。
・中村(済4=幕張総合)
勝てる試合だったが、最後の詰めが甘いというか、リバウンド負けしてしまったのが大きかった。でも、出だしが悪いのが前日も気になったので出ている人出てない人関係なく4年生がまとめていかなきゃいけないと思う。(4Qの追い上げについて)プレッシャーかけてもういくしかないという感じだった。終盤、プレッシャーかけて点差をつめることはできるがその後がやっぱりまだ力不足。(最大19点差について)そこが大きかった。頑張ってないってことではないが、コミュニケーション不足だったり、いまいち上手くいかない。一人一人の集中力が切れていらいらしていたところも少しあった。(相手の3ポイントシュートについて)抑えどころはわかっていたが、決められてしまった。抑えどころをもう少し抑えられていたら、勝てていたかなと思う。(良かった点)最後4年生中心で前からプレッシャーをかけられて追い上げられたというのは良かった。(次戦に向けて)次負けたら、入れ替え戦確定なので勝ちたい。
・山口(済4=桐光学園)
最後勝ちきれない。最初の入りが悪いのが全部敗因につながっている。最後みんな頑張って足を動かして、ディフェンスをやる追い上げムードが毎回最後に出すチームになっている。最初から負けている気持ちで足を動かして、死にものぐるいでディフェンスをやる雰囲気を最初から出せないと勝てないというのが本当に実感した。やれば点差をつめることができるし、いいペースでバスケをできるが温存してしまったり、最初にやらないのが今日の敗因。(積極的にシュートを打っていたが)今季はそこまで自分の中でも調子が悪いわけではないので、気持ちよくシュートを打つことを心がけている。自分は今後もバスケを続けるのでシューターとして感覚は試合でも練習でも常に意識して一本一本打っている。(4年生だけのゲーム時間があったが)前日も4年生だけのプレー時間があってそういうときはベンチも周りも盛り上げてくれているので自分たちもやってやろうと。(次戦に向けて)2勝すれば入れ替え戦なく引退できると思うが、一つでも負けたら入れ替え戦になってしまう。入れ替え戦のことも考えなければいけないと思うが、本当にあと2試合で決まるので2勝して、入れ替え戦行きたくないというのが本心。来週は本当に頑張ります。
・島崎(ラ4=松本蟻ヶ崎)
勝てた試合だったのですごく悔しい。昨日は最後、自分らしさを出せたので、今日も引き続き攻めていこうと思ったが、前半は思い切りの良さが足りなかった。(4Q、監督からは)前からプレッシャーかけて奪って早い展開に持っていけるように、そしてシュートを思い切り打つように言われた。(4Q、3ポイントを決めた場面は)時間もなくて点差も離れていたので打つしかないと思った。決める自信もあった。(次戦に向けて)あと2試合勝つしかない。チーム一人一人が自分がやるという気持ちを持つことが大事だと思う。
TEXT=水野桜 PHOTO=髙橋雪乃、福山知晃、土橋岳