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2016.10.24
アイススケート

[スピードスケート]シーズン開幕! 島田がユニバーシアード最終選考へ

SBC杯第23回全日本スピードスケート距離別選手権大会

10月21日(金)〜23(日) M-Wave 長野市オリンピック記念アリーナ


◆男子500m

27位 川目拓 36秒79

30位 上地 37秒09


◆男子1500m

17位 小岩 1分51秒79


◆男子3000m

3位 島田 3分54秒63
23位 小岩 4分10秒23


◆男子5000m

13位 島田 6分44秒33


銅メダルを下げる島田㊨


島田は2種目で自己ベストを出した


小岩も1500mで自己ベストを更新


今大会初出場の上地


川目拓の次戦への意気込みは十分だ


 全日本スピードスケート距離別選手権大会(以下、距離別)が開幕し、4人の選手が出場した。島田(社3=佐久長聖)は5000mで自己ベストを大幅に更新。2日目の3000mは、距離別では東洋大初の表彰台へ上り、好スタートを切った。


 シーズン開幕戦となる今大会。また1月末に予定されているユニバーシアード冬季競技大会(以下、ユニバーシアード)への選考がかかった大事な一戦である。長距離エース・島田も、そんな世界の舞台を望む一人だ。本命の5000mが行われた初日、自己ベストを10秒以上更新する6分44秒33の好記録を収める。「自分でもびっくり」と、辛い合宿での成果が表れた結果だった。レース後には加部監督とハイタッチをする姿も見られ、いつもは厳しい監督も思わず笑みがこぼれる。順位は13位だったものの学生の内では6番以内に入り、念願のユニバーシアード出場へと望みをつなげた。また、2日目の3000mでも好調子を見せる。ペースを落とさず、同滑走者を大きく引き離し3分54秒63の自己ベストを記録。3位に入賞し、距離別では東洋大初となる表彰台へと上がった。

 同じく1500mでユニバーシアードを狙っていた小岩(社1=白樺学園)は、高校時代に引き続き2回目の出場。緊張を見せない堂々とした滑りで、1分51秒79と自己ベストを2秒ほど更新する大健闘を見せた。しかし、「タイムは良くても満足できないレース」と振り返るように、周りのレベルが激しく高くなった今大会で順位を伸ばすことができず17位。悔しさが残る結果に、「12月の全日本選手権でリベンジしたい」と闘志を燃やした。また、500mに出場した上地主将(社4=佐久長聖)と川目拓(社2=駒大苫小牧)はタイムが伸び悩む結果に。今回は実力を発揮できなかった分、その反動の思いを糧に今後の大会へ挑む。


 いよいよシーズンが本格化し、毎週末各地でジャパンカップなどの大会が行われる。「やっぱり一人や二人だけじゃだめ。全員が上位入賞しないと(加部監督)」。最終的にはインカレの総合優勝を目標に各地で練習に励むスピードスケート部。ジャパンカップや12月の学生選手権で入賞者を出し、インカレに向けて勢いに乗りたいところだ。今大会で自己ベストを出し幸先の良いスタートを切った島田、小岩の他に、「去年の後半から調子がめちゃくちゃ良い」と今最も加部監督の期待を寄せている短距離の小林(社2=市立長野)にも注目だ。



■コメント

・加部監督
(総括として)短距離はやっぱりまだまだ。けがもそうだけど、内容を聞いてみるとやっぱり心に気の緩みがある。俺から言わせてみればプロ意識がない。(1500mの小岩は)あれでもベストなのさ。でもやっぱりだんだんレベル高くなってきた周りが。去年とは比にならないくらい。国の強化選手とは練習量も条件も違うのでどうしても難しくなるが、そこを踏まえれば普段の練習でベストタイムを出せたのは良いこと。去年よりは全然良い。その後の3000mはダブルヘッダーだったのでキツかったと思う。一種目目で神経がもう切れちゃうからね。(5000mの島田について)大幅なベスト更新。やってきたことが間違いではなかったということ。合宿でも調子は良かった。ユニバーシアードの代表候補に選ばれたことで行きたい気持ちもあるだろうし、エースとしての自覚も出てきた。結果として出てるからね。(3000mでは表彰台ですが)距離別で(表彰台)は初めてじゃないかな。ただ3000mはワールドカップなどのシニアの大会ではない種目だからね。そこがなんとも言えない。(今後は)ほとんど毎週大会があるが、やっぱり一人や二人だけじゃだめ。全員が上位入賞して意識レベルを上げてもらわないと。小林はこの大会には出てないけど、去年の後半から調子がめちゃくちゃ良い。ジャパンカップと全日本選手権には出られるので、絶対に取ってほしい。


・上地主将(社4=佐久長聖)
スタートから加速できなくて、それに伴ってコーナーも加速できなかった。加速できずに終わったという感じ。(距離別は)初めて。結構緊張した。(レース前は)タイムを狙うと力んでしまうので、気負わずにリラックスして滑ろうと思った。(タイムについて)悪いです。これから調子を上げていきたい。(今後に向けて)インカレに合わせるために、レースごと成長していけたらいいなと思う。


・島田(社3=佐久長聖)
ユニバーシアードの選考が絡んでいたので、プレッシャーもあったがそれなりの結果が出たので満足。(5000mは)自己ベストを10秒更新したので自分でもびっくり。長距離は人が少ないので、そこで責任感に目覚めた。合宿での練習が結果につながったと思う。(内容は)何も考えないで滑ったので、いつのまにか終わったという感じ。レースが始まる前に、絶対に良い結果出して監督にハイタッチしたいと思っていた。終わった後は結果を見て嬉しかった。(3000mは)自分でも楽しみなレースだったので、攻めるイメージで滑った。3番なのは悔しいが、タイムは悪くなかったので満足。(合宿では)ほとんど一人で練習してきた。辛かったけど、今思えば一人でやってきて良かったと思う。(今後に向けて)開幕戦で良いスタートが切れたと思うので、これからみんなの期待に応えられるように、インカレまでこの調子を持続させていきたい。


・川目拓(社2=駒大苫小牧)
微妙な感じ。緊張はしなかったが、けがしたりしてあまりうまくいかない部分もあった。悔しいけど、できる限りはやった。まだ大会はあるのでそこで頑張りたい。(今後に向けて)自己ベストを更新する。今後の大会で最高の滑りをして、35秒台を出したい。そしたらインカレでも勝てると思うので、弾みを付けたい。


・小岩(社1=白樺学園)
(1500mは)ユニバーシアードを狙っていたが、タイムは悪くないが周りのレベルが高くて、順位が取れないまま選考から外れてしまった。タイムは(自己ベストで)良くても満足できないレースだった。(内容は)スピードに乗ってからのコーナリングとか、レース全体として慌てたので、練習通りに落ち着いて滑れば全然ユニバーシアードを狙えるタイムを出せたと思う。(距離別は)2回目なので、緊張はなかった。(今後の目標は)今回はめっちゃ悔しい思いをしたので、ジャパンカップで表彰台に乗ること。今年中には(1分)50秒を切りたい。12月に北海道の帯広で全日本選手権があるので、そこでリベンジしたい。


TEXT/PHOTO=坂口こよみ