Article

記事


2016.10.26
水泳

[水泳]W杯 好調が続く大橋準優勝に輝く

第58回日本選手権(25m)水泳競技大会FINAスイミングワールドカップ2016東京大会

10月25日(火)~26日(水) 東京国際辰巳水泳場



※競技は、FINAスイミングワールドカップ2016東京大会(以下、SWC)と併せて行う。

日本選手権(25m)決勝は、SWC決勝進出者を除き、国内上位8位までが出場できる。(大会概要より抜粋)


1日目・日本選手権(25m)決勝

◆女子200m自由形

8位 露内 2'01"03

◆女子100mバタフライ

4位 中野 58"72

5位 藪 58"95

◆男子400m自由形

4位 山本 3'48"91

◆女子50m自由形

3位 岩本 25"31

◆男子200m平泳ぎ

8位 毛利 2'10"76


1日目・FINASWC決勝

◆女子100m平泳ぎ

8位 青木 1'06"29

◆女子200m個人メドレー

4位 大橋 2'07"91

◆男子400m自由形

6位 天井 3'44"60


2日目・日本選手権(25m)決勝

◆女子100m自由形

5位 岩本 55'40

◆女子50m平泳ぎ

2位 江口 31'50

◆女子200mバタフライ

4位 藪 2'09"91

◆男子200m個人メドレー

4位 若林 1'58"09

8位 松田 1'59"82

◆女子400m自由形

3位 菊池 4'07"58

◆女子50mバタフライ

7位 藪 27"26


2日目FINASWC決勝

◆男子200m自由形

7位 天井 1'45"95

◆女子200mバタフライ

4位 中野 2'07"35

◆女子200m平泳ぎ

4位 青木 2'21"08

◆女子200m個人メドレー

2位 大橋 4'30"27

5位 露内 4'33"06

表彰台で笑顔をみせた大橋()



力強い泳ぎで4位入賞を果たした中野


2日間にかけて行われたSWCには、カティンカ・ホッスー(ハンガリー)などリオ五輪金メダリストも出場。その中で東洋大水泳部も午後のSWC決勝の舞台に進み、今大会は特に女子の活躍が目立つ結果となった。

 初日に女子200m個人メドレーSWC決勝、2日目に女子400m個人メドレーSWC決勝に出場した大橋(国3=草津東)はどちらの種目も自己ベストを更新。自身が大会前の目標タイムよりも、速く泳ぐことができたのでタイム的にも満足のいく大会となった。400m個人メドレーでは、第2泳法の背泳ぎまで体半分以上のリードでトップを譲らない泳ぎだっただけに、平泳ぎと自由形でホッスーに抜かれてしまったのは悔やまれる。世界で戦うために、後半の泳ぎにさらに磨きをかけたいところだ。

今大会でも2日間で11種目に出場するなど、そのタフさから競泳界では“鉄の女”と称されるホッスー。「私もあんな風になりたい」と大橋は憧れを抱いた。今回共に表彰台に上ったことで、自分に自信もついた。2年生の時の不調を払拭した大橋が、“鉄の女”を超える日も近い

大橋と共に女子400m個人メドレーSWC決勝に出場した露内(文3=京都外大西)も好調をみせる。200m地点までは、4位の選手と1秒以上の差を付けた。しかし平泳ぎに入り徐々に差を詰められ、300m地点でその差は0"16とほぼ並ぶ展開に。最後の自由形で勝負となったが、相手の外国人選手に力及ばす惜しくも5位でフィニッシュ。しかしタイムは自己ベストを更新して、日本人では大橋に次いで2位と好成績を残した。

1日目の100mバタフライではSWC決勝への進出を逃した中野(文1=長岡大手)だったが、2日目には得意の200mバタフライで、予選2位通過で決勝に進出した。前半から勢い良くスタートを切るも、全体順位は4位。憧れの星奈津美がプレゼンターを務めた表彰式にあと一歩のところで参加できず、悔しさをにじませた。だが、この種目日本人最高順位を収め、シーズンオフ後にリオ五輪代表の長谷川(東京ドーム)に競り勝ったことは、この大会の収穫だ。

日本短水路選手権、女子400m自由形決勝では菊池(営3=作新学院)が登場。前半を5位で折り返したが、徐々に順位を上げた。安定したレース展開で結果は3位入賞。大学生活ラストイヤーに向けまずまずのスタートを切った。

男子は天井(文4=天理)がSWC決勝で活躍、下級生は自己ベストを更新する選手も見られたが、チームの飛躍のためには、レベルの底上げが急務である。今年のインカレで創部初の総合優勝を果たした女子。黄金世代と呼ばれる4年生から代替わりして、新チームを引っ張る存在となったのが3年生の大橋、菊池、露内だ。新チームで挑む大きな試合で3人が揃って好成績を収め、インカレ連覇に向けての良いスタートを切った。


■コメント

・青木(営4=武蔵野)

―1日目レース後―ベストが1分5秒なので、4秒を出したかった。オフが明けてそんなに泳いでいなくて、スピードだけ意識してやっていた。先生には世界短水路を狙えと言われていたので、そこを狙っていた。

―2日目レース後―短水路ということもあり、昨日は結構力んでしまった。本来の自分の泳ぎを心がけ、先生もウォーミングアップからずっと見ていただき、周りは気にせず自分の泳ぎに集中した。予選の隣がユリア・エフィモア選手だった。海外の選手を見ていると、ラップも速いので惑わされる気がするが、今日は自分の泳ぎに集中することができた。昨日はとてもタイムが悪く落ち込んでいた。今日の決勝でなんとか切り替えることができて良かった。

 

・天井(文4=天理)

―1日目レース後―オフが明けて一発目の大きな試合だったので、しっかりと自分の課題を見つけられるように泳いだ。ターン後の壁の蹴りなど細かいところが短水路は重要になってくるので、そういう部分で差がでてしまい、このような結果になってしまった。この試合は世界短水路選手権の選考も兼ねているので、優勝するつもりで予選からしっかり泳いだがまだまだ力不足だというのを実感した。明日もあるので、切り替えて今日の悪かった部分を修正していきたい。自分自身もう1回代表として世界の舞台で戦いたいという気持ちがあるので、また明日優勝するために準備したいと思う。みんなより遅れて僕はオフ明けの練習がスタートしたが、遅れたなりにもしっかりリフレッシュできた部分はある。就職先は決まっていないが、練習拠点は東洋大学さんにお願いして、水泳部と一緒に4年間練習させていただくという形に今のところなっている。

―2日目レース後―予選で、落ち着いた泳ぎができなかった。決勝は自分の泳ぎをしようとしていた。隣がリオ五輪100m自由形の金メダリストだったので、自分にもプラスになるレースだった。いい意味で勝負を仕掛けたいなあと思って泳いだ。緊張よりも楽しむということが、大きかった。オリンピックの金メダリストとともにレースをすることはなかなかないことなので、決勝で隣で泳いだ経験をしっかり活かして、これからまたさらに上を目指して、頑張っていきたい。全然まだ、英語ができないので。もっともっと英語を勉強して、話せるようになれば世界大会も楽しくなるのかなと思います。(来月のアジア大会)長水路の代表の1発目の大きな大会なので、これからアジア選手権を泳いでいくのかを決めたい。ベストは更新できるように練習をしていきたい。

 

・大橋(国3=草津東)

―1日目レース後―7秒台に突入しようと思っていたので、タイムは良かった。しかし、表彰台に乗りたいと思っていたので、少し悔しい。(短水路について)ターンが下手なので、あまり短水路が得意ではない。この大会は世界短水路選手権の選考会になっていて、この大会の代表に入れないと、4月の日本選手権(2016競泳世界選手権選考会)で代表に入れる可能性も見えてこない。ターン等を意識して泳がないといけないので、短水路は難しい。(アジア大会日本代表に選ばれたことについて)アジア大会は夏までのランキングから選考されるが、自分が選ばれるランキングまできたことはうれしいこと。でも、タイムはまだまだなので頑張らないといけない。(隣のレーンはホッスー選手だったが)前半はついていこうと思っていたが、知らない間に置いていかれてしまった。ホッスー選手は何種目も泳いでいるのにタフ。自分もそういう風になりたい。(副キャプテンという役割について)新しいチームが始まっても、総合優勝したということもあり、いい雰囲気で来年の日本選手権やインカレにみんなの気持ちが向いている。みんなが頑張っているので、上級生としてもやりやすい環境ではある。自分がキャプテンと女子キャプテンの2人をサポートしていきたい。

―2日目レース後―(この大会の位置づけ)それほど泳ぎこんではいないが、世界短水路の選考がかかっているレース。ここで代表に入るか入らないかではモチベーションが違ってくるので、しっかりと代表を狙って練習してきた。記録的には短水路であまり泳いでいなかったのでベストを出すのは当たり前。2コメは7秒台、4コメは31秒台が出ればいい方だと思っていたので、30秒がでて驚いたのと代表になれそうなのでほっとしている。今年は春からずっといいレースができていて、自信になった。夏で結果を残せたことで、来年やっと世界選手権の代表に入れるというのが目に見えてきてたと思うので、モチベーションを保ちながらやってこれている。小堀さん、玲緒樹さん、天井さんとも一緒に練習しているので、そういう人たちをみると自分はまだまだだなあと実感する。とても勉強させてもらっている。(今の記録の伸びは、今までの水泳人生の中でどの程度のものなのか)考え方や挑み方が変わった。今まではほかの人を気にして泳いでいたが、それでは勝てないということが分かりとにかく自分のレースをすること。自分が練習でやってきたことを出すぞという気持ちでレースをしている。去年の1年間は体調不良もあり苦しい思いもしたので、自分のダメな部分、足りない部分を見直すことができた。平泳ぎのラップを1分18秒台前半のラップで回りたいと思っている。来年春までに平井先生には日本新を狙えと言われているので、そのくらいの気持ちでないと世界選手権の代表には入れないと思っている。(若葉さんと隣で泳いで)1週間前も東スイの大会で隣で泳いで、いつも練習を一緒にやっているので、練習のようにお互い負けないぞ、ついていくぞという気持ちで泳げた。


・露内(文3=京都外大西)

今日の成績は自分でも自己ベストだったので、最後浮いてしまったから満足とはいかないが、大橋に次いで日本人2位で嬉しい。今日のタイムは1"07くらいベストだった。大橋はいつも練習でも隣で泳いでいるので、練習みたいな感じで泳げた。緊張はしたが落ち着いて泳げた。(9月から女子主将に選ばれたが)自分にしかできないことは何だろうと思ったときに、出来るだけ結果でチームを引っ張って行きたいのと、今年女子総合優勝を果たせたので偉大な4年生がいなくなっても連覇出来るようにキャプテンとしても選手としても、チームを引っ張っていきたい。


・岩本(済2=京都外大西)

―2日目レース後―昨日でスピードはあると思っていた。自己ベストは100mでも狙っていたが、周りにのまれた。予選はよく泳げなくて、決勝は立て直したが、置いてかれて。短い距離は得意だが、長い距離だとキックが弱いのでそこが課題。練習中でも、アンダーウォーターができていないといつも怒られるので、それが顕著に表れた。練習頑張らないとと思った。練習が弱いので、少しでもみんなと同じように泳げるようにならないと。(4年生が抜けて変化は)フリーの選手が速い選手が抜けてしまったので、個人メドレーでフリーを泳いでくれる先輩もいるが。フリーの短距離が私と、後輩の2人しかいない。あとは長距離の選手なので、短距離は後輩と一緒に頑張っていきたい。4年生が抜けて寂しい。めちゃくちゃ速い内田さんと宮本さんが抜けてしまったので、その穴を埋めないといけないが、今は厳しいのでもっと頑張りたい。

 

・藪(営2=武蔵野)

―2日目レース後―50mバタフライに関してはスイムオフもあり、一応0.2秒ベストを更新したのでスピードに関しては結構良かった。200mは課題の残るレースになってしまった。まず、前半も遅かったし後半もバテバテ。スピードも出なかったし、後半も疲れてしまった。ベストに近いタイムが出せればワールドカップの決勝にも残れていたので、最低ベストは更新したかった。短水路と長水路でベストが変わらないので、ターン動作に苦手意識がある。ターン後のドルフィンキックを意識して練習してきたけれど、課題が残るレースになった。

 

・山本(文2=天理)

―1日目レース後―がっつり泳いだわけではなく、タイムはそんなに気にせず楽しく泳げればいいなと思っていた。予選思っていたよりもタイムが良くて、決勝を泳げることになったので、上げようと思っていた。決勝でタイムが落ちてしまうので、上げようと思ったが前半が遅くなってしまうのでそこが課題。ベストで泳げば決勝を泳げるチャンスはあると思っていた。でも、わりとラッキーな感じ。(チームが新体制になって)やはり4年生が強かったので、抜けてしまって不安はあるが、雰囲気も良く練習できているのでインカレに向けてもこの冬しっかりとトレーニングを積んでいきたい。


中野(文1=長岡大手)

(日本人1位は)そんなにこだわってなかった。海外の選手と泳げる機会は滅多に無いので、そのチャンスを自分で良いものにしていけるかが重要だった。インカレが終わって、オフが入ってそこから全然泳いでなくてこんなんで世界短水路狙えるのかなと疑問に思ったりもした。でも先生が自分の事信じてくれたし、自分も先生の事信じて練習できたからこういう結果になったんだと思う。短水路は苦手だかオリンピックに出た長谷川(東京ドーム)と久々に泳ぐレースだったので、自分がどれだけ食らいついていけるか。お互い練習不足の中で、競り勝てたのは自信になった。(来年度に向けては)東洋大で来年の夏は5人の代表を出すというのが目標なのでその中の5人にはいれるように頑張る。目標タイムは長水路で2'05"00。(アジア選手権に向けて)長水路での試合になるので、インカレよりも良いタイムで泳ぎたい。


*この大会により12月に行われる世界短水路選手権に、天井・青木・大橋・菊池・露内・中野が選出されました。


TEXT=菊池美玖、梅山織愛

PHOTO=梅山織愛


ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016