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平成28年度東都大学野球秋季1部リーグ戦・日大2回戦
10月26日(水)神宮球場
○東洋大10-5日大
(イニングスコア)
2回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
日 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 1 | 5 |
東洋大 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 7 | 1 | × | 10 |
(東洋大)
甲斐野、山下、中田、○飯田(4勝2敗)―西川元、澤田
本塁打:宇佐川(八回ソロ)
三塁打:佐藤(七回)、宝楽(七回)
二塁打:阿部健(七回)、田中将也(七回)
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (中)左中 | 竹原(法2=二松学舎大附) | 5 | 2 | 0 |
2 | (三) | 田中将也(営3=帝京) | 3 | 1 | 3 |
打 | 古田(法3=天理) | 1 | 0 | 0 | |
三 | 蛭田(法3=平塚学園) | 0 | 0 | 0 | |
3 | (二) | 中川(法2=PL学園) | 4 | 0 | 0 |
4 | (一) | 原澤(営3=前橋工) | 3 | 0 | 0 |
打右 | 安西(営4=聖光学院) | 1 | 1 | 1 | |
5 | (指) | 佐藤(法1=聖光学院) | 4 | 2 | 1 |
6 | (捕) | 西川元(営3=浦和学院) | 2 | 0 | 0 |
打二 | 阿部健(営4=帝京) | 2 | 1 | 1 | |
7 | (右) | 宝楽(営3=PL学園) | 4 | 1 | 1 |
捕 | 澤田(営4=新湊) | 0 | 0 | 0 | |
8 | (遊) | 宇佐川(営3=済美) | 3 | 2 | 1 |
9 | (左) | 掛林(営3=西日本短大附) | 2 | 0 | 0 |
打中 | 笹川(営4=浦和学院) | 2 | 1 | 1 | |
左 | 西村(営4=広陵) | 0 | 0 | 0 | |
計 | 36 | 11 | 9 |
・投球成績
名前 | 回 | 打 | 球数 | 安 | 四死球 | 振 | 責 |
甲斐野(営2=東洋大姫路) | 51/3 | 21 | 71 | 2 | 4 | 1 | 2 |
山下(営1=東邦) | 1/3 | 4 | 20 | 3 | 0 | 0 | 1 |
中田(営2=大宮東) | 2/3 | 5 | 16 | 2 | 1 | 0 | 1 |
○飯田(営3=常総学院) | 22/3 | 12 | 49 | 1 | 2 | 2 | 0 |
阿部健の適時打が流れを変えた
仲間の適時打に手を叩いて喜ぶ阿部健
適時打を放った宝楽⑫を笑顔で迎え入れる
甲斐野は日大打線を5回まで無得点に封じ込めた
負ければ今季最後の試合となる日大2回戦は、七回に打者一巡の猛攻で一挙7点を奪い逆転勝ち。来年を見据えた先発メンバーだったが、先発した甲斐野(営2=東洋大姫路)の6回途中無失点の好投を始め、複数の3年生以下の選手が活躍。途中出場した4年生も打線を勢いづけ、最終戦での勝ち点奪取へ望みをつなげた。
〝4年生の力〟の大きさを見せつけた、七回の攻撃だった。
先頭の佐藤(営1=聖光学院)が右中間を破る三塁打で同点の好機を作ると、この試合はベンチスタートだった副将・阿部健(営4=帝京)がゆっくりとした足取りで打席へ向かう。「(代打は)前の回から言われていた」と心の準備はできていた。しかし、初球を空振り。「空振りして、代打は難しいなと思った」と話すように、タイミングが合わず簡単に追い込まれる。しかし、ここまで笹川(営4=浦和学院)とともに打線を引っ張ってきた副将は粘り強かった。4球目、低めの球に食らいつくと鋭い打球が一塁線を破る。二塁まで到達すると、手を叩いて喜んだ。リードオフマンが反撃の糸口を作ると、打線は止まらなかった。同じく代打で登場した笹川、安西(営4=聖光学院)も適時打を放ち、今までとらえきれていなかった相手投手に対し、下級生からも面白いように安打が飛び出す。ここまでリーグ戦無敗だった相手投手をノックアウト。指揮官も「4年生が出るといいね。貫禄かな」と手放しで褒めた。
この試合、先発メンバーに4年生は一人もいなかった。前日の試合で優勝の望みが絶たれて迎えた2戦目。いつも通り球場入りすると、指揮官から「スタメンは4年生で決めろ」と告げられた。そこで話し合い、「新チームでいこう。下級生に経験を積ませよう」ということで意見は一致。下級生たちはその思いをくみ取り、前日と変わらない先発メンバーの日大に対して、五回までリードして試合を進めた。最後は〝4年生の力〟を借りてしまったが、序盤は「十分に戦っていける」、そう思わせる内容だった。
泣いても笑っても明日の試合で、4年生は大学生活最後の試合となる。「監督さんにいい姿を見せて、感謝の気持ちを示して、最後を締めくくりたい」。阿部健の言葉が4年生全員の思いを代弁している。優勝には惜しくも届かなかった。選手たちの悔しさは計り知れない。指揮官に感謝の思いを伝えるために、その悔しさを最後の一戦にぶつける。
■コメント
・高橋昭雄監督
4年生が出るといいね。ああやって一気にヒットが出る。貫禄かな。やっぱり野球は経験だね。宝楽、竹原もよかった。宇佐川もホームラン出たからね。ちょっとは収穫があったかな。代わった選手がよく頑張ってくれました。
・阿部健(営4=帝京)
監督さんから、自分たちで決めろと言われて、今日は新チームでいこうと神宮に着いてからみんなで決めた。スタメンには、思い切ってやるようにと声をかけた。
甲斐野はまだまだ修正点はありますけど、それなりの投球はできていた。竹原は来年1番を打つと思うし、初回にヒットも出て、試合中に監督さんも言っていたようによかったと思う。
代打は前の回に行くぞと言われた。初球を空振りして、代打は難しいなと思った。自分の後に笹川も打って、試合に出た4年が結果を残せた。
(明日が大学生活最後の試合)監督さんにいい姿を見せて、感謝の気持ちを示して、最後を締めくくりたい。
・中川(法2=PL学園)
昨日で優勝が無くなったので、4年生とできる試合も後少しだなと。新チームで臨んで、課題もできたので良かった。自分としては守備からリズムを作って、それを打撃に生かしたいので、これから克服していく。明日は4年生とできるラストゲームなので、2年間お世話になった先輩方に感謝の気持ちを込めて試合に臨みたい。
・田中将也(営3=帝京)
(今日の試合は)4年生に何とか食らいついていけるようにしたいと思っていた。(満塁の打席は)ここのところヒットが出ていなかったので、来た球を打ち返すことをひたすら意識した。いい方向に飛んでいってくれて良かった。明日の試合は4年生との最後の試合なので全力で戦って来年につなげたい。
TEXT=菅野晋太郎 PHOTO=菅野晋太郎、望月優希、伊藤梨妃