記事
第92回関東大学バスケットボールリーグ戦 2部3部入れ替え戦
11月07日(月) 国立代々木競技場第二体育館
東洋大97―72明星大
19|1Q|22
23|2Q|13
29|3Q|20
26|4Q|17
スターティングメンバー
2山口健大
10鷲見隆行
25島崎脩
29岩淵俊也
88山本大貴
得点の切り口をつくった山口
好調なシュートでチームを押し上げた島崎
出だしは良かったものの1Q終盤リングに嫌われ、思うようにスコアを伸ばせない。しかしいつものように出だしでつまずくのか、という不安を消し去るように2Qから猛攻。その後相手のリードを許すことなく最終スコア97―72と快勝した。
1Q開始1分で連続得点がチームを沸かせるがその後シュートまでいくも得点できず、またファールプレーも相まって追い付かれてしまう。この苦しい場面で救いになったのは「思いきりよく戦えた」と語った通り好戦的な島崎(ラ4=松本蟻ヶ崎)のプレーだった。19-22と相手のリードを許して1Qを終える。
今大会でいつものように苦しんできた立ち上がりの悪い試合展開は、2Qで大きく変わりだす。開始早々、大会通してチームをプレーで率いてきた山口(済4=桐光学園)のスリーポイントシュートがさく裂。それに続く形で島崎、中村(済4=幕張総合)が連続得点する。ファールで相手にバスケットカウントを許した時も4年生が声をだし、決して重い雰囲気にさせることは無かった。取っては取られてを繰りかえし、拮抗した点差を引き離したのは中村だった。インサイド、アウトサイドと多様な攻めを見せ、相手を翻弄(ほんろう)する。「思い切りやろうと思ってコートに入っていたので、決められて良かった」と中村は自身を評価した。このプレーがチームの士気を高め次のQへとつなぐ。7点リードで迎えた3Q目も調子を上げていき、着実にスコアを伸ばしていく。「後半に入ってみんながリバウンドを取って走るという意識が出ていた」と山口は振り返った。メンバーチェンジで多くの選手が試合に出場し、それぞれが各々の役割を果たして最終スコア97―72と快勝。スタート、交代の選手ともに「ディフェンスのレベルを落とさなかったことが勝因」と目(さっか)監督は評価した。
「強気でいけよ」と怒号がとんだ。これは3Qでベンチから鷲見(ラ4=千葉英和)へと向けられたものだ。その口調は厳しいようで、反面彼の実力への信頼から出たものだった。「アドバイスだと思ってプレーした」と語るようにその後彼は身体を引かずにシュートを狙う、リバウンドを取るなどのプレーでチームを支える。山口も「鷲見がリバウンドを頑張って、ゴール下で体を張ってやってくれていた」とこれを称えた。自分の力で出場時間を勝ち得てきた島崎は持ち前の積極的なプレーを武器にどんどん攻めていく。これが功を奏し時にはスリーポイントシュート、時には鋭いカットイン、とチームの大きな得点源へと自らを大きく成長させた。
堅実に勝てた今試合は間違いなく次につながるゲームだった。先に2勝したチームが2部リーグで戦う権利を得られる入れ替え戦。「2戦目で決める」と語ったのは、誰か一人ではない。その言葉を現実にするべく、チームはただひたに2部という舞台を見つめている。
■コメント
・目(さっか)監督
チームで通してやってきたこと、ディフェンスを頑張ったことが良かった。(相手の速攻が多かった場面が)出だしは緊張したかもしれないし、ちょっとキャッチアップが遅れたというのもある。それはもうまた修正して次戦に臨む。(頑張ってくれた選手は)全員頑張った。交代する選手にメンバーチェンジするからそのときディフェンスのレベルを落とすなと指示したが、その通りディフェンスのレベルを落とさなかったことが勝因かな。(次戦に向けて)2日目で決める。
・山口(済4=桐光学園)
勝てたことはとても良かったし、最後、点差も離して勝てたのは次につながる試合になった。課題は前半出だしがばたついてしまったところ。重たい雰囲気だったり、プレーが多かったので明日は前半からもっとガンガン攻めることを意識してやりたい。(勝因は)後半に入ってみんながリバウンドを取って走るという意識が出ていたので、相手のシュートをファーストショットでリバウンドをしっかりきって自分たちが走ってというのができていた。(1番活躍していた選手は)鷲見や島崎も今試合は調子が良かった。でも僕としては鷲見がリバウンドを頑張って、ゴール下で体を張ってやってくれていたので褒めてあげたい。次も頑張ってほしい。(次戦に向けて)2日目で最後の試合にしたいので、次しっかり勝って、笑って終われるように頑張る。
・中村(済4=幕張総合)
前半の戦い方がまだ乱れがあるなと思った。後半はしっかり走れていたし相手の弱点、インサイドで良く攻めることができていた。その部分であの点差にまで開いたと思う。(入れ替え戦に向けての心構え)入れ替え戦でいつもと変わった雰囲気だけど、いつも通り思い切って深く考えないでやろう、って話をした。(2Qの自身のプレーは)思いっきりやろうと思ってコートに入っていたので、決められてよかった。(次戦に向けて)次戦勝てばベストなので。3戦目まで持ち越したら厳しいので、次で勝って気持ちよく終わりたい。
・島崎(ラ4=松本蟻ヶ崎)
入れ替え戦は自分たちは初めてだったので、どういう雰囲気でやるのか不安だった。いつも通りにやって平常心で試合に臨めば勝てると思った。(絶好調だったが)相手も1対1でたくさん攻めてくるチームなので、それに負けずに思い切りよくシュートを打てば、他の人がリバウンド取ってくれるし、みんなでディフェンスをやればいいと思って、思い切りよく戦えた。(次戦へ向けて)どういうチームかというのも、抑えどころもわかったので、まずそこをディフェンスで抑えて、引き続き自分としてもシュートを打ったり、周りの人をアシストできれば良い。2日目で終わらせるつもりでチーム一丸となって戦いたい。
・鷲見(ラ4=千葉英和)
相手が小さいのでインサイドで点を取ろうという作戦だった。3ポイントシュートもみんな入っていたので、インサイドでもアウトサイドでも取ることができたことが良かった。リバウンドはポジション取りが大事なので、最初に相手と接触したときに負けないようにしている。(チームメイトから「強気でいけ」と言われていたが)いつものこと。アドバイスだと思ってプレーしている。(次戦に向けて)2日目もメンバーは変わらないので、自分や山本がインサイドでしっかりやれば、自然とチームに流れも良くなると思うので、チームに流れを持ってこれるようにしたい。
TEXT=外狩春佳 PHOTO=土橋岳、水野桜