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第90回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(後期)
第22節 11月12日(土) 東洋大学朝霞グラウンド
東洋大1-0神大
<警告>
52分 原田
59分 佐藤
90分+3分 徳市
<得点者>
90分+3分 徳市
<出場メンバー>
▽GK
伊藤俊祐(国3=柏U-18)
▽DF
浦上仁騎(国2=大宮Y)
飯島樹生(国4=流経大柏)
徳市寛人(法4=東福岡)
渡辺星夢(国2=前橋育英)
▽MF
高橋宏季(国2=FC東京U-18)
原田守(国3=藤枝東)
坂元達裕(社2=前橋育英)74分→MF篠田朋宏(国4=青森山田)
丹代藍人(国2=青森山田)66分→MF松崎快(国1=大宮Y)
▽FW
仙頭啓矢(国4=京都橘)
佐藤仁紀(国4=武南)84分→DF白石直毅(国3=前橋育英)
決勝ゴールを奪った徳市
メンバー入りできなかった選手たちも喜びを爆発させた
4年生は最高の形で卒業することになった
京都サンガ内定の仙頭に横断幕が掲げられた
1部昇格がかかった最終節、直接対決の相手は2位神大。3位で神大との勝ち点差2を追いかける東洋大にとって勝利以外許されないこの試合は、両者一歩も譲らない展開が続いた。試合が動いたのは後半アディショナルタイム。仙頭のCKに徳市が頭で合わせゴールを奪い、1−0のまま試合終了。最後の最後で昇格圏内である2位に浮上し、念願の1部昇格をつかみ取った。
勝てば昇格という大事な一戦、序盤から何度も攻め込まれるが守備陣を中心に全員で対処し、粘り強い守備でゴールを許さない。GK伊藤のナイスセーブに助けられるシーンも目立った。しかし、相手の徹底した早いプレッシャーに苦しめられ、流れをつかむことができず、先制点を奪えないまま前半を折り返す。後半も油断を許さない展開が続くが、佐藤、仙頭の4年生を筆頭に積極的にゴールを狙い、流れは徐々に東洋大に。後半36分には、松崎のサイドチェンジに仙頭がフリーで反応しシュートするが相手GKに阻まれる惜しいシーンもあった。しかし、その後は引き分け以上でも昇格が決まる神大が守りに入り、思うようにプレーできない苦しい展開に。果敢に攻めるもチャンスを生かすことができず焦りが見え始めていた。そんな中迎えた後半アディショナルタイム、ラストワンプレーのCKのチャンス。最後の望みをかけた緊張感の中、「自分のキックの精度を信じて蹴った」という仙頭のCKに徳市が豪快にヘディングで合わせゴール。徳市は「全員の力が乗り移ったゴール」と振り返った。そして試合終了のホイッスル、イレブンは応援席に駆け寄り喜びを爆発させた。
試合後、「祝1部昇格」の横断幕が掲げられた。1部は今よりもっとレベルが高く、厳しい戦いになるだろう。古川監督は「喜びに浸っている暇はなく、1部に向けてひと回りもふた回りも成長して来シーズンを迎えたい」と意気込んだ。また、キャプテンの佐藤は後輩に向けて「経験がある選手が多いので心配はしていないが、それでも1部は難しいのでたくさん練習してほしい」とエールを送った。
来シーズンから、4年生が残してくれた1部リーグという舞台で東洋大サッカー部の新たな挑戦が始まる。
■コメント
・佐藤(国4=武南)
チャンスは何回もあった。でも、相手は引き分け以上で昇格ということで条件は相手の方が良かったし、自分たちは勝つしかないという中での試合だった。うちの方がはっきりしていたので、最後の最後諦めない結果がこういう風に勝利という結果になったんだと思う。(試合前の雰囲気は)やっぱりいつもとは違う雰囲気だった。その中で4年生がモチベーションビテオを作ってくれたり、ホームならではのムードも作ってくれた。メンバーに入れていない4年生がそういうことをしてくれたのがすごく大きかったと思うし、昇格できると確信していた。(ゴールが決まった瞬間は)涙が止まらなくて、まだ試合終わってなかったけど、サッカーって笛が鳴るまで何が起こるか分からないなと改めて感じた。(来年以降期待することは)今年は4年が四人しか出てなかったから、経験している選手が多いし、その中で関東選抜だったり全日本選抜に選ばれてる選手もいるので、心配はしてない。それでも1部は難しいので、たくさん練習してほしい。(四年間振り返って)本当にあっという間だった。試合に絡めたのも去年からで、今年は結構試合に絡むことができたけど、あまり結果が残せなくて悔しかった。それでもこのメンバーでできたから、昇格できたと思うし、この四年間自分にとってすごく成長できたと思う。
・仙頭(国4=京都橘)
入りが悪いというか相手が蹴ってくるチームだったので、自分たちのサッカーができなくて、苦しい時間は続いたんですけど、今日の試合はそういう部分ではなくて気持ち的な部分であったり、今までやってきた集大成だったと思う。(アシストのシーンは)1回目も2回目も、チャンスになったので、いろいろ考えていたんですけど、ニアで触るのがいつも多いなかで、今日はそこの方がチャンスになるんじゃないかと思って、自分のキック精度信じて蹴りました。(決まった瞬間は)嬉しかったですけど、相手もすぐ始めようとしていましたし、試合が終わったわけではなかったので、嬉しいですけどそこは最後までやらなきゃいけないなと思いました。(後輩にはどのような声かけを)1年のときに1部でやらせてもらって、その厳しさっていうものはわかっていますし、1部でやればプロへの道は近くなると思うので、本当に頑張ってほしい。インカレ出場の可能性も1部だとつかめると思うので、本当にそこに出て行ってほしいなと思います。(来年への抱負を)Jの舞台はもう一段レベルが上がって、大学でやってたレベルとは違うと思うので、まだまだ課題があるので、そこに取り組んでいくのとJに入ってからもっと上にいくことが目標なので、今回こういう形で大学をされたということで大学で得た経験だったりそういうものを生かして、お世話になった古さんだったり、スタッフの人たちや東洋大学へ恩返しできるように、上で活躍していきたい。
・徳市(法4=東福岡)
僕たちは勝つしかないという状況で、本当にシンプルだったので、相手は逆に言うと引き分けでもいいって二択があるわけで、そこで相手も迷うのかなと僕自身思ってて、本当に0-0で行ければ本当にチャンスは来るんじゃないかなと思っていた。(守備陣ではどういう声かけを)スカウティングでは相手がシンプルに背後を狙ってきたり、本当にワンタッチとか割り切ったプレーをしてくると聞いていた。(得点前の心境は)前半のFKでポストに当たったシーンで、俺のマークゆるいなと思ってて、そこはみんなに俺のとこはマークゆるいからと言ってて、自分的にも今日はいけるんじゃないかと思ってて、最後来たのは運があるなというかラッキーだなと思った。あそこに蹴れる啓矢(仙頭)にも感謝したいし、最後は結局もう全員の力が乗り移ったゴールだと思いますし、それを代表して決めれたのはラッキーだったと思う。(来季期待する選手は)まあでもディフェンスラインの選手。仁騎(浦上)だったり白石だったり、あと渡邉拓也。(4年間を振り返って)本当に苦しかったという印象が強くある。でも決して腐らずに本当に自分に向き合ってきたし、いつも自分に何が足りないかとか何をすればいいかとか常に考えてきた。それが実を結んだというか、人生で一番自分に向き合った4年間だった。ある意味これをまた次のステップで生かしてやっていければあれ以上苦しいことはないと思う。そういった意味では濃かった4年間だったなと思う。本当にいろんな経験をしたなと思う。
・水落(国4=埼玉栄)
最後こうして仲間が決めてくれて昇格できたことが1番嬉しいです。古さん(古川監督)、スタッフがあんなに喜んでいる姿を見ることができてすごい幸せで、後輩に残せるものができて良かったとほっとしている。18年間やってきて今日が一番感動したし、出ているだけでなくベンチの人のサポートがあるから最後ロスタイムに劇的なゴールを奪うことができましたし本当に、徳市が取ったけどみんなで取ったゴールだと思う。(後輩へ)1部にあがったとこで満足しては1年で降格してしまうので難しい試合が続くと思うが今の4年生を見本として3年生は後輩を引っ張っていってほしいです。多く2年生が出ていたり、新しい争いがあると思うので相乗効果を活かして古さんのもとでやって残留してほしい。
・飯島(国4=流経大柏)
1年の時は1部降格という思いをして、2年で降格してから大学3年までは挫折が多くていろんな経験があった。だが、4年目でこうやって後輩たちに1部昇格っていう経験をさせてあげられるのは最高の経験です。最高の気分です。(後輩へ1部昇格をプレゼントしたいと常に言っていたことだが)それに向かってみんなできてよかった。(後輩へ)1部は2部とは全然違うと思うので苦しいときもあるとはチーム思うがチームが一丸となって頑張ってほしい。
TEXT=金澤瑞季 PHOTO=横山恵美、當麻彰紘、吉本一生、藤井圭、美浪健五、土橋岳