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最後に笑顔を見せた原、吉田、渡邉
昇格がかかった最終節。残りのAT、だれもが時間を気にしながら勝利を祈った。そして念願の決勝点、ホイッスルとともにイレブンと応援席の仲間が抱擁した。ピッチ外には涙を流し、立ち尽くすマネージャーの吉田(済4=和光国際)、渡邉(ラ4=武蔵野女子学院)、原(ラ4=湘南工科大学附属)の姿があった。
「やり切った。全てが報われた」。3人が同じことを口にした。大きな喜びを味わったとき、人はそれまでの道を短かったと感じるもの。しかし、吉田は「本当に長かった」とこれまでの歩みを振り返った。入学した当時、チームは昇格したばかり。マネージャーの仕事も多くしどろもどの中、チームは勝てずに低迷し降格を余儀なくされた。再び1部で戦うため、選手と同様に3人も戦っていた。昨季は創部49年にして初の総理大臣杯に出場した。新たな歴史を刻んだが、主となるのはリーグ戦。ここで勝たなくては意味がない。最終節は筑波大相手にわずかに残っていた望みをつかめず、昇格の道が断たれた。「目の前で決められて、そこからが戦いだった」。優勝が決まった筑波大の写真を部室に張った。あの時の悔しい思いを再来させないために。
マネージャーの仕事は主に水汲みやビブスの用意、リーグの運営、集中応援の企画などだ。裏方の仕事が多い。「毎年、オフ明けの雪かきから始まり、辛いときもあった」と原は語るが、4年間を成し遂げた。その原動力はどこから来るのか。
渡邉は「昇格が決まり、みんなの喜んでいる姿を見るのが本当にうれしくて」と涙をこらえながら話す。マネージャーは公式戦に出場しているメンバーはもちろん、Bチームで奮闘している選手たちのこともずっと見守っている。応援メンバーが最終節を前にモチベーションビデオを作成したこと。いつもは応援をしているBチームのメンバーが出ている試合では、公式戦でスタメンのメンバーが応援していること。それぞれの選手の気持ちと寄り添い、勝てないことに悩み、1勝の喜びを共感してきた。チームが以前より団結しているのが分かる。だから一緒に戦いたい。そしてこの日の喜びのために、苦悩の日々を乗り越えた。
“No Rain, No Rainbow (雨なくて虹無し)“ 吉田が好きだといったこの言葉。マネージャーも選手たちと一緒に苦しくもがき続けた日々がある。だからこそ、最後に選手と監督、コーチそしてマネージャーとの周りに円形の虹がかかった。
喜ぶ選手たちを見てうれし涙を流した
■吉田千晶(よしだちあき)
H6・4・23
出身/和光国際
血液型/B型
■渡邉紗彩(わたなべさあや)
H5.9.16
出身/武蔵野女子学院
血液型/AB型
■原 佳子(はらよしこ)
H6・5・31
出身/湘南工科大学附属
血液型/B型
6回に渡る選手、MGコラムはいかがでしたか。今季悲願の昇格を果たし、来季から1部での戦いが始まります。これからの新チームの活躍にますます目が離せません!
今回の特集のために取材に協力してくださったサッカー部の選手、スタッフの皆さん、ありがとうございました。
TEXT=横山恵美