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2016.11.25
アイススケート

[アイスホッケー]リーグ初黒星 宿敵明大の前に敗れる

平成28年度関東大学アイスホッケーリーグ戦

11月23日(水) ダイドードリンコアイスアリーナ


東洋大2―5明大


[ゴール(アシスト)]

48:45 古川誠(渡邉、出口)
59:48 坂元


全員でゴールを守る


果敢にパックを奪いにいく古川誠


古川誠が1点を返した


 優勝の望みがかかる明大戦。東洋のプレーをさせてもらえず1ピリ、2ピリ合わせて相手に5得点を許した。3ピリに入って執念のプレーで得点するも、あえなく試合終了のブザーが鳴る。最終スコア2―5で終え、今リーグ初の黒星を喫した。

「うちのプレーが一切できなかった試合だった」。鈴木監督の開口一番に飛び出した言葉が、試合を物語っていた。5年ぶりの優勝への道をつなぐために、また全日本選手権出場のためには勝たねばならない今試合。開始7秒、双方ペナルティをとられるなど前のめりなプレーから試合は幕を開けた。序盤は明大がパックの持ち時間が長く、押される形が続いたが、DF陣やGK古川駿(社2=八戸工大一)のセーブで相手のシュートを阻む。その後徐々に東洋大のオフェンス回数も多くなり、積極的に攻め込むもののゴールの枠をとらえることができない。試合開始13分、転機は訪れた。今まで防いできた明大の得点をとうとう許し、そのわずか44秒後追加点まで与えてしまう。失点を取り返そうとFW陣が果敢に攻めるも得点には結びつかず、0―2で1ピリを終えた。

 2ピリも明大の勢いは止まらない。明大の猛攻に更なる失点を重ね、いつのまにか4点ビハインド。東洋大も一歩も退かず好戦的に攻めるが、相手のDFに阻まれ思うようにパスが通らない。だめ押しの5点目を決められ、「精神的なものも考えて」と鈴木監督の判断でGK古川駿を下げGK水田(社1=駒大苫小牧)を起用した。

3ピリ開始から8分45秒、ついに待ちわびていた瞬間が訪れる。「1点でも取って最後にプライド見せてやろう」と、下に重心を落とした相手GKの頭上をFW古川誠(社2=白樺学園)のシュートがゴールネットを揺らす。その後気を緩めた相手の隙を突き、DF坂元(社2=清水・北海道)がロングレンジから放ったシュートで意地の2点目を決めた。2―5で試合を終え、今リーグ初の敗戦を喫した。

勝たなければ3位が確定するプレッシャーの中で迎えた今試合。「自分たちのホッケーができなくて、動きも固くなってしまって、情けない試合だったと思う」とFW古川誠は語る。明大の独特な雰囲気に飲み込まれ、本来の野心的なプレーが封じられてしまっていた。しかし、思うようにプレーできない中での最後の2得点を「最後までプライドをもって戦ってくれた」と鈴木監督は評価する。1点を返したFW古川誠は第1セットとして重要な局面で活躍し、DF坂元は今試合が自身初ゴールのニューカマー。また、2ピリ途中で登板したGK水田は、1年生ながらも明大の攻撃を弾き、無失点で抑え役目をまっとうした。下級生の選手層の厚さが、今後の東洋大の強さを予感させている。

3位が確定したもののリーグ戦はまだ幕を引かない。最終戦は4年生にとって東伏見でプレーするラストゲームだ。1月に控えたインカレにいい形でつなぐべく、チームは早大戦に臨む。


■コメント

・鈴木監督

全体的にうちのプレーが一切できなかった試合だった。いろんな理由、緊張だとかそういうものがあったと思うが、自分が監督になって一番らしさが出せなかった試合だと思う。(タイムアウトで)流れを変える意味でもまだチャンスもあるし、自分たちのやることをやろうって話はした。PP(パワープレー)は全体的にスケートもしてなかったし、戦う気持ちが相手に全く勝ててなかった。システム的なところっていう問題でなく、全く自分たちのプレーができていなかったというのがPPでも一緒だったと思う。(GK水田の起用に関して)古川は特別悪かったわけではなかった。だがアンラッキーな失点もあったし、そういう意味では精神的なものも考えて水田を起用した。水田は変わってから本当にいいプレーをしてくれた。(最後2得点について)一部の選手だけかとも思うが、最後までプライドをもって戦ってくれたというはチームにとってポジティブな部分だったと思う。(最終戦に向けて)次は最終戦。どんな形であってもまた自分たちのプレーが出来るように戦わなきゃいけないと思う。コンディション的なところや精神的なところが大きいと思うので、そこをしっかり立て直して日曜日戦いたいと思う。


・FW古川誠(社2=白樺学園)

勝てば全日本選手権に行けるチャンスがあった。そういうプレッシャーから自分たちのホッケーができなくて、動きも固くなってしまって、情けない試合だったと思う。明大に勝たないと、今までやってきた意味が無いので、全員気持ちを一つにして、最後まで一生懸命戦おうと話をしていた。1ピリ0ー2で終えて、2ピリで差が開いてしまってからは気持ちが切れている選手もいた。最後まで強い気持ちで戦えなかったのが良くなかったと思う。(FWや自分のセットについて)スコアリングチャンスは多くはなかったが、しっかり決めていればもっといい試合もできたし勝てたと思う。セットでは3ピリの前に「1点でも取って最後のプライド見せてやろう」と話し合った。最後にPPで1点取れたことが良かった点。(最終戦に向けて)もう3位は確定してしまったが、秋リーグのベストゲームをして、インカレにいい形でつなげられたらなと思う。


TEXT=外狩春佳 PHOTO=坂口こよみ、水野桜