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第62回関東学生剣道新人戦大会
12月11日 (日) 東京武道館
1回戦 東洋大3―2東海大
2回戦 東洋大1―2順大
2回戦敗退
井田は重要な場面で落ち着いた立ち回りを見せた
勝機をつかむ一本を放つ三山
今季、惜しくも全国への切符を逃した男子剣道部。新戦力の台頭を目論み挑んだ新人戦では1回戦で名門東海大との対決を制す。続く順大との2回戦、延長までもつれ込むがあと一本が出なかった。
7人制で迎える団体戦、初戦の相手は名門東海大。大方の予想とは裏腹に先手を取ったのは東洋大だった。先鋒の三輪(ラ1=麗澤瑞浪)が幸先良く面で一本、そのまま先制。後に続くかと思われたが、しかしそう甘くはなかった。連続の一本ですぐに追いつかれるとペースは東海大へ。1-2とリードを許した局面で流れを変えたのは三将石山(法2=佐久長聖)。相手の出方をうかがい、一瞬の隙をついて面あり。集中力を切らすことなく先行逃げ切りで同点にもつれ込んだ。その後の副将戦は決めきれず2-2のまま残すは大将戦。振り出しに戻ったが奪った一本の数では東洋大が下回っており、2回戦進出のためには勝利あるのみ。後がなくなった状況で迎えた大将井田(ラ1=本庄第一)は落ち着いていた。開始早々小手で先制すると相手の攻撃をかわし続ける。何度も審判の旗が上がりそうになるが、決定打は許さなかった。見事接戦を制しここぞというところの勝負強さを見せた。
「皆慎重になってしまったのでそこが一番の敗因かなと思う」と板原監督。続く順大との2回戦、1回戦と同様1点ビハインドのまま試合は終盤へ。副将三山(文2=九州学院)が追いつき1-1で迎えた大将戦。またしても井田に勝負がゆだねられる。中々一本が決まらないまま試合は延長戦へもつれ込むと井田にも疲れが見えた。延長が始まって間もないところで隙を見せ一本。軍配は順大に上がった。
「この大会に懸けていた」とチームキャプテンの三山は語った。優勝するためにきつい計画を立て、練習に励んできた今大会。結果は2回戦負けで終わったが、反省点、課題が多く見つかり収穫のある試合だった。また1、2回戦と接戦に持ち込むなど内容も非常に濃いものであり、来年からの活躍が大いに期待されるだろう。
▪コメント
・板原監督
1回戦の相手が東海大という名門だったのでそこになんとか皆の力で勝てたのが大きかった。2回戦はその勢いをそのまま持っていければ良かったが皆慎重になってしまったのでそこが1番の敗因かなと思う。(大将と代表戦を務めた井田は)練習試合などから信頼ある選手なので最後代表戦にも出てもらうことにした。(今後は)来年に向けてまず関東から大会で優勝できるように目標をしっかりと持って頑張りたい。
・三山(文2=九州学院)
自分の力が出せてなかったと思う。優勝するという気持ちをみんなに伝えて、きつい計画を立ててきた。この大会に懸けていた。1回戦で自分があと一本を決めきれず、大将で1年生の井田に勝負を回してしまったので、2回戦ではチームリーダーとして何としても勝ちたいと思った。この大会で本当にいろんなものを学べたし、反省点や課題も多く見つかった。来年からの試合は自分が全部決めるような覚悟で試合に臨みたい。
TEXT=大谷達也 PHOTO=吉川実里、大谷達也