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11季ぶりの優勝へ開幕5連勝とこれ以上ないスタートを切ったが、後半戦は競り合いを落とし、最終カード・日大との直接対決で胴上げを目の当たりにした。しかし、1部復帰初年度ながら春秋ともに優勝争いを演じ、復活を印象付ける1年となった。激動の秋を終えた今、選手たちは何を思うのか。そんな彼らの生の声を7日間に渡ってお届けする。
田中将也は1年通して一度も三塁手のスタメンを譲ることはなかった
第6日は来季から副主将を務める田中将也(営3=帝京)。過去2年間けがに泣かされたが、今年は春秋全25試合に先発出場し公式戦初本塁打も放った。来季からは副主将を務めることも決まった。チームの中心選手として欠かせない存在になった田中将也が、今秋のリーグ戦について振り返った。(取材日:11月27日、聞き手=伊藤梨妃)
――今季を振り返って、どんなシーズンでしたか
自分の中で悔いが残るシーズンだった。亜大3回戦のときに自分のミスで負けてしまった場面や、シーズンを通してバッティングの調子がずっと維持できなかった。そこが自分の中でやりきれない部分。悔しい気持ちが残るシーズンになってしまった
――悔しさばかりが残っていると思いますが、その中でも良かったところはありましたか
シーズンを通してスタメンを外れず、ほとんどフルで出れたこと。けがをしやすいので、そこだけはよかったと思います
――シーズンを通して気を付けていたことはありますか
けがをしないこと、体調を崩さないこと。シーズンを通して急に試合に出れないということになってしまうと、使えない選手だと思われてしまうので、そういうところだけでもしっかりやろうと意識していました
――開幕5連勝の一方で、リードした展開から逆転で負けてしまう場面がありましたが
勝つべきところで勝ちきれなかったのは、やるべきことをやらなかったということと、どこかで勝てるだろうという甘い考え方で試合に臨んでいた部分が少しあったんじゃないかと思っています。そうならないように、チームでしっかり学生コーチの明石さんやキャプテンの笹川さんが口酸っぱく言っていた。でも、その中でずっと気持ちを維持するということはなかなか難しかったです
――シーズン中のミーティングではどんなことを話していましたか
亜細亜の3戦目がキーポイントでした。まだ優勝の可能性が残っていたので、優勝を逃したわけじゃないからチームで今出来る事をやっていこうという話をしました
――負けた時のチームの状態はどうでしたか
決して調子が悪いわけではなった。ピッチャーも毎試合5点は取られる覚悟で野手もやってきていたので
――春の開幕までどういう練習をしていく予定ですか
今まではどこか練習に対して甘い部分があったので、亜大3回戦のようなミスをしてしまった。大事な時にヒットを打てないのは気持ちの弱さだと思うので、数をこなして自分の限界を超えられるように、そして、どのくらい自分を追い込めるかというのが今後の課題です
――4年生はどういう存在でしたか
非常に頼れる存在で、いなくなってしまうことで戦力ダウンするのは否めない。でも、その先輩たちの壁を越えられるようにやっていかないといけない。そうしないと、亜大3回戦の自分のエラーはただのエラーになってしまう。自分は壁を越えることで4年生に恩を返していきたいと思います
――来年は田中さん自身が4年生となりますが、どういった姿勢で野球に取り組んでいきたいですか
チームの先頭に立って何事もできるように、自分が指示出すということではなくて、みんなと一緒にやっていく中で先頭に立って引っ張っていきたいと思います
――4年生と言うだけではなく副主将という肩書きもあります、どういったチームを作っていきたいですか
いろいろありますが、自分だけではなくチームの先頭で引っ張れる、そういう選手がまず9人。そして25人そろったチームが強いと思う。全体練習中でもそれが終わってからでも、みんながやりたいようなことをきちっと考えて行動できる、そんなチームにしていけたらいいなと思います