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第8回平成国際大学競歩競技会
12月24日(土) 上尾運動公園陸上競技場
男女10000m競歩
1着 41'09"32 山下優
2着 41'21"56 石川
4着 41'55"28 河岸
石川はフォームを乱すことなく歩き切った
山下優は今後調整を重ねていきたい
競歩部門が今年最後のレースに挑み、石川(済1=横浜)が大幅に自己ベストを更新。選手それぞれの目標へ向けた調整の場となった。
石川は関東インカレ(以下、関カレ)の標準を狙ってレースに挑んだ。前半は余裕を持って3位集団で進めると、課題としていた中盤での失速を克服。さらに体力面だけではなくフォームの改善にも取り組んでいた成果が発揮され、警告は1度も出されずにレースを終えた。自己ベストを1分24秒も更新し、目標としていた関カレ標準を切ることにも成功した。高校時代は5000mを基本としていた石川だが、「10000mは試合に出るたびタイムも良くなっている」と今まさに伸び盛りだ。数ヵ月後には新1年生が入ってくる。「先輩についていくだけではなく、下を引っ張る存在になりたい」と語る石川の来季の成長にも期待だ。
同組で出場した山下優(総3=富山商)はスタート直後から先頭に出た。1kmを4分前半のペースで進めると終始トップを譲らず1着でゴールした。1ヵ月前に故障し、レースに合わせた準備を十分にすることができない中で挑むこととなった今大会。満足のいくタイムは出なかったが、故障後の調整をしっかりとできれば山下優らしい歩きができるはずだ。2017年に開催されるユニバーシアードの代表を狙う山下優。3月の選考会へ向け、「そこには意地でも仕上げなくてはならない」と力強く意気込む。
2016年最後のレースを終え、来シーズンへ向けて新たに課題や目標を明確にした選手たち。来年度の競歩部門の活躍からも目が離せない。
■コメント
・山下優(総3=富山商)
この大会に出るにあたって準備ができていなかった。1カ月前に故障をしてしまって、急ピッチで合わせてきた。それでも心肺機能は全然衰えていない。(どのくらいを狙っていたか)最低40分台。松永(工4=横浜)さんにも言われていた。20kmにしても1km4分ペースというのがベースになってくるので、それでいきたかった。最初から4分2、次が4分6まで落ちたが、そこから上げ切れなかった。日差しも強くて、風も強いし、人も多かったが、それにしてももう少し出したかった。(故障個所は)右くるぶしの下。(どのあたりが苦しかったか)苦しいというよりは、足が動かなくて。急いで合わせたから体に刺激が入っていなくて、フォームもバラバラになってしまっていた。(今取り組んでいることは)距離を踏んで、20㎞のレースに向けた土台を作ること。3月にはユニバーシアードの選考会もあるのでそこには意地でも仕上げなくてはならない。3月までいろんな人の意見を織り交ぜながらしっかり練習を続けていきたい。
・河岸(ラ2=飾磨工)
最初の2000m過ぎまでは山下さんと二人で歩いていたが、2000m過ぎてからは少し僕が遅れる形になってそのままずるずると落ちてしまった。(レースプランは)去年もこの時期に10000mに出て39分台を出したということもあり、山下さんと今年も4分ペースで進めていこうというプランで臨んだ。僕自身は最近足の状態が良くなく、プラン通りのレースはできなかった。とりあえずまずは足を治さないとしっかり自分の歩きを発揮できないので、しっかり治療をして足を治さないといけないなと思った。(今季は)去年の持ちタイムはあったが、今シーズンを通して見るとほとんどの試合で自分の力が出せず、どれも結果が出ないまま今シーズンが終わってしまった。今シーズンは反省しかない。(来季は)このままでは先がないし、次も強い後輩が入ってくるので先輩としても負けたくないので、どの試合でもしっかり結果を残していけるシーズンにしていきたい。
・石川(済1=横浜)
自分はまだ関カレの標準が切れていなかったので4分ペースで押して行って41分で関カレの標準を切ってベストも出そうと思っていた。最初は4分8秒くらいで設定より遅かったが余裕を持って歩けた。中盤は前回のレースで落ちたとこで頑張れたので筋力、体力が改善されたと思う。後半は体力が落ちて41分は切れなかった。ベストは42分45秒で1分25秒くらい更新できて、フォームも今日は警告もなかった。前回は警告1枚出て42分かかっていた。前回からスピードとスタミナをつける練習とフォームの改善をしてきていた。10000mは試合に出るたびタイムも良くなっている。高校のときは5000mが基本だったが、10000mを基本に20kmを目標にやってきているので良かったと思う。関カレ標準を切って、自己ベストを更新することはできたので、最低限のことはできたかなと思う。(課題などは)ラスト4分5秒とかで行ったときに、5000mのときはけっこう全力で押せていたが、10000mはつらくなるとラップタイムが落ちてしまうのでそこはしっかり速いラップを維持できるようにしたい。(来季へ向けて)今年は1年生で先輩のやっている練習についていくことなどで精いっぱいだった。自分は今学年では一人だが、来年は強い1年生も3人入ってくるので自分が引っ張っていかなければいけない立場になる。先輩についていくだけではなく、下を引っ張る存在になりたい。2年目にできないことは3年、4年でもできないと思うので、2年目が勝負だと思って頑張りたい。
TEXT=吉川実里 PHOTO=吉川実里、伊藤空夢