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2016.12.31
硬式野球

[硬式野球]特集 7日連続独占インタビュー~選手が語る激動の秋~ 最終日 安西聡

11季ぶりの優勝へ開幕5連勝とこれ以上ないスタートを切ったが、後半戦は競り合いを落とし、最終カード・日大との直接対決で胴上げを目の当たりにした。しかし、1部復帰初年度ながら春秋ともに優勝争いを演じ、復活を印象付ける1年となった。激動の秋を終えた今、選手たちは何を思うのか。そんな彼らの生の声を7日間に渡ってお届けする。



最終日は安西聡(営4=聖光学院)。この秋は二番打者としてバントなどの職人芸を見せながら公式戦初アーチを放つ活躍ぶり。今でこそ華々しい姿を見せているが、2部での3年間は目に見えない苦しさを感じる毎日を送った。「東洋に入学して本当に良かった」と言い切る安西の充実した四年間を振り返る。(取材日:11月27日、聞き手=美馬蒔葉)



――四年間を振り返って

終わってみれば楽しさ6割、苦しさ4割ですね。やっているときは楽しさ1割、苦しさ9割。最終学年でチームの主軸として神宮球場で試合ができ、自分の中で初めて一部で戦い優勝決定戦までもつれることができた。優勝できなかったがそこまで戦えたことは自分の中で幸せだった。私生活でも、寮で仲間と同じ屋根の下で過ごせたというのは今後大切にしていきたいと思っています

 

――苦しいと感じた部分は?

2部で入学して1部に上がろうと練習してきたはずなのに結果に結びつかない。自分の結果にも反映されないし、監督の存在感もあるので、毎年毎年もがき苦しみました。入学する前、東洋大学は5連覇するほど強いというイメージがありましたが、実際に入学すると2部からのスタート。神宮でやっているのが当たり前というチームが2部にいる。「早く上がれ」と周囲から常に言われる中、結果が出ないところが本当に苦しかった。プレッシャーにはならなかったが、OBの方々が築き上げてくれた伝統を引き継いでいかなければならないと思っていたので、どうにかしなければという気持ちがありました

 

――その思いがあるからこそ、一部昇格は嬉しかったですか

原さん(H26年度営卒=現東京ヤクルト)のおかげもありますが、本当に本当に嬉しかったです。1部でプレーすることは他と違う特別な感じがありました。神宮にはスタンドがあるので、観客の数が少なくても雰囲気はいいと思いましたし、応援してくれる人は一生懸命応援してくださる。声もよく聞こえるし、自分も聞いていたので嬉しかったです

 

――日大戦で放った本塁打は印象的でした

「バースデーアーチあるっしょ」と仲間とふざけて言ってたくらいだったので、微塵も頭にありませんでした。誕生日に試合があることが初めてだったので、スタンドのみんなに「バースデー歌ってね」とリクエストしていました。なのでその日は歌ってもらえたことで満足でしたね。結果的に打ててよかったです。この四年間で一番印象に残っているプレーでした

 

――ターニングポイントとなった学年はいつですか

3年次です。1部に上がったこともあるし、母を亡くしたことが一番大きかった。お父さんが一番しんどいと思っていたので、野球を辞めてそばにいてあげようと考えていました。これから苦労をかけてしまうと思ったので、ずっと家にいて手伝いをしてあげたいと思ってたので、野球をやるなら近くにいてあげた方がいいと。ただ、知り合いの人から「野球頑張れよ」と言われたので、もう少し続けようかなと思えることができましたし、ちょうど1部に昇格できたので結果的に続けてよかったなと思います


――下級生に伝えたいことは

亜大戦も日大戦も逆転負けしたので、1部で勝つことや優勝するというのは簡単ではない。試合に出ていた人なら分かると思いますが、全員がそう思ってくれれば来年の春の結果も違うと思うし、その考えをもってこれから一日一日を過ごしてほしい。みんなに期待しています


――応援してくださった方にメッセージをお願いします

3年間情けない姿を見せてしまいましたが、4年目に少しはかっこいい部分を見せられたと思うので、今まで応援してくださってありがとうございました


お詫び

高橋昭雄監督と阿部健太郎(営4=帝京)副主将を含む数人の選手のインタビューの掲載を予定しておりましたが、インタビューを行うことができず、未掲載という形になってしまいました。楽しみにしてくださっていたみなさまのご期待に応えることができなかったこと、お詫び申し上げます。