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3年間、レスリング部・バスケ部・卓球部・少林寺拳法部の取材を担当し、最後の1年間は編集長をやらせていただいた木谷加奈子です。
実は今日、私たち3年生を送る引退会が行われます。ということは、今日をもって私の編集長の任務は終了。
何の運命か、こんな特別な日にコラムが回ってきたので、前回のコラムの〝やりたいこと2〟の中で、私が一番やりたかった『部員のみんながスポトウの楽しみや喜びを味わう環境を作ること』ができたのか、振り返ってみようと思います。
『部員のみんながスポトウの楽しみや喜びを味わう環境を作ること』
そもそもこれは、私が2年生の時の反省から生まれた目標です。私は当時、新聞編集が大好きで、特に新聞のレイアウトを考えることとK端(レイアウトを実際に組むパソコン)を触ることが楽しくて仕方がありませんでした。「一人で先輩たちに混じって、どんどん知識を盗んで、自分だけが〝できるヤツ〟になることが正しい」。2年生の9月までは、そう思って過ごしていました。
10月の2週目。私の同学年の中で話し合い、次年度の幹部を決める日。私は誰よりも先輩の幹部たちの働きを見てきたし、誰よりも新聞編集ができるし、当然私しか編集長はいないと思っていました。
でも、私が手を上げたとき、二人の子が言いました。
「今のままだったら、付いていけない」
他の子にも聞いていくと、あまり私に対していい印象は無かったようで。(あとで聞いたら当時の1年生も、私のことは怖かったみたいです笑)
自分が正しいと思った方向へ、後ろを振り返らず一人歩きしすぎていたということに、この一言で気付かされました。このときから、私が編集長になる理由が前回のコラムの通りに変わったのです。
正直この一言は、私の2年生の半年間を否定されたようでキツかったけど、そのまま進んでいたら私は孤立してスポトウを辞めていたかもしれません(笑)。
だから、厳しい言葉を言ってくれた二人。本当に感謝しています。ありがとう。
そして、私が編集長になって最初の新聞編集。まずはここで、私が2年生の時に味わってきた楽しさと喜びを、みんなに味わってほしかった。
だから、自分がどうやって楽しんできたかを考えました。出た答えは「習うより慣れろ」。一から十まで人に教わって作り方を覚えるより、自分で試行錯誤して作った方が楽しいし、紙面に愛着も湧く。私はそれをみんなにやってもらうため、最低限のこと以外何もせずに、とりあえず放っておいてみました。
そうすると、みんなから〝やりたいこと〟が出てくる、出てくる。一人一人が協力して紙面を作り上げている姿は、大変そうだけど楽しそうで。今までは誰かが私に「こうしたいけど、どうしたらいい?」なんて聞いて来ることなんてほぼ無かったのに、どんどん聞いてきてくれるようにもなりました。紙面を作り上げた後、みんなの達成感に満ちあふれた顔を見たときは、何よりも嬉しかったです。
それから、7月号・9月号・12月号・1月号と、だんだん新聞編集に関わってくれる子が多くなって。
最初は記事を書くだけだった1年生が、いつの間にか一人でK端を触っていたり。
去年はほぼ編集に来てなかった2年生が、バイトも遊ぶ時間も睡眠時間も削って一生懸命に編集をしていたり。
去年まで「編集はきや(私)がやることだから」と自分から〝やりたいこと〟を出してこなかった3年生が、「あれやりたい!」「こうしたい!」と編集を楽しんでくれたり。
みんなはどんどん自分で楽しみを見つけて、一生懸命になって、とってもいい紙面を作ってくれるようになりました。9月号くらいからの私は、間違った方向に行きそうなときだけ口を出して、あとはみんながキラキラしているのをただ見ているだけでした(笑)。でも、一人で〝できるヤツ〟をやっていたときより、喜びが多くなった気がします。自分の手柄ではなく、みんなの手柄を嬉しいと思えるようになったからです。
結果的に『部員のみんながスポトウの楽しみや喜びを味わう環境を作ること』ができたのかというと、答えは「できなかった」です。なぜなら、私が環境を作らなくても、みんなが自分で楽しみや喜びを見つけてくれたから。できなかったというより「やらなかった」の方が正しいのかもしれません。
私が「編集長として!」と大口を叩いて引っ張るより、いい具合に放任していた方がみんなはやりやすかったのかなと思っています。
何はともあれ、今年度のスポトウ部員のみんな、1年間私に編集長をやらせてくれてありがとうございました。
そして、いつもご支援いただいた東洋大学学生部・甫水会・校友会のみなさま、スポトウをご愛読していただいているみなさま、増村さんをはじめ新聞制作に多大なるご協力をいただいた報知新聞社のみなさま、この場を借りて御礼申し上げます。引退しても遊んだり飲みに連れて行ってくれた先輩たちも、ありがとうございました(^^)
さぁ、引退会は16時から。笑って引退してきます!