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第100回日本陸上競技選手権大会20km競歩
2月19日(日) 六甲アイランド甲南大学周辺コース(日本陸連公認コース)
7位 及川 1:20'45
11位 河岸 1:24'22
16位 石川 1:26'43
DQ 山下
DNS 松永
スタートからハイペースでレースが進んだ
及川は自己ベストを更新し自信を付けた
リオデジャネイロ五輪(以下、リオ五輪)の日本代表選手が出場し、レベルの高いレースとなった日本陸上選手権競歩。その中でも、及川(済3=愛知)が自己ベストを1分以上更新し7位入賞に輝き、来月の能美競歩へ収穫のあるレースとなった。
世界選手権の代表内定を目指し、高橋(富士通)や藤澤(ALSOK)のリオ五輪20km競歩日本代表選手が裕に1kmを4分切る歩みでレースを展開した。1km通過した時点で先頭集団はすでに8人に絞られ、及川や山下(総3=富山商)が食らい付いていく。しかし、緩むことのないスピードに徐々に集団から離され、10kmを通過してさらにペースが上がると先頭との差が広がっていった。それでも及川は自分のペースを刻み続け、7位入賞を遂げた。今回学生の中では2位となったが1位の山西(京大)とは1分以上のタイム差がついた。目標のユニバーシアード代表獲得には山西に勝つ必要がある。「能美大会に向けて動きの面で大きな収穫があった」と振り返った及川。代表内定に向け、今大会で付けた自信で宿敵に挑む。
また、河岸(ラ2=飾磨工)や石川(済1=横浜)も入賞争いには加われなかったが、終始各々のペースで歩みを進めた。安定した歩みで自己ベストの更新を図っていきたいところだ。
来月の能美競歩を見据えての出場となった今大会。能美競歩は世界選手権の20km競歩の最終選考ならびにユニバーシアードの選考大会でもある。今年からコースが変更となるが、能美競歩は昨年松永(工4=横浜)がリオ五輪代表内定を勝ち取った思い出深い大会だ。それぞれの目標に向け、課題を修正し最後のチャンスに挑んでいく。
■コメント
・酒井監督
(大会の位置付けは)世界選手権が掛かった高いレベルの試合に出ることで、20kmの世界を見据えた中で自分の力関係を知ることと来月の能美がユニバーシアードの選考レースなので、それを見据えたレースを経験すること。(歩きを見て)歩形やペース配分など課題は個々にあり、そこを修正していきたい。良かった点は自己ベストが出たこと。学生は20kmのレースを経験しながら、1戦1戦成長できるようにステップを踏んでいかなければいけない。そういう意味では大事な試合だと思う。(及川の入賞は)今20km競歩はレベルが高いので、その中での入賞は良かった。しかし、山西君は19分1桁台で歩いている。やはりそのレベルにならないとユニバーシアードの選考も何枠になるかまだわからないし、1枠だったら山西君に勝たないといけない。このレベルでも通用できるようになりたい。(能美競歩では)松永に関しては世界選手権の選考で優勝しないと選ばれないので優勝。他の選手はユニバーシアードの選考なので、狙える選手は狙っていき、狙えるレベルではない選手はさらに自己ベスト更新を増やしていきたい。能美は今年からコースが変わるし、気象条件も当日にならないとわからないので、コンディションの中でのベストを尽くしたい。
・及川(済3=愛知)
3月の能美大会がユニバーシアードの選考レースでそれに合わせて、前回の高畠が終わってから20kmの取り組みをしてきた。その中での日本選手権だったので、練習の成果と状態の確認、現状を知るためにレースに出た。(レースを振り返って)状態とレースの展開が合っていなかった。今年度は歩形違反をよく取られていて、半年前くらいからずっと歩形の練習に取り組んでいた。今回は不安も残る状態だったが、警告は1枚だけで抑えられた。後半は少し体力的に保たなくて崩れてしまったが、いい動きの感覚はつかめたので、次の能美大会に向けて動きの面で大きな収穫があった。(入賞について)日本選手権でしっかり8位入賞しなければいけないと思っていたので、7位に入れたのは良かった。(能美競歩に向けて)次は学生の中での戦いになって、今回3位の山西選手とは1分以上の差があるが、自分もまだまだタイムが出る自信もあるし、これからコンディションを上げていく予定なので挑戦するイメージでユニバーシアードの代表を取りにいければと思う。
TEXT/PHOTO=福山知晃