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第93回 日本選手権水泳競技大会 競泳競技
兼 第17回世界水泳選手権大会 代表選考会
兼 第29回ユニバーシアード大会 代表選考会 日本ガイシアリーナ
(4日目・予選)
◆女子50m自由形
5組
4着 岩本 26"17
→全体9位でB決勝進出
7着 遠山 27"10
◆女子200m背泳ぎ
2組
2着 大橋 2'11"59
→全体7位で決勝進出
3組
6着 今井 2'15"32
→全体15位でB決勝進出
4組
5着 大久保 2'14"19
→全体13位でB決勝進出
◆男子200m背泳ぎ
5組
4着 山本 2'01"88
→全体11位でB決勝進出
6組
4着 小鶴 2'02"79
◆女子100mバタフライ
2組
2着 藪 1'00"54
→全体11位でB決勝進出
3組
8着 片山 1'03"29
6組
7着 中野 1'02"28
◆男子100mバタフライ
6組
3着 三好 53"07
→全体10位でB決勝進出
◆女子200m平泳ぎ
4組
7着 松原 2'37"35
◆男子200m平泳ぎ
6組
2着 毛利 2'10"50
→5位で決勝進出
(4日目・タイム決勝)
◆女子1500m自由形
12位 菊池 16'56"18
17位 濱田 17'04"93
◆男子800m自由形
10位 山本悠 8'05"89
25位 山本健 8'18"06
(4日目・B決勝)
◆女子50m自由形
2着 岩本 26"13
◆女子200m背泳ぎ
3着 大久保 2'13"12
8着 今井 2'17"27
◆男子200m背泳ぎ
7着 山本遥 2'03"58
◆女子100mバタフライ
1着 藪 1'00"33
◆男子100mバタフライ
1着 三好 52"80
(4日目・決勝)
◆女子200m背泳ぎ
3位 大橋 2'10"39
◆男子200m平泳ぎ
5位 毛利 2'10"74
最後まで力強く泳いだ菊池
背泳ぎでも表情台に上がった大橋
決勝の舞台に臨んだ毛利
得意の前半を果敢に攻めた三好
大会最終日をむかえた日本選手権。今大会期間で最多となる6種目8名がB決勝・決勝へ駒を進めた。
日本一を決める大舞台は、一筋縄ではいかなかった。女子1500m自由形に菊池(営4=作新学院)が出場。同級生の大橋(国4=草津東)や露内(文4=京都外大西)が活躍をみせるなか、菊池は400m、800m自由形で思うような結果がでなかった。そんな不調のなか迎えた1500m自由形。距離を重ねるごとにトップとの差が広がり、気づけば半周以上の差がついていた。しかし最後まで諦めることはなく、最後の100mのラップタイムを1分5秒を切るハイスピードで泳ぎきった。「笑顔で帰ってくる!」今大会での目標を尋ねたとき、そう答えた菊池。だがレース後、菊池の目には涙が浮かんでいた。今回の悔しさをバネに次こそは笑顔が見られることを期待したい。
個人メドレーで大活躍の大橋は女子200m背泳ぎでも決勝進出。最近さらに1㎝伸び、174㎝となったという長身を活かした大きな伸びのある泳ぎが特徴だ。決勝は前半7位と出遅れたものの、周りのスピードが落ちてきたところで徐々に追い上げ、3位でフィニッシュ。4泳法の中で自身がもっとも得意とする背泳ぎ。背泳ぎのみでもこれだけ戦えたことは更なる自身に繋がったに違いない。
また同種目では大久保(国3=草津東)と今井(済2=宇中女)が揃ってB決勝へ。日本選手権という大舞台での予選を突破したことは、これからのステップアップにむけても大切な経験となっただろう。
男子200m平泳ぎでは毛利(営4=金沢)が決勝へ進出。自身の得意とする後半で勝負をかけたが結果は5位でフィニッシュした。今回2分9秒前半を目指していた毛利。しかし2分10秒の壁は高かった。レース後の表情からは悔しさがにじみ出ていた。次こそはこの壁を破ってくることに期待したい。
女子50m自由形には岩本(済3=京都外大西)が登場。前日の100m自由形では決勝進出を果たしたが50mでは上手くスピードが出せず全体9位。決勝ラインにあと一歩届かずB決勝進出となった。自身のタイムについて「全く納得いっていない」と話し、悔しい結果となった。しかし今大会、出場種目で予選を突破したことは岩本にとって意味のあるものになったに違いない。
男子100mバタフライでは三好(営4=八幡浜)が予選10位通過でB決勝進出。200mバタフライでは決勝に進出し、レース後「今大会は100mがメインレース」と話していたため悔しさが残る結果だった。B決勝ではきっちりタイムを上げ1着でゴール。しかし三好自身は52秒前半を狙っていたため納得のいく結果とはならなかった。「インカレでは絶対優勝する」三好の目にはすでに闘志に燃えていた。
男子200m背泳ぎには期待のルーキー山本遥(営1=豊川)が出場。前年度のこの種目のインハイ王者のプライドを見せつけた。予選11位で通過しB決勝に進出した。得意の公判で追い上げを図るも上手く巻き返せず7着でフィニッシュ。東洋大として初めて迎えた今大会を「全然ダメだった」と振り返った。
山本遥と同じく強豪豊川高校出身の松原(営1=豊川)は200m平泳ぎに出場。この種目で2分27秒台の記録をもつ大物ルーキーだ。今大会は東洋大として初めて向かえる試合となったが、期待に応えることは出来なかった。今後の目標を尋ねると「完全復活したい」と話した。青木(28年度卒=ミキハウス)の抜けた穴を埋めるためには松原の復活が必要だ。
今年度最初の試合となった日本選手権では、大橋が女子400m個人メドレーで日本記録を樹立。また世界選手権の代表権を2種目で獲得。好成績で自身の目標を達成した選手もいたものの、納得のいく結果を出せなかった選手も多かった。これから始まるシーズンにむけ課題が残る試合となった。ここから選手たちがどのようにステップアップをするのか。次の大きな大会は来月のJAPAN OPEN。彼らのひと回り成長した姿が見られることに期待だ。
◼️コメント
・菊池(営4=作新学院)
これから1から積み重ねていかないといけないと思う。あんまり良くないのは泳いでいてわかっていたが、最後は自分の前に1人見えていたので絶対に抜かすという気持ちだった。(前回チャンピオンということで)プレッシャーは凄いあったが、精一杯出来るように頑張った。大学に入って、長距離の自由形を始めた。上手くいかないことばかりだが、自分の弱点を直せるようにしている。キックが弱かったり、きつい練習とかでは気持ちが折れてしまうのがレースに出てしまった。やる事はやってきたつもりだったが、足りなかった。2年前に優勝したときは500mごとに上げることを意識して泳いだ。今回は前半落ち着きすぎてしまった。
・三好(営4=八幡浜)
遅くても52秒前半を出したかった。まだまだだなと思う。予選でタッチやターンが流れてしまったので改善しよう思ったができなかった。泳ぎのポジショニングは良かった。今回の試合は50点。200mのバタフライは良かったので40点、後は5点5点くらい。インカレの100mバタフライでは絶対に優勝したい。
・毛利(営4=金沢)
タイムは遅い。インターナショナルDの2分9秒5を見据えて、2分9秒前半が出せるように練習をしてきたので遅いですね。今回の選手権は予選終わって、決勝までの休養の過ごし方を課題にしていた。でも課題が残るかなと思う。オンとオフの切り替えが今回あまり出来ていなかった。
・岩本(済3=京都外大西)
タイムは全く納得いっていない。良いところなかったなって思う。100m自由形は決勝の舞台でベストが出たのは良かった。調整か上手くいかなくてスピードが出ていなかったので、もう少し集中力をたかめたい。ラストにタッチが合わなくてガチャガチャしてしまうので、そこを予選から改善した。100mは自分が引っ張っていける存在になろうと思うが、200mは苦手意識があるので、苦手意識を無くしたい。
・大久保(国3=草津東)
今までよりしっかりした練習が出来ていたのでベストを大幅に更新することが出来ると思っていたが、予選で力んでしまい思うようなものタイムが出なかった。調子は良くむかえられたと思ったが結果は良くなかったので、まだまだ見直しは必要だなと思った。ジャパンオープンでは決勝に残りたい。
・山本遥(営1=豊川)
全然ダメだった。ベストからかなり遅れてるし、目標タイムにも届かなかった。2日目の100mバタフライでベストが出せて、その時は大学入ってはじめてのレースで東洋大の名前を背負ってるプレッシャーがすごいあった。まだ全然練習が出来てないので、まず早く大学の生活になれて対応していけたらなと思う。高校の時より、陸上トレーニングの量も時間も大幅に増えたり、刺激になる。高校の時より更にレベルアップを期待してる。インカレで得意の200m背泳ぎでメダルを撮るのが目標
・松原(営1=豊川)
全然ダメだった。自己ベストは2分27秒94。東洋大は昨年インカレで女子が優勝していて、大学の名前を背負ってるからにはもう少ししっかりしたタイムで泳がなければいけなかった。大学生になりインカレでも戦わなければいけない。昨年度のシーズンが上手くいってないので完全復活できるように頑張っていきたい。
TEXT=梅山織愛 PHOTO=望月優希、菊池美玖