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2017.05.02
アイススケート

[アイスホッケー]結果5位に「不甲斐ない」 課題を糧に秋リーグで挽回を誓う

秩父杯第65回関東大学選手権大会

4月30日(日) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ


東洋大5-3慶大


[ゴール・アシスト]

4:15 中村(出口、山田)

25:12 石倉(渡邉、古川誠)

37:23 渡邉(出口、山田)

38:43 柴田(山田)

43:42 阿部(柴田、川口)



チームをけん引したFW山田


拮抗を崩すきっかけをつくったDF渡邉


GK水田は役目を全うした



 最終戦は、昨年の秋リーグで苦しめられた慶大戦。序盤はなかなかゴールを決めることができず苦戦するも、2ピリでゴール炸裂。最後には相手の連続得点を許したが猛攻を防いで5-3で勝利。今体制で迎える初めての大会は、最終順位5位で幕を閉じた。


 先制したのは東洋大。なかなかゴールを決められない局面で、FW出口(社3=駒大苫小牧)のリバウンドを押し込む形でDF中村(社2=八戸工大一)が決めた。そのまま流れをものにしようと積極的に攻めるが、パスが通らない、チェックされるなどしてうまく得点に結び付けることができない。激しい攻防を繰り返す中、ついに慶大に得点を決められてしまう。ひるまず攻撃の手は休めないまま1―1で1ピリを終えた。

 1―1の振り出しの状態で迎えた2ピリ。息を潜めていた選手たちのプレーが光った。二人合わせての攻撃や、DFをかわして相手GKとの一対一の状況を作り出してのシュートなど多彩な攻撃を展開するも、最後には相手GKやDFに阻まれてしまう。その中で得点を決める起点をつくったのはDF渡邉(社3=日光明峰)。ロングレンジのシュートを決め試合の流れをつかんだ。2ピリ終了1分前には、FW山田とFW柴田(社3=武修館)のコンビネーションでGKを翻弄し、鮮やかに追加点を奪い4-1とリードした。しかし3ピリ開始3分でFW阿部(社3=白樺学園)が得点し点差を4点に広げたところで、突如慶大のプレーが猛威を振るう。相手に連続で得点され、6人での攻撃に押されるもチーム全員で防いで5―3で試合を終了した。


 GK古川駿(社3=駒大苫小牧)が正GKとして出場している東洋大。今試合は「二人で競争しながら二人が成長していけば」という山口コーチの采配で、GK水田(社2=駒大苫小牧)が一試合通してゴールを守り続けた。3ピリでは相手に立て続けに得点を許してしまったものの、慶大の積極的な攻撃を防ぎ好セーブを連発。最後は相手ゴールをエンプティにした状態での猛攻もしのぎ、チームの勝利に貢献した。


 「今日の試合でも、トーナメント全体でも決めが悪い。決定力の差というか」と、FW山田(社4=埼玉栄)は分析した。試合を通して、シュート本数は東洋大が49本、慶大が22本と圧倒しているにもかかわらず、点差はそこまで開いていない。「決定力を次の夏、秋までに鍛える」と決意を新たにした。今試合で勝利のきっかけを作ったDF渡邊は春の選手権を振り返り「気持ちと勝利への貪欲さがまだまだ足りない」と課題を見つけた。


 想定していなかった2回戦敗退を喫した今大会。誰もが悔しさを覚える結果となったが、一方で各々課題を発見し、次につながる糧となった。次は秋のリーグ戦。チームの今後の研鑽(けんさん)は昨シーズンと選手権大会の雪辱を果たすだろう。



◼︎コメント

・山口コーチ

出だしも悪くなく、そのまま東洋のホッケー最後までやろう、ということでみんな話し合ってやった。1ピリは1-0でもうちょっと点数欲しかったと思うが、2ピリ3点入って4-0に出来たのがよかった。そこで最後20分を3ピリで締めたかったけれど、ばたばたしたのがちょっとした反省点。全体的にはそんな悪くなかったと思います。(GK水田の起用に関して)古川駿もいいキーパーだが、うちの水田もすごくいいキーパー。二人で競争しながら二人が成長していけば、と思って今日は水田を起用しました。(慶大のやりにくさはあったのか)うちはアイスホッケーのシステムを重視していて、その中でいろんな動きを取り入れているが、慶大もオリンピック女子の監督がいて、男子の監督ももともとやっていたコーチがいるので、まあ大体その、システム同士がぶつかりあってやりづらいという点はあった。(春の選手権大会の総括)やっぱりしっかり準備してきていたが、一番は決勝には進みたかったというのが本音。今大会での負けからもすごくいい勉強になったし、選手は本当に100%やらないと全部勝てないってこともわかったので、そこがまあ一つの勉強になったとは思う。勿論決勝進出とか、明治とかともやりたかったという本音はあります。(秋のリーグ戦に向けて)いつもほんとに同じになるが、ここからチームの底上げ、チームの競争を図って、本当にいいチーム作りとチームのために一人一人が何できるかっていうのを選手にもっともっと考えさせてチーム力を上げていきたい。


・FW山田主将(社4=埼玉栄)

(今日の試合を振り返って)慶応(大)もうちと似たような当たって走ってやってくるという中で、最初は互角以上にはできていたのかなという感じ。相手も最後足止まってきてってなった時にちょっと僕らも緩んじゃったのかなという。そこで最後2点追いつかれちゃった部分はあったんですけど、内容的には危なげなく勝てた。相手も同じようなプレースタイルで、苦戦するときは先に僕らが走れなくて、僕らに理由があって、走れない当たれないっていうので相手に先に僕らがやりたいことをやられちゃうっていうのは慶応に限らず、どこのチームとやっても苦戦してしまう。(見えた課題は)今日の試合でも、トーナメント全体でもそうなんですけど決めが悪い。決定力の差というか。チャンスいっぱいあって、そこ決めておけば楽に勝てる試合も今日とかもそうですけどスコア的に接戦になっちゃうので。決定力を次の夏、秋までに鍛える。(今大会の総括)例年より個人技ある選手とかスキル高い選手とかがいっぱい入ってきて、それに頼ってそれで打開しようとしちゃう面が多く見られて、そこで相手にカットされちゃうとか。そういうスタイルじゃないので、うちのホッケーっていうのは。それができている選手もいればできていない選手もたくさんいたので、そういうところはこれからの合宿とかで統一していければ。全員の考えをまとめていければ勝てるんじゃないですかね。(秋リーグに向けて)後は本当に結果だと思うので、スタッフも良いし、選手もみんな揃ってるし、環境も良いしってなってきたらやっぱり結果残したい。


・DF渡邉(社3=日光明峰)
(納得のいく試合だったか)微妙です。最後の3ピリでバタバタしてしまったり、点差が開いて軽いプレーとかが出てきていたのでよくなかった。(ゴール振り返り)入ってよかった。久しぶりの得点だったのでうれしかった。(DFは)1ピリの最初は自分自身があまりFWにいい球出しができなかったので、それを2ピリ以降改善しようと心がけでできた。(春の選手権で見つかった課題は)気持ちと勝利への貪欲さ。まだまだ足りないかなと個人的に思った。(慶大は)やりにくさはとくになかったが、慶大はみんなで頑張るチームなのでそれを受けるんじゃなくて、仕掛ける側にまわるプレーが必要だった。立ち上がりはよかったが1ピリの中盤とかよくなかったのですべてのピリオドで実践していきたい。(最終順位5位は)不甲斐ないとしか言えない。みんなで考えるのではなくて、ひとりひとりが結果を認めて向き合って頑張っていかないとまた負けてしまうのかなと思う。


TEXT=外狩春佳 PHOTO=玉置彩華、金澤瑞季、越塚日南