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2017.05.01
サッカー

[サッカー]昨季のインカレ王者・筑波大に惜敗も、古川監督「意味のある敗戦」

第91回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ(前期)

第2節  4月30日(日) たつのこフィールド龍ヶ崎



東洋大0ー1筑波大



<出場メンバー>

▽GK

伊藤俊祐(国4=柏U-18)


▽DF

浦上仁騎(国3=大宮Y)


渡邉拓也(国2=FC東京U-18)


渡辺星夢(国3=前橋育英)


朝妻佑斗(国2=大宮Y)


▽MF

勝野瑛(国3=浦和Y)


高橋宏季(国3=FC東京U-18) 


丹代藍人(国3=青森山田)→72分野本幸太(国1=市立船橋)


松崎快(国2=大宮Y)→87分小林拓夢(国2=帝京長岡)


▽FW

坂元達裕(社3=前橋育英)


小堀将人(国4=八千代)→55分小澤裕太(国1=千葉Y)


積極的な守備で攻撃の芽を摘む勝野

坂元は果敢にシュートを放つも得点は生まれず


   前節専大に敗戦を喫し、1部の復帰戦は黒星スタートとなった東洋大。2節に昨季インカレ王者の筑波大と対戦。0ー1と善戦するも惜敗し、開幕2連敗となった。

 筑波大とは2年前、まだ両チームが2部だった頃に、1部昇格の1枠をかけて最終戦で激突。1ー1と引き分けて、筑波大が昇格を決めたという因縁がある。目の前で昇格を決められた相手だけに、東洋大はあの時の悔しさから1年で同じ舞台へたどり着いた。そして、その試合以来となる同カードでの対戦が、キックオフした。

 前半風下になった東洋大は、筑波大のハイプレスに苦しめられてボールを回すことができない。前半10分には、中央で坂元(社3=前橋育英)がドリブルを仕掛けると、左サイドの丹代(国3=青森山田)とのパス交換からリターンを受けると、そのままシュートを放つ。しかし、蹴ったボールはうまくミートできず、ファーポストへと外れてしまう。相手にボールを支配され、押し込まれる時間帯が続くと、19分には2年前の対戦で、得点を決められた中野誠也にシュート打たれるものの、伊藤主将(国4=柏U-18)の好セーブによって失点を免れる。前回対戦では2年生だった中野も、今は最上級生となり、Jリーグ1部・ジュビロ磐田への来季入団が内定しているなど、名実ともにエースに君臨している。その中野を起点に、34分にはピンチを招くも再び伊藤が体に当ててブロック。0ー0で前半を終了した。



 後半、東洋大は風上に回るものの、筑波大は積極的に攻勢に仕掛ける。「ボールを奪った後の、ショートカウンターが脅威だった」と伊藤が話すように後半2分には、中野にカウンターから抜け出されて、左サイドからシュートを打たれるもサイドネットへ。すると後手に回った東洋大に一瞬の隙が生まれる。後半12分、右サイドからのクロスボールに、中央でフリーで待っていた戸嶋に頭で合わせられ、先制点を決められてしまう。「クロスの対応がルーズになってしまった」と古川監督がコメントするなど、それまで高い集中力で防ぎ切っていた守備陣には悔しい失点となった。続けて後半16分には、ペナルティーエリア内で渡邉(国2=FC東京U-18)のハンドを取られて、PKを与えてしまう。しかし、中野の蹴ったボールは、伊藤の足に当たってネットは揺れず。「相手が緊張しているのが伝わったので、止められると思った」と自信を見せ、頼れるチームの主将は、相手エースの中野にも動じず、プレーでイレブンたちを鼓舞した。その奮起に応えたい攻撃陣だったが、最後まで同点ゴールを決めることはできずに試合終了。0ー1のまま敗戦となった。

 試合後に古川監督は「意味のある敗戦」とこの試合を振り返った。昨季1部へ昇格を果たし、大学サッカー界では最上位の選手たちや、すでにプロへの内定が決まっている選手たちと、実際にピッチの上で対決している。


 「例えば中野選手の動き出しなどを外から見るのと実際にピッチで体感するのでは、イメージと異なるところがある。実際に危険なシーンもあったが、大学サッカーの中ではトップだと思うので、次節以降の対戦で経験値として生かすことができれば『意味のある敗戦』であると言える(古川監督)」。

  ボランチから好守を見せた勝野(国3=浦和Y)は実際に対戦して「自分が思うようなプレーはできなかった」と悔しさを滲ませるなど、強い向上心を見せた。勝ち点こそまだ得られていないが、それ以上の経験値をこの2試合で得ている。1年生の起用も目立ち、競争も激しくなってきたチームに、あと足りないものは勝ち点3。日体大、明大と強豪との連戦が続くが、ハードな日程の中でも、選手たちは1部定着へ向けて、少しずつ成長している。


◾︎コメント

・古川監督

前半は風下のピッチで押し込まれる展開になっていた中で、キーパーの伊藤を中心に試合をつくって我慢強く戦ってくれた。後半に風上になったので、試合を押し込めればいいと思ったが、クロスの対応がルーズになってしまった。頑張ってしのいでいただけにもったいない失点だった。失点してから前がかりになって、さらに背後のところを突かれるというのは相手の意とする展開であったと思うが、その中で2失点目は与えずに最後まで望みをつないでくれたのは、次につながるところだと思う。(次戦に向けて)間が中2日しかないので、頭をしっかり切り替えて臨むということに尽きると思う。今日の試合と、この前の開幕戦で学んだところを次の試合に生かすということが、大事だと思う。選手のコンディションやバックアップの選手の調子を見ながら、しっかり準備して臨みたい。


・伊藤主将(国4=柏U-18)

攻撃陣にタレントが多く、攻撃力があった。特に、プレッシャーのかけ方がう上手く、ボールを奪った後のショートカウンターが脅威だった。(PKのシーンの振り返り)思い切りよく飛べて、タイミングも良かったので、ボールは真ん中に来たが、足で触ることができた。(新入生へのサポート)今年の新入生は、能力の高い選手が多いので、経験の多い上級生が、緊張せずに自分の能力を100%出せるように、サポートしている。(時節に向けて)今季のリーグ戦で、まだ勝ち点が取れていないので、引き分けでもいいので、まずは勝ち点を取りに行きたい。そして、そこからチームが波に乗れるようにしていきたい。


・勝野(国3=浦和Y)

前半は風下という状況で、なかなか前に押し込めなかったところでなんとか0点に抑えられた。けれど後半に失点をしてしまい、そこからなかなか自分たちの流れで試合運びをすることができなかった。(筑波大の印象は)練習や紅白戦でやるときのインテンシティーの高さと1部の筑波大を相手にしたときのインテンシティーの高さは違くて、まだまだ自分が思うようなプレイはできなかった。(初スタメンだったが)今季初のスタメンということで、気持を高く持って試合に入って、チームを鼓舞しようとしたが失点したときや、流れが悪い時にチームを盛り上げることがまだまだ足りなかった。(次戦へ向けて)中2日で次の闘いがあるが、チーム全員で今日の試合を振り返り、次は絶対に勝利してみんなで喜び合いたい。


[次節試合予定]
第91回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ(前期)
第3節 5月3日(水) 対日体大 江戸川陸上競技場にて 14:00キックオフ


TEXT=藤井圭 PHOTO=美浪健五