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第53回東日本大学空手道選手権大会
5月5日(金) 日本武道館
男子組手
2回戦敗退
女子組手
2回戦敗退
主将としてチームを引っ張った東出
日本武道館で行われた今季初の団体戦は、男女ともに2回戦敗退。昨年の結果には大きく届かず、非常に悔いの残る大会となった。
男子の初戦は、金沢工大に大きくポイント差をつけて勢いよく勝ち上がる。2回戦の相手は拓大。先鋒・次鋒は、なかなか自分のペースに持ち込むことができず、勝利を奪えない。この状況で中堅は1点でも多くのポイントを取っての勝利が欲しいところ。しかし、その気持ちから体が固くなってしまい、動きが中途半端に。すきを突かれて相手にポイントを奪われ、1ポイントも奪えず敗北。このピンチでコートに上がったのは副将の東出(法4=青森北)だ。1ポイントでも多く取ろうと、序盤から一本を決めるなど積極的に相手を攻める。しかし、後半に入るとポイントを積み重ねることができない。結果的に勝利は収め、大将戦につなぐことはできたが、「もっと取っていたら大将にもっと楽な形になった」と振り返る。チームの勝利は大将の成海(法3=仙台城南)に託された。「初めて大将という立場になって、場慣れしていなかった」と成海は大将という役割に緊張していた。そこに加えられた3回戦に進むためには、4ポイント差をつけた上で勝たなければならないという大きなプレッシャー。先制点を奪うも、ポイントを取っては取られを繰り返していく。突きよりもポイントが高い蹴りを積極的に狙っている姿からは、チームの勝ちにこだわる気持ちが見て取れた。残り10秒で中段蹴りが決まり、なんとか勝利。しかし、合計ポイント数が及ばず、ここで敗退となってしまった。試合後、東出は、それぞれを振り返った上で「勝負強さが足らなかった。勝つという気持ちだけが前にいってしまった」と話した。試合前のチームの雰囲気が良かっただけに、この敗北は悔やまれる。
一方、女子は2回戦からの出場。相手は日体大だ。先鋒の宮坂(法3=日本航空)が引き分けに終わると、中堅は主将の別府(法4=埼玉栄)。しかし、なかなかポイントが奪えず、0対2とここで痛い敗北を喫してしまう。大将の古怒田(法2=御殿場西)は、前の二人の悔しさを晴らすような気迫あふれるプレーを展開。しかし、54秒で上段突きを決められ、先制点を許してしまう。それでも集中は途切れず、残り4秒のところで上段突きを決めるも、そこで試合終了。初戦敗退となってしまった。
男女ともに悔しさが残った今大会。それぞれが見つけた課題を修正し、次は個人選手権へ臨む。今回の悔しさは、必ず個人戦で晴らす。
TEXT=伊藤梨妃、PHOTO=福山知晃
■コメント
・東出主将(法4=青森北)
2回戦敗退はひどいと思う。先鋒の大島は、相手が強かったので慎重にやりすぎた。いつも通りにやれば勝てた。次鋒の幸保は、最初はいいと思ったが、逆転されてから相手のペースになっていた。1年生なので、経験が浅い分も出たと思う。中堅の山田は、やりづらい相手であったが、先鋒と次鋒が接戦で来るのはわかっていたので、得点が欲しかった場面。点を取らなければならないという気持ちで体が固くなり、動きも中途半端だった。そこを相手に抜かれてしまった。副将の僕は、最初は良かった。動きが雑になってしまい、後半にポイントが取れなかった。もっと取っていたら大将の成海にもっと楽な形になったと思う。大将は、勝たなきゃいけないというプレッシャーと、さらに点差をつけなければならないというプレッシャーの中よく頑張ったと思う。試合前の雰囲気は、一致団結している感じでとても良かった。2回戦は、勝たなくてはならないという気持ちと、拓殖大学という名前で考えすぎて、固くなってしまった。課題は勝負強さ。「勝つぞ」という気持ちが先走ってしまっている。確実に勝つことができる試合で、どういつも通りの力を出せるか、これが課題だと思う。次の個人戦では、1つでも上にいきたい。
・成海(法3=仙台城南)
初めて大将という立場になって、場慣れしていなくて緊張した。また4点差付けなければいけないところで付けられず負けてしまったので、ポイントの取り方、相手にポイントを取られない練習をしていきたい。(2回戦の大将戦は)ずっと先鋒でやっていて、いきなり大将で点差を付けて勝たなければいけなくて、周りのコートの試合は終わっててすごく見られているのもあって緊張した。(課題は)ガードの部分ともう少し点数取れたと思う。決められるところをしっかり決めれば、点差も広げられたし楽に戦えると思う。(良かった選手は)東出先輩。(2回戦で)チームが2対0で負けていたところで副将そしてキャプテンとして、点差を付けて勝ちにつなげてくれたので大将として僕も頑張らなければと思ってた。(個人戦に向けて)去年勝てず、今回も負けてしまった人が拓大にいるのでその人に勝って全日本に出られればと思っている。