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第70回関東大学ボクシングリーグ戦
5月27日(土) 後楽園ホール
東洋大 8-1 中大
【LF】○田村(判定)永田●
【F】○福井(ABD)菊池●
【B1】○渡来(ABD)松下●
【B2】○村地(判定)下永●
【L1】○中川(判定)五ノ井●
【L2】○木村蓮(判定)渡邊●
【LW】●原田健(判定)岡澤○
【W】○原田直(判定)栗栖●
【M】○松野(判定)新田●
渡来はアッパーで相手を仕留めた
デビュー戦の田村も白星を挙げた
福井は相手を圧倒し2回ダウンさせた
デビュー戦となった田村(ラ1=崇徳)の勝利を皮切りに、福井(営3=駿台学園)、渡来(営1=武相)が棄権勝ちで流れを作りライト級まで一気に6連勝。拓大戦では不調だった重量級も調子を取り戻し8―1と中大を下した。
トップバッターは大学デビュー戦となった田村。相手は過去2戦で1勝1敗の相手だ。「緊張してしまった」という1Rはプレーに固さがあり、なかなか手数を増やせなかったが、次第に緊張がほぐれ手数も増えた。判定で田村の手が上げられたときには思わずガッツポーズ「デビュー戦負けたくなかったのでうれしかった」と笑顔が溢れた。続く福井は拓大戦のバンタム級から階級を戻しフライ級での出場。終始相手を威圧し3R0’32でABD勝利した。1年生ながらすでに頭角を現した渡来は、長いリーチを生かし相手との距離をしっかり取りながら隙をついて左アッパーで相手を仕留めた。「明確にポイントを取っているのは感じていたので冷静にできた」と堂々の2R1’14でABD。一気に良い流れを東洋大にもたらした。
ライト級まで6連勝と好調に勝ち進み、ライトウェルター級に出場した原田健(営2=安芸南)の相手は強敵である中大キャプテンとの一戦。普段の階級から落とし減量したこともあり相手のパンチが効いてしまい判定負けと悔しさの残る結果に。しかし続くウェルター・ミドル級がしっかりと借りを返し2連勝。ウェルター級の原田直(営3=崇徳)の試合前にはバンタム級の村地(法3=西宮香風)から「国体のチャンピオン(1年時)が負けるわけないやろ」と熱い激励も。その言葉が背中を押して勝利につながった。ミドル級の松野(営4=開進)も力強いパンチで冷静にポイントを重ねて圧倒、三浦監督も「次はもっとよくなる」と太鼓判を押した。
中大戦で意識したことを「勝つのはもちろん、怪我をしないこと」と話した監督。昨年のリーグ戦では農大・日大戦直前に主要選手の故障があり悔しい思いもしているため、この時期の怪我は避けて通りたい部分だ。試合内容については「(リーグ戦に)場慣れしてきて、打たせず打つボクシングで自分を発揮できるようになっている」と手ごたえも感じ始めている。次戦はしばらく勝ち星を挙げられていない農大との一戦だ。「ベストでぶつかるだけ」ついに東洋大の伝説をつくる時が来た。
◾️コメント
・三浦監督
拓大戦で拳が痛くなったりだとかで怪我人が何人か出たので今回は、勝つのはもちろんだけど怪我しないように戦うことを決めていた。農大戦・日大戦控えてるなかで怪我が一番怖いのであまりムキになって倒しにいくことはしないようにとアドバイスしていた。(振り返って)前回より内容はよくなった。打たせず打つ、場慣れもしてきて自分の力を発揮できるようになってきたと思う。田村はデビュー戦だったが、自分の持っている力からすると半分しか出せていない。フットワークが悪かったし、冷静になりすぎていた、もっとダイナミックに手数出してほしい。福井は元々力のある選手。うまく戦うことができているし、テクニックで戦えた。MVPは渡来、力のある選手だが、打たせず打つというボクシングができていたし、距離の測定の精度がよくなっていた。指示したアッパーで仕留めることができた。ものすごくいい感じ。村地は今回無理言ってバンタム級で、全員に2階級くらい用意しとけと言ってる。うまく戦って勝てたがバンタムの級のパワーは危なかった。ミドル級勝てたのは大きい。松野が冷静なボクシングでしっかりポイント取ってできた、安定感を見せられたと思う。そして次もっとよくなると思う。原田直も半分しかできてない、自分のやるべきことやれるようにならないと。(軽量級で勝てることは)流れを作れる。流れってすごく大事で、前半流れを作ってくれている。(東農大戦は)ベストでぶつかるだけ。勢い大事にしていきたい。
・田村(ラ1=崇徳)
自分の中でリラックスしようとしたが緊張してしまいプレーが落ち着きすぎて、硬かったです。でも勝ててよかった。うれしかったです。デビュー戦だし、チームの初戦ということでプレッシャーがすごくあった。仲間の応援も聞こえて、最後は手を出して気持ち出せてよかった。相手が1勝1敗している選手で、勝ち越したのでよかった。デビュー戦負けたくなかったので勝つ気はありました。次戦はもっと調子あげて頑張りたい。
・渡来(営1=武相)
今日の試合は75点。前回に比べて落ち着いてジャブ突いて所々で強いのを入れるのは出来たが、もう少しパンチのキレがあっても良かったかなと感じるので最低ラインにいったぐらい。(試合中は)明確にポイントを取っているのは感じていたので冷静に出来た。大学のリーグ戦は個人戦と違って楽しく出来ます。次の試合に選んでもらえたら、個人としても勝ってチームとしても東農大はずっと勝ってないので何十年ぶり勝てるように頑張りたい。
・原田直(営3=崇徳)
今日の試合は30点くらい。やってて勝ってるなっていうのはあったが今回は勝てる相手だと思っていたので前回全然ダメだった自分の距離を意識するという課題をもって修正していくという思いでやった。その課題は出来た所も出来なかった所もあったので、どんどん相手が強くなっていくからもっと出来を上げていかないといけない。リング上がるまで今日の調子はわからないから不安だったが、前回よりちょっとずつ調子は良くなっているので落とさないようにしたい。リングに上がる前に翼が「お前よう頑張ってるから、自信もっていけよ」って熱い言葉をかけてくれて心強かった。次の相手は自分は絶対に勝たなきゃいけない相手だから、勝ってチームに弾みをつけたい。
・松野(営3=開新)
今日の試合は自分的にはもう少し良い動きが出来たと思う。動きが固かった。もう少しうまく出来たんじゃないか。(パンチを)もらってるのは感じなかったが、相手は体が強くてパワーでくるのでそういうタイプとは普段練習してないのでやりづらかった。久しぶりにそういうタイプの相手でやりづらかった。自分は勝ち星が無かったし、4年生だからここで勝たなきゃいけないと感じててプレッシャーはあった。だから勝った時は良かったと思った。
・村田(H19年度営卒)
試合全体を通して今日は良かった。(今日のMVPをあげるなら)蓮太朗か美響。あと2週間で何かが劇的に変わるわけでもないから、しっかりコンディションを調整してベストを出す事が必要。後は、どこで勝負するかっていうと良いところで勝負するのだから悪い所を直すよりも良い所を前面に出して勝負してほしい。後の勝つ負けるは神のみぞ知る事だから。(現役生には)もっと試合のビデオを見て欲しい。他人に言われるよりも、自分で良かった所、悪かった所を気づいたほうが直せる。相手の研究も大事だけど自分をしっかり研究してほしい。
TEXT=玉置彩華 PHOTO=梅山織愛、玉置彩華