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第45回関東学生フィギュアスケート選手権大会
6月3日(土) ~4日(日)東大和スケートセンター
◆7、8級クラス男子
9位 45.53点 菅原 (社1=開志学園)
◆5、6級クラス男子
1位 77.93点 神戸 (文1=ふじみ野)
◆7、8級クラス女子
12位 42.17点 川上(ラ2=中京大中京)
17位 39.23点 濱谷(社3=富士見丘)
25位 33.60点 阿久澤 (社4=日本橋女学院)
◆5、6級クラス女子
10位 58.53点 遠藤(社2=日本橋女学館)
11位 58.48点 野口(文1=東北)
18位 51.92点 水上(社2=桜町)
22位 48.10点 吉藤(社1=日出)
25位 46.62点 小林(社3=山村国際)
30位 42.59点 河口(社2=横浜創英)
37位 37.29点 檜山 (国4=東洋女子)
◆2級クラス女子
16位 11.01点 瀬戸(社3=中大杉並)
◆男子団体
4位 13
演技で会場を魅了した
1位の賞状とメダルを手にする神戸
東洋大応援席も神戸の演技に大盛り上がり
1年生ながら11位に食い込んだ野口
濱谷はうっとりとした曲に合わせて滑りきった
東洋大から13名が関東学生フィギュアスケート選手大会に出場。オフシーズンであり調整の難しい大会にも関わらず新1年生の神戸(文1=ふじみ野)がノーミスの演技で表彰台の頂点に輝いた。
神戸は男子6級クラスでリンクに上がった。緊張の面持ちの中、レ・ミゼラブルの囚人の歌から演技がスタート。力強い曲調に合わせて勢いよく滑り出した。「5日前にやっと飛べるようになった」というトリプル2種目を組み込んだ構成で挑んだ神戸。最初のトリプルサルコウは着地で体制を崩しながらもこらえてよい流れをつくる。曲調が切り替わると力強い印象から一変、切ない世界観を全身で表現し観客の心を魅了。ラストの民衆の歌ではステップに合わせて観客から手拍子を受けながらフィニッシュへと向かう。最後にダブルアクセルを見事に決めると会場からはひときわ大きな歓声が上がった。
大学初の公式戦で1位を勝ち取った神戸。「ノーミスというのが初めてだったので本当に気持ちよかった」とうれしさ全開の様子。リンク上で魅せた力強い顔や切ない顔ではなく、まだまだ初々しい18歳の笑顔がそこにはあった。今後については「まだ6級なので、まずは7級に上がれるように」とレベルアップを誓った。
女子7、8級クラスでは昨年4位で期待のかかる濱谷主将(社3=富士見丘)が出場。感情のこもったスケーティングで観客を引き込んだがジャンプのミスで17位と順位を伸ばすことができず、「選手のレベルがすごく高くなっていて、点数が少し上がったり下がったりしただけでは、上に行けない現状」とレベルの高さを痛感。女子部門は全クラス通して表彰台に手が届かず悔しさの残る結果となった。
今後はインカレの出場枠がかかる秋の大会に向けてどこまで演技の完成度を高められるかが重要になる。部員の数も増え、個人はもちろん団体としても活躍が期待される。以前よりレベルが上がりし烈となる争いの中で、次こそ上位入賞で満開の笑顔を咲かせてほしい。
■コメント
・阿久澤(社4=日本橋女学院)
できることをやろうと思っていたので、最初の3回転トウループが着氷できて回転不足も取られなかったのでコンビネーションがつけられなかったのは悔しいが、最初はよかった。アクセルは決めるつもりでいたので悔しかった。結果が出てからステップのレベルが取れていたことがわかったのでよかった。スピンは取れていると思っていたが取れていなかった。(最高学年になって気持ちの変化は)多少ある。新入生も入ってきて試合に出てジャンプを決めたりしていて1年生が入ってきてから初戦だったのでこの大会で刺激を受けた。(これからの目標は)次の東インカレは枠も減ってきているのでインカレの枠を取るのが第1だが、しっかり練習して自分が頑張ったと言えるようにしたい。
・濱谷(社3=富士見丘)
今日は、タイスの瞑想曲という曲で、うっとりした女性らしさが問われる曲だったので、上半身や顔の表情を気にした。(演技の中の)3つしかないジャンプで2つと転ぶことはあってはならないことだった。調子が良かっただけにすごく悔しかった。だが、まだシーズン前なので秋のシーズンに向けて頑張らなければと思った。(去年より)選手のレベルがすごく高くなっていて、点数が少し上がったり下がったりしただけでは、そこまで上に行けない現状があるのでもっと頑張らなければいけない。他選手を気にしてしまうと、自分のことがうまく出来ない。が、練習以上のことは出来ないと思うので、リンクに1人で立ったときに自分に勝てるようにしたい。今日失敗してしまったジャンプも練習で跳べているので、メンタルをもっと強くして、本番でも飛んでやるという気持ちで攻めていきたい。
・遠藤(社2=日本橋女学館)
試合にコンディションを合わせることができなくて、自分の思うような演技ができずに迷惑をかけてしまいとても悔しい。ノーミスをしたいとは思っていたが、調子が上がらなかった。調子が上がらなかったのは自分に甘くて、練習しようという気持ちはあったが内容のよくない練習をしてしまったからだと思う。表現力に力を入れたいと思っているので、ロミオとジュリエットのストーリーを見てる人に伝わるように表現したい。(1年生が入ってきて)1年生が入ってきて部員も増えて、去年は1番下の学年だったが今は違うので引っ張っていけたらいいなと思う。(これからの目標)ロミオとジュリエットもまだ未完成なので滑り込んで曲のなかでジャンプを決められるように練習し、結果を残していきたいと思う。
・野口(文1=東北)
いつも回転不足がひどいアクセルが今までの中で一番うまく跳べたのでよかったと思う。(演技の中で表現したのは)普段の自分と違って、強い女性を演じられるように頑張った。(タノジャンプについては)片手を上げてジャンプを跳ぶことが最近できるようになったので、演技の中にたくさん取り入れてみた。(修正していきたいポイントは)ステップのレベルがベースだったので、次はレベルが取れるように頑張りたい。
・神戸(社1=ふじみ野)
トリプル2種目が5日前にやっと飛べて、それを構成に入れられたのと、トリプルサルコウを2回構成に入れていて初めて決まったのでよかった。ノーミスというのが初めてだったので、本当に気持ちよかった。(入学して初の公式戦で緊張は)すごくあった。チームメイトからの声かけが励みになった。(ジャンプの出来栄えは)降りた後に詰まってしまったのは何個かあったが今までにしたら1番よかったと思う。(観客からの手拍子は)すごくうれしいです。(チームは)みんな声をかけてくれて、優しくて楽しい。演技前のハイタッチで結構緊張がほぐれて出だしも入りやすい。(これからの目標は)まだ6級なので、まずは7級を取ることを目標に頑張っていこうと思う。
・菅原(社1=開志学園)
雰囲気とかに飲まれずに自分なりに楽しく踊れたのですごく新鮮だったし楽しかった。冒頭のジャンプで転んでしまったんですが、練習の時からうまくできていなかったので戸惑いがあった。逆にそのジャンプにしか緊張していなかったのに、あまりよい演技ができなくて、周りの人からも「もっとできたよ」と言われて、悲しいというか、練習が足りなかったなぁと思った。内容的に、順位とか言えるレベルではなかったので、納得いくかいかないかと言われたらいかないけど、その割には良い点数だったのかなと思う。(演技で意識したテーマや表現は)マスクという映画の曲だったので、観客を楽しませたいという気持ちで臨んだ。その部分では歓声とかで返ってきたのでよかったが、まだまだできたことたくさんあったので悔いが残った。
・吉藤(社1=日出)
(大学初公式戦はどうだったか)フィギュアは個人種目だからチームとして出場するのが初めてで、もっと役に立ちたかったんですけど今日は思うようにできなかった。あんなにリンクの近くで応援してもらうことも応援することもなかったのでチームの応援ってすごいなって、頼られるような存在になりたいと思った。(トップバッターは)すっごく緊張しました(笑)演技始まる前は楽しみだったが、いざ名前を呼ばれるともうガチガチだし、足震えてました。頭真っ白になりました。2番目のアクセルが、結構得意分野なのに失敗してしまってパニックになって焦ってしまった。落ち着いてたら跳べるジャンプなのでメンタルも強くしようと思った。(順位や得点は)自分では最下位とかぐらいの感覚だったので、思ったよりも得点はよかった。いつも55点を目指しているので全然届いていない。高校生のときよりも、みている人に届けようという気持ちだったり、ジャッジのほうに笑うことを意識したりできた。
TEXT=玉置彩華 PHOTO=玉置彩華、望月優希、森美香子、美浪健五