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2017.06.12
サッカー

[サッカー]渡邉意地の同点弾! 2度のビハインド追い付き東国大とドロー

91回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ(前期)

第9節 

 6月10日(土) 千葉県総合スポーツセンター東総運動場

東洋大2ー2東国大

<出場メンバー>

GK

伊藤俊祐(国4=柏U-18

DF

浦上仁騎(国3=大宮Y)

渡邉拓也(国2=FC東京U-18

渡辺星夢(国3=前橋育英)

坂本涼斗(国1=柏U-18

MF

松崎快(国2=大宮Y)

勝野瑛(国3=浦和Y) →90分+2分 坪川潤之(国2=矢板中央)

高橋宏季(国3=FC東京U-18

宮吉悠太(国4=京都橘) →77分 野本幸太(国1=市立船橋)

FW

坂元達裕(社3=前橋育英) 

阿部敬太(国4=potters bartown FC→60分 小林拓夢 (国2=帝京長岡)


値千金の同点ゴールを奪った渡邉㊨

宮吉は今季2点目となる得点を挙げた

再三好機を演出した坂本


 試合前勝ち点13で並ぶ東国大との対戦は、最後まで目の離せない熱戦となった。2度のビハインドにも全員が諦めない姿勢で戦い抜き、90分に渡邉(国2=FC東京U-18)のゴールで2-2としたところで試合終了。これで直近5試合負けなし、貴重な勝ち点1を積み重ね、4位をキープした。

 

 昇格チーム同士の対戦となった今節は、試合前からすでに会場のボルテージが高まっていた。互いに上位進出のためには落とせない一戦なだけに、試合開始から激しいプレーが続く。1分、CKのクリアボールから素早いカウンターを仕掛けられ、浦上(国3=大宮Y)の裏を狙われるが最後は伊藤主将(国4=柏U-18)のセーブもあり、難を逃れる。東国大の攻撃陣は技術の高い選手が多くそろっており、「細かいパスワークには手を焼いた」と古川監督も認めるタレント集団だ。それでも前半を失点0で抑えるという共通意識のもと、最後のところで浦上、渡邉を中心に体を張ったブロックでゴールを許さない。しかし、思わぬ形で試合は動く。30分、ゴール中央18mのところでファウルを犯しFKを与えてしまう。このFKは枠の上に外れたと思われたが、主審は東洋大のハンドを取り、PKが宣告される。これをしっかり決められ、不運な形から1点を追いかける展開となる。

 早い時間に追いつきたい後半、風上に立った東洋大は開始から攻勢に出る。49分、中央でボールを受けた高橋(国3=FC東京U-18)が右サイドを駆け上がる坂本(国1=柏U-18)に絶妙なスルーパス。これをダイレクトで折り返すと、ニアで松崎(国2=大宮Y)がうまくつぶれ、ボールがファーに流れたところに待っていた宮吉(国4=京都橘)がきれいに流し込み、試合を振り出しに戻す。宮吉は「しっかり決めることができて良かった」と話し、逆転に向けて勢いのつくゴールとなった。60分には前節得点を挙げた小林(国2=帝京長岡)を投入し、攻撃の活性化を図る。しかし、先に追加点を奪ったのは東国大だった。強靱なフィジカルを持つ相手FWに右サイドの突破を許し、折り返したボールに頭でドンピシャに合わせられ、ネットを揺らされてしまう。ディフェンスの人数が足りていただけに悔しい失点となった。再びリードを許した東洋大は右サイドの坂本、松崎の連携から再三チャンスを演出するが、中央を固める東国大の牙城をなかなか崩せない。すると残り5分となったところで渡邉を最前線に上げ、リスクを負って1点を奪いにいく。直後の90分、自陣からゴール前に放り込んだFKは、1度ははね返されるものの、こぼれ球を拾った高橋がクロスを上げると、小林が相手と競り合ったボールは渡邉の足下へ。「失点は自分のミスもあったので(FWに上げられたときは)取るしかないと思っていた」と値千金の同点弾。古川監督の采配が見事的中し、ベンチでガッツポーズを見せた。

 これで直近5試合で負け無しと、簡単には負けないチームへとなった。「2度のリードを追い付けたことは自信になる」と古川監督が振り返るように、今節では最後まで諦めない選手たちの姿勢が結果につながった。厳しい1部を戦い抜くために、勝ち点0と1とでは大きく異なる。しかし、2試合連続で先制点を許してしまっているのもまた事実。もう1度90分間無失点で抑えられる守備を見せ、次こそは勝ち点3を目指したいところだ。


■コメント

・古川監督

失点0でいって勝ち点を取りにいくという考えの中で入って、不運な形もあって先制点を取られて厳しい試合になった。(2点目のゴールは)時間も無かったのである程度シンプルに中に放り込む策を取った。(渡邉)拓也には空中戦の強さもあるし、シュートを合わせるセンスも持っているので、リスクを承知の上で前に上げた。うまく結びついたのはよかった。(今日の守備陣は)東国大の中盤の近い距離での細かいパスワークには手を焼いた。1点目の契機となったファウルも、ボランチが後手に回ってしまった。それでも1点取られてからは修正をしてラインを浅く保とうとしていた。2点目のところは人数が足りていただけに残念。(5試合負け無しについて)1部で勝ち点を取るのは本当に難しい。このまま負けないでいけたら残留のラインも十分見えてくるので、まずは負けないことが大事になってくる。今節では2点取られてしまったけども、2度のリードを追い付けたのは非常に自信になると思う。


・宮吉(国4=京都橘)

前半押し込まれて苦しい展開が多い中で風下ということもあって、前半は0で抑えようというのは話していた。最後追い付けた部分は次につながる。(得点は)あの形は(松崎)快と(坂本)涼斗が右サイドから崩してくれて、クロス入ってくるのはよくあるので、そこは自分でファーサイドにしっかり入っていこうと、いつも意識していた。そこで溢れてきたのでしっかり決めることができて良かった。(引き分けという結果は)試合前は勝点が同じで、今年から1部で一緒に戦うチームということで、意識するところはあって、勝ちたいという気持ちはあった。でも先制された中でも追い付いて、引き分けに持っていけたという部分ではポジティブに捉えている。


・浦上(国3=大宮Y)

同じ勝ち点の相手だったし、2部から上がった対決で何としても勝ち点を取りたかった。先制されて、追い付いて、またやられたという中で引き分けに持ってこれたというのはポジティブに考えていいと思う。前からプレスが来るというのは分かっていたが、少し受け身に回ってしまった。個人的にもあまりよくなかった試合だったので悔しい。後半は特に自分が優位に立ってやっていたが、前半に何回かやられたというか、背後に抜けられたりとかもあったので、そこは拓也(渡邉)と自分が中心に後ろのライン合わせていかないといけない。(次節に向けて)パワフルなチームだと分かっているので、後ろのカバーとかしっかりしながら勝ち点3狙っていきたい。


・渡邉(国2=FC東京U-18)

前半、不運な形で失点してしまって、その後しっかり前が取ってくれたが失点してしまって、自分のミスでもあったので、自分が取らなきゃという気持ちでしっかり点を取れて勝ち点1を取れたので良かった。(得点シーンは)古さん(古川監督)が(FWに)上げてくれたので自分も取るしかないと思っていた。拓夢(小林)がしっかり前で潰れてくれて、たまたま自分のところに転がってきたのでしっかり決めるだけだった。失点してもみんな下向かないで、しっかりボールつないで前に行こうとピッチの中で話し合えていたので、その姿勢が得点につながったと思う。(次節に向けて)駒大は自分たちより順位は下だが前がすごい強いチームなので、今日みたいに2失点していたら勝てないと思う。後ろはしっかり0に抑えてチーム全員で勝ちたい。


・坂本(国1=柏U-18)

(今日の試合を振り返って)攻められる場面も多かったけれど、チャンスも多かったので勝てたかなという感じ。(1点目のアシストシーンを振り返って)感覚で上げた。(監督からの指示は)監督から自分が評価されているのは、攻撃の部分だと思うので、左サイドバックよりもどちらかというと攻撃的だと思うので、右サイドから攻めることが多くなると監督から言われた。(守備面で意識していたことは)暑かったので、集中するようにした。(収穫と課題は)引き分けに持ち込めたのは大きかったが、勝てる試合を勝たなければこれから上に進めないと思うので、今日みたいに暑かったり、天候でいろいろ変わってくると思うが、勝てる試合勝っていきたい。(次戦に向けて)次戦は勝てるように頑張る。


[次節試合予定]
第91回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ(前期)
第10節 6月17日(土) 対駒大 日立市民運動公園 陸上競技場にて 11:30キックオフ


TEXT=美浪健五 PHOTO=土橋岳、藤井圭、谷口奏生