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朝霞ボウル
6月11日(日) 東洋大朝霞グラウンド
第1試合 東洋大 20-13 東国大
第2試合 東洋大 21-6 大東大
第3試合 東洋大 21ー7 埼大
東洋大1位
積極的なランでMVPに選ばれた磯谷
伊勢馬場は何度も好機を演出した
トロフィーを手にする鳴島主将
東洋大、東国大、大東大、埼大の4校で行われた朝霞ボウル。WR大西(国3=東京国際)を中心とした攻撃陣が爆発し、3戦全勝で優勝を果たした。
1試合目の東国大戦はいきなり試合が動く。キックオフのボールをキャッチしたWR大西が自慢の快足を飛ばし、一気にエンドゾーンへ。目の覚めるようなタッチダウン(TD)で幸先よく先制点を手にする。その後相手のランを止められずに一時は逆転を許すものの、第2Q開始2分にWR田松(ラ3=秋田南)、残り10秒となったところでRB磯谷(ラ2=愛知県立刈谷北)がTDを奪い20-13で勝利を収めた。
2試合目の大東大戦では、QB伊勢馬場(食4=横浜栄)がうまくパスをさばき、攻撃の軸となる働きを見せる。「いいリズムで攻撃ができた」と幾度となくWR田松、WR大西へのパスを成功させ、第1Qのうちに2本のTDを奪って終始試合を優位に進めた。
優勝がかかった3試合目の埼大戦。再びQB伊勢馬場のパスから得点が生まれる。開始1分で右サイドを走っていたWR田松へドンピシャのパスが通りそのままエンドゾーンまで駆け抜けTD。試合を重ねるごとにQB伊勢馬場のパス成功率も上がっていった。5分にランから同点のTDを許すも、ここでまたWR大西が魅せる。今大会2本目のキックオフ・リターン・タッチダウンを取り会場を沸かせ、すぐさまリードを奪う。第2Q終盤にも得点を加え、21―7で勝利。全勝で1位を獲得した。
大会全体のMVPにはRB磯谷が選出。「自分がもらえると思っていなかったがうれしかった」と驚きの表情で話した。今年から試合に出られるようになった磯谷は西村ヘッドコーチからも「今後伸びてくるのが楽しみな選手」と期待の目を向けられている注目の選手だ。
2週間後には最終節・日大戦が控えている。日大はTOP8に所属する大学であり、厳しい試合になることが予想される。西村ヘッドコーチはこの対戦を「どこまで通じるか、挑めるかをチャレンジできる機会」と位置づけている。今日の勝利の勢いそのままに真っ向からぶつかっていけるか、チャレンジャー精神で手ごわい相手に立ち向かう。
■コメント
西村ヘッドコーチ
勝たなきゃいけないところでちゃんと勝つことによって結果を残すことができたと思う。MVPを取った磯谷と飯澤の2年生RBがすごく交代交代で入りながら機能していた。あの2人が互いに競い合いながら高めあっているので、ようやく戦えるようなレベルまできている。今後、伸びてくるのが楽しみな選手たちだね。(初出場の1年生は)西尾はスターターとしても頑張ってやっていたね。求める部分はそりゃまだまだだけどようやく東洋のスタイルに適応して成長の一端が見え始めている。ここをきっかけに伸びてきて欲しいね。(大西について)大西はエースとしての自覚もあって今日みたいなところは当たり前な結果だと思う。彼にしてみればやるべき仕事をちゃんとやれていると思うし、田松に関しても得点を量産してくれて、結果を出してくれた。順調に成長しているなと感じる。(今後に向けて)2週間後の日大戦がこの春からの戦いの集大成となる。TOPリーグの日大相手にどこまで通じるか、どこまで挑めるかというチャレンジができる機会なので、今日勝ったことをうまく生かしていきたい。
・伊勢馬場(食4=横浜栄)
(3試合を振り返って)優勝は当たり前でやっていたので、優勝できて安心した。今まで負けたことがないという歴史があったので、伝統を壊さなくて良かった。(1年生が試合に出たが)1年生に経験を積ませるためにも、自分達がいかに点差をつけて1年生が出れるようにするかということを考えて試合をしていた。今年の1年生は期待している選手が多く、戦力になると思う。早く経験を積ませたかったので試合に出れたのは良かった。(今日の反省や課題は)最初の入りがふがいなかった。いつも東洋の課題はオフェンスの入りが悪いと言われて後半に調子が上がってくるので、そこの課題が潰せていなかった。入りが悪いとずるずるいって負けてしまうことが多かったのでその課題が残ったままだった。埼大戦ではラインもレシーバーも全部上手くかみあってすごく良いリズムで、オフェンス全体で絡めて繋いでタッチダウンをとることができた。そこは大きな成長だと思うし、伸ばしていきたい。(今後に向けて)1部昇格を目指してやっている。今日のオフェンスの雰囲気が良かったので、まずは日大戦、この雰囲気でどれだけやれるかということと、自分達のプレーを壊さないでやること。そのまま勢いにのって1部にいきたいし、いくと決めている。
・磯谷(ラ2=愛知県立刈谷北)
1試合目の序盤は攻撃のリズムがなかなか作れず、チーム全体で噛み合わない部分もあり、自分がしっかりとコミュニケーションを取っていかなければいけないなと思った。個人的には、今まで周りの状況をしっかり把握することができていなかったり、焦ってしまったりすることが多かったが、今日の試合は落ち着いて周りを気にしながらプレーできたのは良かった。だだ、まだ試合中に焦ってしまって周りが見えなくなったり、スピードに乗れないことがあるので修正していきたい(MVPについて)自分がもらえるとは思ってなかったのでびっくりしたがとてもうれしかった。自分でいいのかなという感じだった。(今後に向けて)チーム練習ではコミュニケーションを意識することが大事だと思う。個人としてはウエイトトレーニングに力を入れて瞬発力を上げていきたい。
TEXT=美浪健五 PHOTO=川口朋珠、松本菜光花