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2017.06.19
準硬式野球

[準硬式野球]25年ぶり2度目の快挙達成!横国大制し全日本出場決定!

平成29年度全日本選手権出場予選会・横国大戦

6月17日(土) ダイワハウススタジアム八王子


(イニングスコア)


横国大

0

0

1

0

0

0

0

0

0

1

東洋大

2

0

1

0

0

1

0

0

X

4


(東洋大)
瀬下(営2=藤代)、割石(社3=越谷南)、木村(工2=青森)-多田龍(ラ3=高松西)


本塁打を放ち喜びを爆発させる多田龍


瀬下を中心に頼れる投手陣がゲームを作った


3安打の黒瀧は復調の兆しを見せる


 勝負が決まるとグラウンドに歓喜の声が上がった。全日本選手権(以下、全日本)がかかった横国大との大一番。3番多田龍(ラ3=高松西)、4番黒瀧(社3=朋優学院)と中心選手の活躍で先制し、投げては瀬下(営2=藤代)、割石(社3=越谷南)、木村(工2=青森)と3人のリレーで横国大打線をシャットアウト。継投策が功を奏し4-1で勝利、25年ぶりである全日本への切符をつかみ取った。

 

 全日本をかけての予選会2回戦。この試合に勝利すれば、8月に香川県で行われる全日本への出場権を手にすることができる。非常にプレッシャーがかかる場面だったが、先発マウンドを任された瀬下は落ち着いていた。早いカウントから積極的にバットを振ってくる相手横国大打線に対し、枠の四隅をめいっぱい使ってうまく打ち気を逸らす。1回をわずか7球で締めくくり、完璧な立ち上がりでチームに流れを呼び込んだ。直後の攻撃、二死から多田龍が失策で出塁すると、黒瀧が右前に弾き返す。この打球を相手右翼手が後逸し、打った黒瀧も本塁に駆け込んだ。思わぬ形で2点を先制し、東洋大のペースで試合は進んでいく。

 3回には豪快な一発が飛び出る。多田龍の第二打席、「ホームランを狙っていた」と内角やや低めの甘い球を逃さなかった。思い切りボールをすくい上げると、鋭い打球は一直線に右翼席に突き刺さる本塁打。地元香川県でのプレーを誰よりも夢見る多田龍の貴重な追加点に、チームのボルテージがさらに上がる。女房役の援護に応えたい瀬下は、「流れだけは壊さないように」と丁寧なマウンドさばきで4回1失点と力投。先発の役割を十二分に果たした。

 指揮を執る小田辺監督は早くも継投策に切り替える。5回からはエースの割石をマウンドに送り逃げ切りを図った。しかし、東都リーグ最優秀投手だけあって他大のマークは厳しく、割石の傾向はつかまれていた。代わり端に2本の安打を許し、1死一、三塁のピンチを迎える。だが割石は物怖じることなく、エースの貫録を見せつけた。抜群の制球力と緩急で相手クリーンアップを軽くあしらい、無失点で切り抜ける。その後もランナーを出しながらも要所を締め、3回を無失点。8回からは快速直球が武器の木村がマウンドに上がると、圧巻のピッチングを見せつける。残る6人の打者に対し4奪三振、一人のランナーも許さない完璧なピッチングで球場をどよめかせた。最後のバッターも二直で締め4-1でゲームセット。平成4年以来、創部2回目である全日本出場権を手にした。

 1部に昇格してちょうど1年。リーグ4位ながら運にも恵まれ、25年ぶりでの全日本出場の快挙を成し遂げた。「全日本出場を目標にやってきた」と主将の若松(法3=座間)。一つの目標を達成し、安堵の表情を浮かべた。今度は日本一をかけて全国の舞台で躍動する。東都リーグ代表の誇りを胸に、全日本でもその快進撃は止まらない。


▪コメント

・小田辺監督

正直リーグ戦4位で予選会に出られるということは棚ぼただった。せっかくチャンスを頂いて、東都(リーグの)代表として勝たないとという気持ちがあった。先週の高経大でもそうだったが負けてはいけない相手。もう少しはっきりした勝ち方をしたいなと思った。(全日本を決めて)前回出たのが平成4年、1部で優勝した時に(全日本に)出て、結果でしか知らなかった。出場する機会を獲得できたのは、いままで歴史を築き上げてきた人たちのおかげだと思う。そういった意味では、出場して終わりではなく、意地でも勝ち進んでOBたちに後輩が頑張っているなという姿を見せたい。(選手起用について)瀬下が先発というのは決まっていて、いけるところまでいこうと思った。二番手が割石、木村とどちらがいくか迷った。結果割石にいかせたが対策されていると思い早めにスイッチした。木村は力のあるピッチャー、今回はその力を存分に発揮してくれた。しかし、リーグから時間が空き、少し試合勘が鈍っていてそのあたりの甘さが出た。(全日本に向けて)勝ち進めば中大、日大など東都リーグ同士の対決が見込まれるのでリーグ戦でのリベンジができる。選手たちはやってくれるんじゃないかと期待している。


・若松主将(法3=座間)

半年間、全日本出場を目標にやってきた。練習の成果が出たので、すごく嬉しかった。不安もあったが出れてホッとしている。先週の高経大戦の前に(同じ球場で)横国大が試合をしていたので、しっかり情報を取って練習に臨めたのが勝ちにつながったと思う。そんなに打撃の調子が良いわけではないが、相手投手の球種を絞っていって追い込まれるまで(ヤマを)張って狙っていけた。しっかり対策を練って試合に入れたと思う。一番いい形はヒットで点を返すこと。しっかり打つべき人間が打ててたので良かったと思う。投手にはいつも助けられてるので、期待通り投げていたので感謝している。全日本が掛かった試合ということなので気合いが入っていたと思う。今まではメンバー絞って練習してきたが、チームで競って底力を高めたい。チームは未完成だとは思うので、8月までに完成させて全日本で勝ってみせる。


・山越(社3=横浜隼人)

ピッチャーが頑張って投げて、バッター陣が要所をしっかり打てたので、勝てたと思う。守備のミスも少なかった。多田は、誰よりも勝ちたいという思いが強かったと思うので、今日の結果につながったと思う。黒瀧は、最近あまり結果を残せていなかったので、やっと4番としての役割を果たしてくれた。今日は3年生が特に頑張ってくれました。二ヶ月後の全日本では、強敵ばかりだが優勝できるよう頑張る。全国制覇を狙っていく。


・黒瀧(社3=朋優学院)

(今日の試合を振り返って)久しぶりに活躍できたのでよかったかなと思う。まさか1周まわると思っていなかったが、点がとれてよかった。今まで全然結果が出ていなかったなかで今日3本打てたことはチームに貢献できたと思う。(課題は)チャンスで1本が打てなかった。やはり4番である以上チャンスで打てないといけないと思うのでしっかり練習したい。(全日本出場が決まったが)楽しくみんな笑顔で東洋大らしい野球が出来れば結果がついてくる思うので頑張りたいと思う。


・多田(ラ3=高松西)

(全日本が決まって)嬉しい。全日本に出るだけがゴールではないので、全日本で1つでも多く勝てるようにもう1回やっていきたい。(自身のホームランは)1番が盗塁アウトで2番がピッチャーゴロで凡退していたので、流れが悪い中でなんとか流れを変えようと思っていた。ホームランも狙っていたので最高の結果になってよかった。(この1週間の練習は)今まで通りの練習をしていた。勝ったら全日本というのもあるが、あまり意識しすぎずにいつも通りの練習でいつも通りのプレーができるように平常心で練習していた。(キャッチャーとして意識していることは)基本的にピッチャーを信じてリードしているのでピッチャーに首を振られたらピッチャーを信じて、お互いの信頼関係を大事にしてやっている。(全日本に向けて)全日本では相手のレベルも高くなっていくので今回はピッチャーに助けてもらった試合だったが、今度は野手が打って勝てるような試合をしたいと思う。全日本で活躍する気持ちも僕が1番強いと思う。全日本でも僕が打つ。


・瀬下(営2=藤代)

(今日の試合を振り返って)正直調子はよくなかったがいい感じに最初に点が入ったので流れだけを壊さないようにストライクを入れようと意識して投げた。立ち上がりは相手の力量が分からなかったので、うまくボールを泳がせながらスイングを見ていた。結構振ってくるなと思ったのでうまくコーナーなど使った。(課題は)久しぶりに投げたのであまり気にはしていないが、試合中修正できなかった点。(今日の自分をほめるとしたら)結果的に取られたのは1点だったので、あまり調子が良くない状態でもいい感じに試合がつくれたのではないか。(全日本出場が決まったが)相手が強くなると思うので今まで通りの野球では通用しない。そこを考えながら粘っこくいきたい。


TEXT=大谷達也 PHOTO=前田ななえ、望月優希、梶川綾音