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第101回日本陸上競技選手権大会
兼 第16回世界陸上選手権大会(2017/ロンドン)代表選手選考競技会
6月23~25日(金~日) ヤンマースタジアム長居
▼1日目
男子100m 予選
5組(風:+0.2)
1着 桐生 10"15 ※準決勝進出
6組(風:+0.0)
7着 大橋尚 10"84
男子100m 準決勝
1組(風:-0.2)
2着 桐生 10"14※決勝進出
男子800m 予選
1組
6着 眞柄 1'50"10
3組
7着 増田 1'50"41
決勝での走りに期待がかかる桐生
眞柄はスタートから飛び出し積極的な走りを見せた
増田は今回の経験を生かし自己ベスト更新を目指す
8月の世界陸上競技選手権大会(以下、世界陸上)の選考レースである日本選手権大会が開幕。注目の男子100mに出場した桐生(法4=洛南)は準決勝で4位のタイムで2日目の決勝へ駒を進めた。また、男子800mに出場した眞柄(済4=三条)と増田(ラ3=北陸)は決勝進出はかなわなかったが、先頭に食らい付く積極的なレースを展開した。
桐生はスタートから一人飛び出し、他を寄せ付けない走りで難なく予選を通過。迎えた準決勝では昨年の100m覇者のケンブリッジ(Nike)との対決になった。「3、4歩目くらいで躓いてすぐ起き上がってしまった」と振り返るも、上半身が上がったときには横一直線の中から抜け出していた。しかし、スピードに乗ってきたケンブリッジに終盤で離され2着でゴール。「1着でゴールしたかった」と悔しさを感じつつも、「(決勝では)しっかりいきたい」と闘志を燃やしている。調子も上がってきており、更に高まる会場の雰囲気を力に決勝に挑む。
一方、男子800mに出場した眞柄と増田。1組目の眞柄はスタートから飛ばしていき、3番手で400mを通過した。ラスト1周の鐘が鳴り響くと後続の選手が猛追。それでも粘りの走りで必死に前を追い、6着でフィニッシュ。また、増田が挑んだ組には800mの日本記録保持者の川元(スズキ浜松AC)が出走。川元がハイスピードでレースを引っ張る中、増田も焦らずこれに食らい付いていく。5番手で走り、6番手以下と差をつけていたがラスト200mから追い上げてきた選手にかわされてしまい7着に。夏では「ラスト200mを走れる体力とスピード」の向上を掲げ、今レースの経験を生かし自己ベスト更新を図っていく。両選手とも決勝進出や自己ベストの更新はならなかったが、ハイレベルなレースでもしっかり勝負に出る積極性を見せた。
1日目から各種目熱戦を繰り広げられた。サニブラウン(東京陸協)が予選で世界陸上の100mの参加標準記録を突破し、激戦となる2日目の100m決勝。日本代表の座は3枠。予選と準決勝で10秒06を叩き出し「2本出したのは強い」と桐生を唸らせたサニブラウン、先日の個人選手権大会で追い風参考ながらも9秒台を出した多田(関西学大)そして、前回覇者のケンブリッジが準決勝のタイムではトップ3だ。また、けが明けながらも決勝進出を果たし、世界大会に数多く出場している実力者の山県(セイコー)も忘れてはいけない。5名の世界陸上の標準記録突破者がそろい、9秒台の期待が高まる一戦。桐生は昨年の雪辱を果たし、代表内定を狙う。
▪️コメント
・桐生(法4=洛南)
(準決勝では)本当は1着でゴールしたかったが決勝があるので。(調子は)だんだん上がってきている。準決勝はスタートが少しふらついてしまった。そこを踏まえての(10秒)14だったのでいいかなと。(予選では10秒0台が出て自分もというのは)全然なかった。ここは勝負する場所なので記録会とは違う。記録会だったら予選からいった。(観客や大会の雰囲気は)金曜日の夜からこんなにたくさん来られていて、決勝はもっと来られると思うし、盛り上がりがもっと増えると思う。それに飲まれないように自分の力にプラスにしていきたい。(同じくらいの力の選手と走れることは)楽しい。(サニブラウン選手が10秒06を2本出したが)2本出したことは強い。すごい。(決勝では)しっかりいきたい。(予選、準決勝は)準決勝で躓いたがうまいこと最後までいけたかなと思う。3、4歩目くらいで躓いてすぐ起き上がってしまった。
・増田(ラ3=北陸)
川元さんと一緒に走れるということだったので自己ベストは狙っていた。最初から川元さんが飛び出したのを見て、自分も焦らず少し離されてしまったが付いていったが残り200mで全く切り替えることができなかった。(初めての日本選手権だったが)やはり記録会や関東インカレよりも更に上のレベルの人たちがいるので、その中に紛れてもやっぱり勝たなければいけないと思った。(夏に強化したいところは)ラスト200mを走れる体力とスピードをもう一段階、二段階上げて記録を出していきたい。(今後は)日本選手権は駄目だったがそれを引きづらずに切り替えて、次は全日本インカレなので地元でもあるので負けられない。
TEXT=福山知晃 PHOTO=小野由佳莉