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第101回日本陸上競技選手権大会
兼 第16回世界陸上選手権大会(2017/ロンドン)代表選手選考競技会
6月23~25日(金~日) ヤンマースタジアム長居
▼2日目
男子100m 決勝
(風:+0.6)
4位 桐生 10"26
4位でフィニッシュし、悔しい結果となった桐生
2万人の観客が集う中行われた日本選手権大会2日目。この日の最終種目であった男子100m決勝に(法4=洛南)が出走。優勝が期待されたが、まさかの4位でフィニッシュ。同時に同種目における世界陸上競技選手権大会(以下、世界陸上)の出場権を失ってしまうという、悔しい結果となった。
あいにくの雨の中行われた男子100m決勝。東洋大の絶対的エース桐生や予選、準決勝ともに10秒06という好タイムを叩き出したサニブラウン(東京陸協)、さらに今最も勢いに乗る多田(関西学大)という強豪が集結した。会場のボルテージは最高潮に達するとともに、異様な緊張感が漂う。そんな中「1位を狙って、それ以外はあまり考えなかった」と桐生は闘志を燃やし、勢い良く飛び出していった。まずリードを奪ったのは、スタートを得意とする多田。そこにサニブラウン、桐生、ケンブリッジ(Nike)が食らい付く。桐生は、持ち前の伸びを生かすも、前を走る2人との差は縮まらない。さらには、ケンブリッジの猛烈な追い上げにかわされてしまい、そのまま4位でフィニッシュ。3位以内に入り、世界陸上の代表を狙っていただけに、苦い結果となった。しかし「全日本インカレでしっかりタイムを残していきたい」とすでに前を見つめている。今大会の悔しさがさらなる飛躍につながるに違いない。
日本選手権も残すところあと1日。最終日には小室(済2=仙台育英)が3000m障害にエントリーしている。昨年に引き続き入賞を目指す。
◼️コメント
・桐生(法4=洛南)
レースをすぐに振り返ることはできないが、4位で世界陸上の代表権を失ったので、しっかりとまた大きい舞台に立って勝負できるようにしたい。連戦となったので、ここから少し休憩をして、また練習をしていきたい。世界陸上が終わってからの、全日本インカレでしっかりタイムを残していきたい。(レース中左隣の多田が前に出ていたが)多田くんがスタートが速いというのは知っていたので、前にくるだろうという前提はしていた。そこで最後抜けなかったというのは自分の力不足だった。(代表を落としたことは)自分でもビックリしている。これから上位3人の注目度が高まっていくと思うが、そこに戻っていけるように山県(セイコー)さんと共に頑張っていきたい。その中でどれだけ自分自身を持って次にまた挑めるかどうかが正念場だと思う。日本選手権でしっかり3番以内に入ってそこから世界陸上までの期間で練習していくという、先のことばかりを考えすぎていた。だがダイアモンドリーグなどで走ることができ、いい経験ができた。(スタートに)立ったときは1位を狙って、それ以外はあまり考えなかった。連戦だったが、そんな言い訳を言う大会ではない。日本選手権は記録会ではないので。けがをしてない中で代表権を失ったというのが今回の結果。
TEXT=小野由佳莉 PHOTO=福山知晃