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12季ぶり17度目の栄光に歓喜の輪が広がった春季リーグ。開幕2連敗後「入替戦も覚悟」とささやかれたチームは諦め知らず。劇的な8連勝で戦国の頂点に登りつめた戦士たちの歩んだ軌跡をお届けする。
第1日目は高橋昭雄監督。17度目の東都王者に導いた名将がこの春を振り返る。(取材日=7月2日、聞き手=美馬蒔葉)
――わずか1部復帰1年半での優勝ですね
去年の2シーズンも惜しかった。あの悔しさがあったから選手もよく頑張ったと思いますよ。
――たくさんの選手が結果を残しました
去年と比べて経験者が少ない中、野手も若い選手が出てきた。小川(法1=霞ヶ浦)の活躍が光ったね。打率はそこまでだけどいいところで打ってくれたからチームが助かりましたよ。佐藤(法2=聖光学院)も首位打者を取ったし、今まで出場し続けてきた中川(法3=PL学園)が打率3割超えて成長した。村上(総1=智弁学園)も2勝してくれたからよかったね。
――エースの飯田選手(営4=常総学院)は三冠です
やっぱり飯田の頑張りがあってみんながついていった。優勝の要因は飯田に尽きるね。黙々と練習して姿で見せる。野手のノックに交じって練習していることもあるからね。それだからみんな認めていますよ。初戦の中大戦は負けたけど、飯田が点取られているのは1点だからそんな悪かった負けではないからね。
――8連勝のターニングポイントは
亜細亜に勝ったのが一番だね。なんといっても古田(法4=天理)の3ランで生き返ったし、彼もあれで自信になった。打率も4割5分、大したものです。古田はおっちょこちょいなんだよね。去年も笹川(H28年度営卒=現東京ガス)、安西(H28年度営卒=現JR東日本東北)がいて外野2つ埋まっていたからね。あと一枠になかなか食い込めなかった。高校2年から甲子園出ていた経験があるから入学したときから才能は認めていたんだよ。やっと花咲いたね、あの一本で全てが変わった。パンチ力もあって筋肉あるししっかりしているからね。
――全日本選手権は悔しいものになりました
リーグ戦が終わって10日以上空いてしまったからうまくいかなかった。負けることは勝ちへの経験ですから。6年ぶりに出場すると焦りますよ。選手も経験がないから難しかったね。