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2017.08.23
準硬式野球

[準硬式野球]全日本出場も初戦敗退 秋季リーグへ「悔しさをバネに」

第69回全日本大学準硬式野球選手権大会

8月22日(火) 志度球場


●東洋大5―9中京大


(イニングスコア)



東洋大

0

0

0

0

2

0

3

0

0

5


中京大

2

0

1

0

0

3

0

3

X

9

(東洋大)


割石(社3=越谷南)、木村(工2=青森)、瀬下(営2=藤代)-多田(ラ3=高松西)


黒瀧は3安打と4番の役割を果たした

「ベンチはすごく活気があった」と山越は語る

 自身のレベルアップを誓う割石

若原の本塁打で攻撃の流れができた

3年生の連打で2点を追加


中京大との全日本大学準硬式野球選手権大会(以下、全日本)1回戦は惜敗。全国大会の常連校である相手打線に圧倒され、先制点を許してしまう。5回、7回に一点差に詰め寄るが、反撃の手も一歩及ばず。25年ぶりの全日本選手権は悔しい初戦敗退となった。

終始あと1点を追いかける試合だった。
3点ビハインドで迎えた5回。印南(文2=浦和学院)が四球で出塁すると、続く若原(社2=九州学院)が中前に打ち返す。一死1、2塁の場面で黒瀧(社3=朋優学院)に打順が回る。若原の盗塁で2、3塁とし、好機をつくり出すと、すかさず黒瀧が左前に弾き返し2点を返した。


ふたたび試合が動いたのは7回。6回に3点差に引き離され、得点が欲しい場面で野手陣が躍動する。
若原が「打った瞬間にいったと思った」とソロ本塁打で一点追加。続く多田龍の右前打と、黒瀧の三塁線への連打で再び好機が訪れた。二死1、2塁、若松(法3=座間)が初球を振り抜くと打球は右中間へ。3年生の3人の連打でさらに2点を返した。小田辺監督も「リーグ戦の時のいいパターンが出せた」と語る。しかし反撃はここまで。先制点を奪われてから1点差まで迫ったものの、その一点を返すことはできなかった。5-9で敗戦し、25年ぶりの全日本は初戦で去ることとなった。

「悔しいで終わらせたくない試合だった」と若松は今回の結果を振り返る。しかし、「全国大会といういい経験ができた」と山越が語るように、これまでこなしてきた練習と全日本で積んだ経験はこれからも生かされるだろう。
若松が「この悔しさをバネにリーグ戦優勝を目指す」と語るように次の目標はもう明確だ。そのためにも「まず自分自身のレベルアップが必要」と割石。9月から始まるリーグ戦に向けて、選手一人一人はさらなるレベルアップを目指す。


■コメント

・小田辺監督
一点差まで迫って、見せ場はつくることができたがやはり全国で勝ち抜くにはミスしたら勝てないなということを改めて学ばせてもらいました。(中京大は)全国大会の常連。途中までは互角に戦えていたと思うがミスが得点につながっていると全国では勝てない。(木村は)真っ直ぐに力、スピードがある。木村の課題は長いイニングを投げるようになること。ピッチャーも1年生の渡邉をベンチに入れて、全国を経験してもらっている。2年生の山本を始めとしたピッチャーも期待できるのでそこはこれから底上げできればと思っている。(7回の攻撃の流れは)若原のホームランで勢いがついた。その後多田、黒瀧が連打で若松が打ってつなぐ得点ができた。そこは東洋大のリーグ戦のときのいいパターンが出せた。(多田龍の全日本への意欲は)それはもう予選会の時から感じていた。「絶対高松に行く」と彼が引っ張ってくれていた。ご家族の方も応援に来てくれて、ヒットも打ってくれたで、彼なりに故郷へ錦を飾ることができたのではないかと思う。欲を言えばご両親に勝ち試合を見せてあげたかった。(秋季リーグに向けて)ここで負けたからといって落ち込んでいる暇はなく、すぐに東海大学のと試合が控えている。今回の負けた試合を次にどう生かすかというところでもミーティングで話をした。個人がレベルアップすることによって全体の底上げができると思っているので、そこは限られた練習環境で自分たちがどう練習するかということを考えて改善していこうという話をした。そこを彼らなりに考えてやってくれると思う。

・若松主将(法3=座間)
 悔しいで終わらせたくない試合だった。終始1点差を追いかける展開で、最後ミスで点が入って負けてしまった。全日本常連の中京大と久々に出た東洋大の差でミスが出てしまったんだと思う。初回の自分のミスで雰囲気が悪くなってしまい、1点返したが終始1点差を追いかけていたので、そのミスがなければ投手や他の打者に余裕を持たせられたと思う。野手は11本も安打を打って、投手陣も今日は調子が良くなかったが、その中で頑張ってくれていたと思う。練習試合でもチャンスで一打が出てなかったので、今回こんなに点数が取れたのは正直びっくり。うれしい誤算でした。ウチは投手陣がしっかり抑えて、最小失点で勝つのが強みなので点数がこれだけ取れたのは秋につながると思う。1人1人が悔しいっていう気持ちがあるので、プラスに捉えて練習を厳しくして秋のリーグ戦にいい成果を残せれれば、収穫になると思う。この悔しさをバネに、(リーグ)優勝を目指して頑張っていきたいです。

・山越(社3=横浜隼人)
(試合を振り返って)常に追う展開の中で、なかなかリードができなかったです。でも、ベンチはすごく活気があって、声も出ていたのでよかったとは思います。内容としては、途中までは良かったんですけど、最後に経験の差がでましたね。全国大会だからといって気負ってる選手はいないと思うんですけど、無意識のうちに緊張がプレーに出てしまっていたかなと。全国大会トーナメントなので、連戦となることを考えて今日は割石と木村でいこうと思っていました。(8回から瀬下が登板したが)1点差まで点差を縮めていたので、攻撃で点を取ろうと思い、木村に代打をだしました。(秋季リーグに向けて)全国大会といういい経験ができたので、今日の反省をしっかりと活かせるように、練習していきます。

・割石(社3=越谷南)
全部自分の責任。相手も積極的に振ってきて審判もあまり際どい所を取ってくれなかったのでどんどん悪い方向へ行ってしまった。自分が思っているストライクゾーンに投げたはずが、ボールになってしまう。その修正能力がなかった。あとバッターをよく観察できていなかったことが敗因。(秋リーグに向け)まず自分自身のレベルアップが必要。今回のようなトーナメントではなくリーグ戦なので、しっかりと切り替えて反省を生かしていきたい。より高いレベルでまた最多勝を取りたい。

・若原(社2=九州学院)
(今日の試合を振り返って) 相手が強いチームということで、点を取られることを予想していたが、自分たちも思っている以上に打って点が取れたので、負けてしまったが僕としては結構いい試合が出来たと思う。(本塁打を放ったが) 打った瞬間にいったと思った。(課題は) エラーが多く出てしまい、相手に流れを渡してしまった。取ることのできるアウトをきちんと取ること。また、投手の調子がよくないなかで頑張ってくれていたので、チャンスのバッティングなど、もう少し点を取れたのではないかと思う。全体的に相手が上だと感じた。(良かった点は) 今までは投手がロースコアで抑え、何回かのチャンスで1本が出てという感じで低い点数での勝ちパターンだった。今日は比較的打った方であり点数が離れても皆諦めずにやっていたとこ。(秋季リーグに向けて) 他のチームは4年生が抜けて戦力的に落ちたりするがうちはそれがない。そこをプラスに捉えて上の順位を目指してまたこのような舞台に戻ってこれるようにしっかり頑張っていきたいと思う。


TEXT=望月優希 PHOTO=大谷達也、望月優希、鶴田華穂