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第31回関東大学女子サッカーリーグ戦 1部リーグ 第1節
9月3日(日) 東洋大学板倉キャンパスグラウンド
東洋大2ー0大東大
<出場メンバー>
▽GK
垣内愛菜(食3=大商学園)
▽DF
井口遥菜(食4=神村学園)
久保真理子(食1=浦和LY)
常田菜那(食1=大商学園)
山幡あや(食2= 常盤木学園)
MF
松井彩乃(食3= 聖和学園)
楠春佳(食3=千葉U-18) →90分+2分 時田富由美(食1=常葉木学園)
大島彩香(食2=久喜)
常田麻友(食1=大商学園)
▽FW
田嶋みのり(食4=飛鳥)
大内梨央(食1=常葉学園橘) →85分 前田優乃 (食4=前橋育英)
細かいタッチで相手をいなす田嶋
大内は早い時間に先制のゴールを奪った
90分間集中した守りを見せた井口主将
大東大をホームに迎え、第31回関東大学女子サッカーリーグが開幕した。13分、大内(食1=常葉学園橘)のゴールで幸先よく先制すると、79分には田嶋(食4=飛鳥)の追加点が決まり勝負あり。攻守がうまく噛み合った東洋大は開幕戦を2-0の勝利で飾った。
前半、GK垣内(食3=大商学園)を含めディフェンスラインから攻撃を組み立てていく東洋大は、左サイドから好機をうかがう。すると13分、センターライン付近でボールを受けた大島(食2=久喜)がディフェンスラインの裏へフィード。これに反応した大内が並走する相手DFに競り勝ち、最後は落ち着いてGKをかわし、放ったシュートは無人のゴールへ。ワンチャンスをものにした大内が早い時間に得点を奪い、チームに勢いを与えた。理想的な形から生まれたこのゴールには戸田監督も「分析どおり」と一定の評価。得点を振り返った大内は「自分が得点すればチームも勝てる」とまさに気持ちの強さを象徴するゴールだった。リードを奪ってからも東洋大の攻勢は変わらない。田嶋、大島が立て続けに左サイドから内に切れ込みシュートを狙うも、これらはGKに防がれてしまう。
終始ボールを支配していたものの、なかなか2点目が奪えないまま迎えた後半、「相手がシステムを変えてきて戸惑う部分もあった」と戸田監督が振り返ったように大東大に押し込まれる形が続いた。55分には細かいパスで左サイドを突破され、シュートを打たれるもこれはポストに救われる。その後もロングボールで打開を図る大東大に対し、井口主将(食4=神村学園)と久保(食1=浦和LY)を中心とした守備陣が体を張った守りを見せ、ピンチの芽を摘み取る。次第に中盤での主導権を取り戻し始めた東洋大は、前半とは逆の右サイドからチャンスをつくる。79分、常田(菜)(食1=大商学園)が右サイドでためを作ると、その外を回った常田(麻)(食1=大商学園)にスルーパス。これをダイレクトで折り返した先に待っていた田嶋がシュート。1度はDFに阻まれるも、こぼれ球を自ら押し込み貴重な追加点を奪った。開幕戦で得点を挙げたことに対して田嶋は「1試合1得点を目標にしているので達成できて良かった」とホッとした表情を浮かべた。
攻守ともに連動性が見えたこの試合。井口主将は「チーム力で勝てた試合」と全員の健闘を称えつつも「もっと得点を決められるシーンもあった」と先に控える戦いに向けしっかりと反省点も口にした。まずはインカレの出場権をつかむため、過密な日程ではあるものの勝ち点3を積み重ねて、さらにチームを勢いづかせる。
■コメント
・戸田監督
自分たちのサッカーのスタイルを少し壊してでも選手たちがピッチで表現してくれたものが結果的に勝利に繋がったかなと思う。1点目なんて特に分析通りに背後を突けて狙い通りだった。(前線からのプレス意識は)うちの強みは90分間最後まで走りきれるところ。そのよさを上手く出しつつ、相手に考える時間を与えなかったというところは評価できる。(田嶋、大内と取るべき選手が得点を挙げたが)やっぱりチームの中心選手が点を取ったりとかすると勢いに乗れるので、開幕戦としては最高の結果だった。(ゼロで抑えた守備陣の奮闘は)相手が後半にシステムを変えてきて戸惑う部分もあったけれど、関東リーグなどで厳しい試合をこなしている分、選手たちが最後にゴールを割らせなければいいという姿勢でやれたことが2点目にも繋がったと思う。(次節へ向けて)ベースは見ている人たちがワクワクするようなサッカーを目指しているので、そこは追求しつつ勝ち点3をしっかり取ってインカレの出場権をつかめるようにしたい。
・井口主将(食4=神村学園)
無失点で終われたのはチームとして大きいと思うが、何回も危ないシーンがあったし、逆にもっと得点を決めれるシーンもあったので、今日だから勝てたという部分は大きい。これからもっと厳しい試合が続くので、もっと決め切れるように。1-0や2-0で勝てるチームが強いチームだと思う。それも含めて一人一人の個が強くなったらチーム力も上がると思う。(相手攻撃陣への対策は)チームでも分析をして相手がどうやってくるかという分析は密にしていた。その分メンバー以外も大東大を想定した動きをやってくれた。チーム力で勝てた勝利だと思う。(開幕戦のムードや雰囲気は)開幕戦という点は大きい。入りがよくなければ、このリーグ戦は短期間なので、流れもよくなくなってしまう。後輩の3年生がモチベーションビデオをつくってくれたり1、2年生がコルクボードをつくってくれたり、そういう風に全員で戦うぞという雰囲気をつくってくれた。(次戦へ向けて)疲労もあると思うが、相手も同じ状況なので、自分たちがどれだけ自分たちのサッカーを信じて戦えるかが大きい。自分自身や仲間を信じて戦っていきたい。
・田嶋(食4=飛鳥)
(ゴールシーンを振り返って)いつも8番の(常田)麻友からはいいボールがあがってくる。ボテボテなシュートで練習通りではないですけど、入ってくれて良かった。(開幕節で点が取れたことは大きいのでは)そうですね。1試合1得点というのを目標にしているので、達成できて良かった。(ゼロで抑えてくれた守備陣について)守備陣がすごく頑張ってくれたので、前の選手は点を取ることだけを考えてプレーができた。(次節へ向けて)関東リーグですでに戦っている相手なので、やってくることはわかっている。そこはしっかりみんなで確認して勝ち点3取れるように頑張りたい。
・大内(食1=常葉学園橘)
早い段階で1点気持ちいいシュート決めれたので、いきいきとプレーできた。(初の大学リーグ戦出場は)大学リーグを1ヶ月前から宣伝していて、それほど大事なものというのはわかっていた。そこで自分が得点すれば、チームも勝てると思うので、そういう思いで戦えた。(課題は)1-0で苦しい時間帯があって、そこでタジさん(田嶋)が2点目を決めてくれたが、もっと早い段階で自分が追加点を決めることができる場面もあった。そこを取れればチームももっと楽にプレーできたと思う。(次戦へ向けて)次の試合も自分が得点して勝利に導きたい。
[次節試合予定]
第31回関東大学女子サッカーリーグ戦 1部リーグ
第2節 9月6日(水) 対武蔵丘短大 武蔵丘短期大学グラウンドにて 15:00キックオフ
TEXT=美浪健五 PHOTO=藤井圭