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第42回全国学生相撲個人体重別選手権大会
9月3日(日) 靖国神社相撲場
65㌔未満級
第3位
池田
115㌔未満級
ベスト8
川井
135㌔未満級
準優勝
寺沢
135㌔以上級
ベスト8
重松
無差別級
優勝
西野
第3位
城山
深井
無差別級を制覇した西野
寺沢は圧倒的な力を見せ、決勝戦まで登りつめた
マネージャーながらも3位入賞を果たした池田
快晴の空の下、第42回全国学生相撲体重別選手権大会が開催された。東洋大からは10名の選手が出場。西野(法3=金沢市工)が無差別級を初制覇するなど、3階級で5人が入賞し、日頃の稽古の成果を目に見える形で発揮した。
西野は初戦から順調に白星を重ね、準決勝へと駒を進める。相手は後輩の城山(法2=金沢市工)だ。城山は1回戦で先月行われた東日本学生相撲個人体重別選手権大会・無差別級の優勝者である木崎(日大)を押し出しで下し、勢いがあった。日々同じ道場で切磋琢磨し、互いの弱点も把握している。互いに立ち会いから一歩も引かず組み合うも、西野は冷静だった。城山の背部を攻め、突き落としで勝負あり。上級生としての威厳を見せた。タイトル獲得まであと、一勝。決勝戦は強豪日大・榎波。「ただ、勝ちたかった」。余計な邪念は捨て、ひたすら相手を負かすことだけを考えた。立ち会い直後から隙を与えることなく、相手の出方を冷静に判断。突き落としで勝負を決め、念願の無差別級初制覇。表情には出ずとも心の中でガッツポーズ。試合後、「欲しかったタイトルがやっと手に入った」と振り返った西野の顔は達成感に満ち溢れていた。
135㌔未満級に出場した寺沢(法4=金沢市工)は、圧倒的な力を見せて決勝戦まで登りつめる。去年、同階級で第3位だった寺沢は人一倍優勝への思いが強かった。決勝戦の相手は早大・橋本。東日本大会の決勝戦の再現となった。立ち会いから激しくぶつかると、互いに前へ前へと気持ちが前面に出た取り組みに。寺沢が土俵に詰められると、両者がほぼ同時に土俵外に倒れ込んだ。判定は下手投げを受け黒星。審判団から異議申し立てがあるも、判定は覆らず。惜しくも優勝を逃した。「この悔しさはインカレで晴らす」と誓った寺沢は、また一回り大きく成長するに違いない。
日頃、選手の食事などの生活面を支えるマネージャーの池田(法3=東洋大牛久)もこの日は選手として出場。初戦をはたき込みで勝利し、続く2回戦。相手は東日本大会で惜しくも敗れた相手である千葉大・髙木。「際でしっかりと残れた」と池田が振り返るように、土俵際まで一時は詰められるも、体制を持ち直し、引き落として勝負あり。準決勝で敗退するも、「3位で十分です」と自身の結果に大満足。勝つ喜びを改めて実感した大会となった。
個人で多くの結果を残した今大会。チームの最終目標であるインカレ団体戦2連覇へ向け、この勝利が大きな自信となったに違いない。残された時間はあと2ヶ月。全員で優勝への道を突き進んでいく。
■コメント
・寺沢(法4=金沢市工)
(今大会は)体はすごく動いていたので良かった。(東日本でも対戦した橋本(早大)との対戦だったが)少し意識したのはあった。少し固くなってしまった。この悔しさは11月のインカレで晴らす。(来月のリーグ戦は)昨年敢闘賞を取っているので今年も取れたら良い。
・西野(法3=金沢市工)
決勝は、ただ勝ちたかった。欲しかったタイトルがやっと手に入ったので良かったです。(優勝した後笑顔が見れなかったが)周りが優勝は当たり前みたいな感じでいるので、土俵の上では喜べなかなったです。心の中でガッツポーズをしてました。(準決勝が城山選手だったが)後輩で、何回も練習してるので、やりにくかったです。自分がまわしをとると力を入れるっていうのがわかっているので、ずっと取らせないようにしてきて苦しかったです。
・池田(法3=東洋大牛久)
今日を振り返って嬉しい。普段はマネージャーでこういう時しかかつ喜びを知れないので、3位で十分です。印象に残った試合は高木(千葉大)のと試合。際でしっかり残れた。組み合わせの運もあって、今回は行けるかなと思ってはいたが、本当に行けるとは思わなかった。この先はマネージャーとして裏から支えることになるが、インカレ二連覇かかっているのでしっかり支えて日本一に少しでも貢献できたらいいなと思う。
・城山(法2=金沢市工)
長い休み明けで一発目の試合だったので、シーズン後半の調子を占う試合かなと思っていた。1回戦が日大の木崎(伸)で、結構意識してて、今年に入って何回か対戦していて、負け越していた。相手に城山なら勝てるなと思われたくなかったのでここら辺でもう一度勝って、自分も自信持って、相手にも得意意識を抱かせないという意味で、1回戦は意識していた。自分の相撲が取れたと思う。シーズン後半を占ってみて、結果としては3位で、タイトルが欲しかったが、負けた相手も西野先輩で、全体的にも攻める相撲が取れていたので、悪くはないと思う。初戦所作の丁寧さは、今日の課題として集中力を上げていた。所作一つ一つ丁寧にやって、自分の相撲に集中することを意識した。敗者復活から3位という結果は、東日本で負けたのも木崎で、それこそリベンジのチャンスだった。そういう意味でも意識した試合になった。準決勝を振り返って今年、1回選抜大会で対戦していて、その時は何も出来ずに負けてしまったが、今日は自分の相撲を取ることができて、あと1歩のところが課題かなと思う。シーズン後半の意気込みは、このあと国体インカレ全日本と大きな大会が続くので、今日開幕戦としての調子は悪くなかったと思うので、ここから上げていきたい。
TEXT=永田育美 PHOTO=伊藤梨妃、吉川実里