スポトウ｜東洋大学スポーツ新聞編集部

平成29年度東都大学野球１部秋季リーグ戦

９月６日（水）神宮球場

○東洋大５-４日大

（イニングスコア）

（東洋大）

片山翔、甲斐野（１勝）―西川

・打撃成績

・投球成績

先制の本塁打を浴びる片山翔

２打点をあげる大活躍の飯塚

飯塚の活躍に喜ぶ東洋大ベンチ

 前日の敗戦を受け、勝ち点を取るために勝利が必至なチームは片山翔(法4=大社)が先発。しかし、初回から四球で出塁を許し、3回にも先頭打者を四球で出すと監督は迷わず速球派右腕の甲斐野(営3=東洋大姫路)にスイッチ。初球から１５０㌔をマークし闘志こもった投球で流れを掴む。一度は追いつかれたものの、昨日リーグ戦初出場を果たした飯塚(営2=藤代)の一振りで勝ち越し。勝負の行方は第３戦までもつれることとなった。

 「失うものは何もない」。秋季リーグから参戦した新戦力の飯塚は自分の立場をこう表した。２点を追う４回に西川(営4=浦和学院)の犠飛と相手の失策の間に得点を挙げ、振り出しに戻した直後に打席に立つ。「自分にあるのは振り抜く勇気」と語る飯塚は、自分の持ち味を存分に発揮。直球を逆方向へ打ち返し、勝ち越しの適時打を放った。この安打が入学後初安打初適時打と初物づくしに。「初めてのヒットがタイムリーになってくれたのは運だが達成感がある」とはにかんだ。
 8回に2点を取られ同点とされた裏の攻撃で、西川が安打と盗塁で二塁に進み、再び得点圏に走者を置き、チャンスが飯塚。「二塁にランナーがいったからコンパクトに打つことを心がけた」と、甘く入った変化球を逃さず振り抜き、迷うことなく三塁へと向かった。
再三の適時打に「甲斐野さんが好投を続けていたから絶対打つという気持ちで打席に入った。狙い球を絞れるレベルではないから、がむしゃらに食らいつくだけ」とまだ満足しない。
 高校時代の先輩が入学した縁で東洋大のユニフォームに袖を通した。夏のオープン戦の出場はゼロで、紅白戦で大活躍がきっかけで高橋監督が「思い切って起用してみよう」と大抜擢。指揮官の期待に応えてみせた。「自らの売りはフレッシュさ」とアピールする伏兵は連覇の鍵になること間違えなし。「明日も一戦必勝で戦い抜く」ラッキーボーイの目はもう次を見据えている。

■コメント

・高橋監督
甲斐野がよかったね。これから先発の予定あるんじゃないかな。飯塚が打ってくれたね。何日か前にコーチが勧めてくれてね。思い切って起用してみようと。これでポジション取ったんじゃないの。
明日は総力戦だね。野手も投手も全員で戦うよ。

・飯田主将（営４＝常総学院）
飯塚がラッキーボーイ的な存在になった。野手と投手がいい形で試合を作れた。甲斐野には一人ひとりに丁寧に投げられれば、と伝えていた。能力が高いから必ず抑えてくれると思っていた。明日は気持ちが相手より上回れば勝てる。自分でしっかりとゲームを作りたい。

・宝楽（営４＝PL学園）

今日は序盤に打てなくてズルズルいってあのような展開になってしまった。もっと序盤から打てていたらよかったと思う。（今日も２安打だったが）２本目はラッキーヒット。たたくと言われている。（センターの守備は）深くなりすぎたかなと思う。もっととってあげられる球があったので、とってあげたかった。明日も勝って、勝ち点を取れるようにしたい。

・中川(法3=PL学園)
先制されたり、同点に追いつかれたりもしたが、結果的に勝ちきることが出来たのでよかった。(自身のプレーについては)バッティングはもう全然ダメ。守備で助けるしかなかったので、助けようって思っていました。(同学年の甲斐野選手が初白星だが)彼はもともとそういう力があるので、やっと自分らしいピッチングをしてくれたかなと思います。

・田中将也(営4=帝京)
今日の試合は、自分が打っていれば楽に勝てた試合だった。明日は自分にかかっていると思う。
(宝楽が出塁した後の打席では)自分の後に中川が控えているので、1アウト１、2塁というよりはノーアウト1、2塁で繋いで、少しでも点を近づけたいと思った。昨日の試合の反省から、今日はボールをよく見ようと思った。でも、早打ちになってしまったので、ボールを見極める意識を(次の試合でも)持っていきたい。明日は自分が打ってチームが勝てるように頑張りたい。

飯塚(営2=藤代)
大学はレベルが高くて先輩方は自分にとってみんながお手本。いち早く追いついてチームの勝利に貢献したい。特に守備だとセンターの宝楽さんや竹原さんからポジショニングなどを教えていただいてとても勉強になってます。明日も勝って開幕カードの勝ち点を奪取したいです。

TEXT＝須之内海　PHOTO＝伊藤梨妃、永田育美