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7月のリーグ戦までボクシング部の主将を務めたチームの大黒柱の馬場(文4=王寺工)。実は5月にASBCアジア選手権大会(以下、アジア選手権)のフライ級日本代表選手に抜てきされると見事トーナメントを勝ち抜き、8月にドイツのハンブルクで行われたAIBA世界選手権大会(以下、世界選手権)への切符を手にしていた。そんな5月から始まった世界への挑戦を馬場選手に振り返っていただきました。(取材日・9月8日、聞き手・玉置彩華)
――アジア選手権への出場はどのように決まったのですか。
アジア選手権というのは各階級のチャンピオンが進める大会だったのですが、フライ級のチャンピオンが階級を上げたことで、実質僕がチャンピオンとしてアジア選手権の派遣選手になりました。
――アジア選手権ではどのように勝ち進んだのですか。
実はアジア選手権では2回戦目に一度負けてしまったんです。そこからBOXOFFという敗者復活戦に進んで、そこで勝利したので、世界選手権への出場枠6位以内にギリギリ入ることができて世界選手権出場を決めました。
――アジア選手権では肩の脱臼があったそうですが。
そうですね、そのときは2回戦の2ラウンド目だったんですけど、左肩が外れてストップをかけられてしまい、試合続行不能ということで負けました。3日後に敗者復活戦があり、注射を打ったり薬を飲んだりして肩の痛みを抑えて出場しました。治っていない状態で、1ラウンド目が終わったときには左腕が動かなくなったりしていたんですが、なんとか勝てた感じです。試合中は痛み止めで痛みを感じなくて、1ラウンド目とかには左腕でパンチも出していたのですが、途中から腕が上がらなくなって…あれー?(笑)と思う瞬間もありましたけどなんとか勝てました。(笑)
――世界戦への出場は初めてですか。
初めてです。
そもそも最初の海外の試合がアジア選手権っていうのが珍しいことなんです。海外の試合経験がなくていきなりアジア選手権という大きい大会に出場するのはまれ。ましてや世界選手権への出場は規模が大きすぎて、(笑)まあ、でも失うものはないなぁと思ったので楽しんでできました!
――世界戦が5月から始まったということで、同じ時期に開催されていたリーグ戦との両立は大変ではなかったですか。
4年生で最後だったのでリーグ戦は本当に出たかったです。監督とかいろんな人とも相談したが、肩も外れているのでなかなか出られなくて(馬場はリーグ5試合中1試合の出場しか叶わなかった)。今年キャプテンだったし、チームには申し訳ないなぁと思いながらのリーグ期間でしたね。
――ドイツでの世界選手権ではプレッシャーはありましたか。
もう、全然(なかった)。自分には失うものはないし、試合は毎回楽しんでできます。リーグ戦よりかは緊張しなかったです(笑)リーグ戦はチームのためにという部分が強いので、リーグ戦のほうが緊張しました!(笑)
――ドイツへの移動はどのくらいかかりましたか。大変なことはありましたか。
丸一日かかりました。減量中だったので、飛行機で機内食が運ばれてきても食べられなかったのは辛かったです(笑)
時差ボケとかはほとんどなかったですね、いつでも寝られるので!(笑)
――海外のご飯はどうでしたか。
向こうはお米がなくて、それが大きかったです。でもクロワッサンが美味しかったので、クロワッサンをずっと食べていました(笑)
――海外の選手と日本の選手の違いは何か感じましたか。
アジア選手権のときも感じたことですが、技術をとって考えると、日本の選手の方が上手いのじゃないかなという印象です。でも、体・フィジカルとか気持ちの面で海外の選手は強いなぁというのはすごく感じました。
――世界選手権での結果は。
1回戦敗退です。インドの選手と戦ったんですが、判定自体は2-3で二人は自分に、3人は相手にと、際どい判定にはなったんですが、僕自身は負けてたかなぁという感覚。周りのコーチの人たちには惜しいなぁと言ってもらえたが、自分としては体負けしていて完全に勝ち切れなかったので負けだったと思います。
――海外での試合経験でどんな収穫がありましたか。
さっきも挙げたように海外の人との試合で体やメンタルの違いがあったんですけど、それはそれですごく勉強になったのですが、それ以上に世界のトップクラスの試合を見れたことですかね。今までは未知の世界だったから、今回それを間近で見れたことは収穫だった。
――今後の個人戦の目標を教えてください。
まだ決まってないですが、全日本は出られると思うので、そこで優勝することが一番の目標です!
世界を戦い抜いた馬場選手の今後の活躍にも目が離せません。
お忙しいところ、ご協力いただきありがとうございました!
◆馬場龍成(ばば・りゅうせい)
学部・学年・出身校/文学部・4年生・王寺工
身長・体重/166㌢・54㌔
生年月日/H8・1・8
血液型/A型
好きな食べ物/チョコレート
好きな芸能人/石原さとみ
趣味/読書
PHOTO=玉置彩華