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平成29年度関東大学アイスホッケーリーグ戦
9月16日(土) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ
東洋大3―1慶大
[ゴール・アシスト]
39:16 山田(出口、古川誠)
58:28 渡邉(出口)
59:59 山田(出口)
先制点を決めたFW山田は主将の意地を見せた
DF渡邉のプレーが勝利を引き寄せた
失点を最小限に抑えたGK水田
開幕2戦を完封勝利で圧倒してきた東洋大。その意地を見せ、慶大戦では双方ともに得点できない時間を破って先制点を決めた。3ピリ終盤に同点に追いつかれてしまうが、その後の猛攻で追加点を挙げ、最後ダメ押しの1点を決める。リーグ戦3試合目は苦戦を強いられたものの3-1で勝ち切った。
「点差的にも、簡単ではない試合だった」。試合後にFW山田主将(社4=埼玉栄)が語ったように、慶大戦はいままでの好調に勝ち星を挙げてきた試合と違った様相で展開した。
開始直後から積極的に攻めていく。個々人のスキルも光るオフェンスで相手を翻弄するが、得点につなげることができない。どちらのチームのパックもゴールを揺らすことなく1ピリを終えた。流れを引き寄せたい2ピリ。ゴールが遠く、気が急く互いの攻防がぶつかり合う中で激しい沈黙を破ったのは東洋大だった。PP(パワープレー)の好機を見逃さず、パス回しで相手を揺さぶると、FW山田がゴール脇からのアシストをうけてパックをゴールにたたき込む。先制点を得てチームを沸かせた。
続く3ピリ、東洋大リードで終わるかと思われたそのとき、慶大の渾身のシュートが決まってしまう。試合終了まで5分39秒、試合が振り出しに戻った瞬間だった。そこから東洋は怒とうの攻撃を始める。勝ちたい気持ちが出たプレー。念願のその時は試合終了1分半前に訪れた。DF渡邊(社3=日光明峰)がパックを保持すると、そのままドリブルで相手DFを掻い潜りシュートを放つ。執念が手繰り寄せた1点だった。その後相手のGKエンプティの状態での総力戦を凌ぎ、追加点を重ねて試合終了。3―1で試合を終えた。
慶大は昨年のリーグ戦でもロースコアの対決になった対戦相手だ。「少し意識しているところはある」と鈴木監督は語る。シュート数では圧倒的に東洋大が上回っていたものの、相手のオフェンスの時間が多く、シュートを打たれるシーンも散見された。FW山田はオフェンスに前のめりになったために、相手にパックを持たれた際「数的優位をつくられてしまっていた」と分析。1試合通して守り続けたGK水田(社2=駒大苫小牧)は「プレーヤーに助けられる試合だった」と振り返り、「最少失点で抑えられたのは高評価」と語った。
次戦の相手は日大。DF渡邊は「するべきことをきちんとして、成長できたら」と語り、闘志を見せた。優勝を目標に掲げるチームの快進撃はまだ始まったばかりだ。
◾️コメント
・鈴木監督
慶大のいいプレーに苦しんだ試合だったが、結果的に勝てて良かったゲーム。(慶大に対してやりにくさは)ちょっと意識しているところはあるんじゃないかと思う。相手のプレッシャーが来るのでその裏にパックを運ぼう、というゲームプランがなかなか実行できなかったのが今試合の苦戦につながった。(攻められる局面に関して)シュート数多く打たれていたわけではないが、いいところからシュートを打たれていたというのは少しチーム全体で焦りがあったように思う。まずほんとにキーパーがよく守ってくれて、ゲームを組み立ててくれたのはすごく大きかった。(次戦に向けて)0からのスタートになるので、また気持ち入れ替えて臨めたら。
・FW山田主将(社4=埼玉栄)
点差的にも、簡単ではない試合だった。リーグ戦14試合ある中で他にもこういう試合があると思うが、結果が全てになるので、最後は。その中で今日勝ちきれたのは良かった。(なかなか点が入らない中での先制点について)リーグ戦が始まって2試合ゴールしていなかったので、3試合目で決めたいと思っていた。PP(パワープレー)でちょうどいいところにパックが出てきたので決めるだけだった。決められてほっとした。(慶大の攻めに対して)慶大もしっかり守ってそこからラッシュで早い攻め、という風にくるというのは分かっていた。しかし、そういう中でこちらが攻めに集中して上が空き、相手に攻められるときに数的優位を作られてしまっていた。途中で、「焦ることはない」という監督からの指示もあり直していけた。(日大戦に向けて)気を引き締めて4試合目も東洋のホッケーをして勝てるように頑張る。
・DF渡邉(社3=日光明峰)
相手はすごくいいチームで、一生懸命やるチームだが、僕らもそれを受けるのではなくて相手よりもハードワークしよう、いいチームでやろうと思って臨んだ試合だった。課題は得点力や最後の決めで、訂正する部分も見えた試合だった。(同点からの自身のゴールは)入ってよかった。そのあと締めて、また同点に追いつかれないようにという声をベンチでは掛けていた。(今日の自分のプレーは)10点満点で良くも悪くも6点くらい。(チーム全体の動きは)特に悪いプレーがあったわけではないが、ディフェンスの、Dゾーンの球出しとか、相手からいいプレッシャー与えられていたので引っかかってしまった。全体的にはそんなに悪くなかったと思う。(日大戦に向けて)みんなするべきことをきちんとして、成長できたらなと思う。
・GK水田(社2=駒大苫小牧)
全体的に最初から自分にあまり集中力がなくって、プレーヤーに助けられる試合だった。最少失点で抑えられたのは高評価。(心掛けていたこと)パス出しとかもするが、ここは出していいところ、ここは抑えるところっていうのはキーパーが一番見える分判断して、ゲームメイクをキーパーからするようにという風に考えていた。(これからの試合に向けて)優勝に向けて、一試合一試合確実に勝っていきたい。
TEXT=外狩春佳 PHOTO=望月優希、川口朋珠