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第43回関東女子学生剣道優勝大会
9月16日(土) 東京武道館
1回戦シード
2回戦 東洋大 5―0 東理大
3回戦 東洋大 0―3 明大
全日本女子出場決定戦
1回戦 東洋大 3―0 学習院大
2回戦 東洋大 3―0 桐蔭大
3回戦 東洋大 0ー1 帝京大
出場した試合は負けなしと健闘を見せた佐藤
大将として最後まで戦い抜いた田島
最後まで勝利を信じるメンバーたち
全日本女子剣道優勝大会(以下、全日本)への出場を目指し臨んだ本大会。「試合前から雰囲気が良かった」。試合後の住友(ラ2=磐田西)の言葉をそのまま映し出したかのように東洋大は2回戦では全く隙を見せることなく勝ち進んだ。全日本女子出場決定戦に進出後も快進撃を見せたが一歩及ばず目標である全日本への出場は叶わなかった。
勝利を収めれば全日本への出場が決まる3回戦。先鋒の山中(ラ1=新潟商業)が粘り強く立ち向かい、後ろに構える先輩たちへと望みをつないだ。しかし、次鋒・加藤(ラ2=左沢)と中堅・住友(ラ2=磐田西)が立て続けに敗戦を喫し、勝負の行方は大将戦にもつれ込んだ。大将の田島(ラ4=磐田西)が重役を果たすべく試合に臨み善戦を見せるも2本取られて敗戦。全日本への出場権を得るには全日本女子出場決定戦を勝ち抜くしかなくなった。
全日本女子出場決定戦へと進んだ東洋大は初戦の学習院戦と桐蔭大戦では序盤からメンバー全員が果敢に攻め、圧巻の試合展開を見せた。この日2度目の全日本への切符をかけた戦いは大将戦までもつれ込んだ。先鋒・山中が2本を取られ「流れを変えるのが次鋒の仕事」と意気込み戦いに挑んだ住友。その言葉通り、終始攻めの剣道で圧倒し相手へ傾きかけた流れを取り戻した。1-1で迎えた大将戦、ここまで東洋大女子剣道部を支えてきた4年生の田島が「この4分間で終わりたくない」と意気込んで試合に臨んだ。中盤まで激しい打ち合いを見せたが、面を取られてしまう。背水の陣となり、より一層攻めの姿勢を強めた田島だったが一歩及ばず、試合終了の合図が鳴った。1度つかみかけた全日本への男女アベック出場の夢が無念にも途絶えた。
2年連続で全日本への出場を逃した女子剣道部。選手たちが「調子は良かった」と口を揃えて言うものの今年も全日本への壁は厚かった。4年生にとっては今大会が最後の試合となる。「涙で終わらないように、笑顔で終われるようにこれからも応援している」と田島。引退する4年生の悔しさと思いを胸に、来年度も全日本出場を目指す選手たちの挑戦は続いていく。
■コメント
・板原監督
(試合を振り返って)全体的にはそんなに良くはなかった。(敗因や課題は)普段通りの力が出せれば一番いいが、やはり試合になると緊張感も出てくるし、会場の雰囲気もあるので。そこが課題だ。(田島選手が4年間チームの柱として戦ってきたが)本当に1年生から一生懸命頑張ってもらって、最後もみんなをまとめてくれて、とてもありがたい。(他の4年生も引退だが)これからも、剣道を通じて社会に出てからも励みにしてもらえればと思う。(今後の意気込みを)また来年もいい選手が入ってくる予定なので、みんなで力を合わせ、上を目指し頑張っていきたい。
・田島(ラ4=磐田西)
試合前は最後だから楽しもうと思っていて、今までの3年間とは違う雰囲気で挑めた。私にとって(今大会が)楽しみで、アップも良くできていたし入りかたも緊張せずに入れたのに勝てなかったことで、勝つことの難しさを痛感した。(最後の試合は)大将というのは回ってくるまでに勝負がもう決まっていたりすることもあって、仕事はあのような場面でしかないので頼られたということで勝ちにこだわっていきたかった。ただ、そこも今までとは違って、観客席を見たときにあんなことやこんなことがあったなとか監督と出会ったときのことも思い出して、今日で終わりたくないな、この4分で終わりたくないとすごく思った。いい意味で強気にはなれたが、最後に打たれたというのは自分の甘さだったのだと思う。(4年間振り返って)難しい場面もあったが剣道部復活というところで監督やOBの方々など本当に色んな方に立ち合っていただいて勝つのを目指して戦ってきた。私の4年間も、1年のときの先輩に厳しく指導していただいたお陰で2年目には全日本に行くこともできた。まぐれとは言われないように去年挑んで、今回集大成だったが最後の最後に自分の弱さが出てしまい悔しいが、楽しかった。(後輩へ)託したい。今まで好きなようにやらせていただいて、下には偉そうなことも言ってきたので本当は結果で返したかった。涙で終わらないように、笑顔で終われるようにこれからも応援している。
佐藤(ラ4=幕張総合)
(今日の)最終的な目標は全日本に出ることで、そこさえ行ければ良かったので今は悔しさしかない。(チームの雰囲気は)良かったと思うし、東洋らしく予想通りの戦い方ができたかなと思うので、田島が引っ張ってくれたチームで、最後の勝負どころで負けてしまったのは仕方がないことだった。(来年は)今年チームの3人がまだいるので、この悔しさを経験できたことをいい方向に考えて、3年生中心に楽しくやっていってほしい。
住友(ラ2=磐田西)
(先鋒、次鋒、中堅と順番が変わっていたが)監督さんが考えてのこと。それぞれの役割があるとおもうのでしっかりと役割を果たすだけなので、そんなにやりづらさはない。今日は朝の段階からみんなの調子が良かったので悔しい。全日本選手権に出たいという強い気持ちが緊張に変わってしまって、みんなの自分らしさが失われてしまってた。(今日の良かったところは)最後の試合で先鋒が負けて回ってきた場面で連敗は避けたいところで、しっかりと取れた。役割を果たすという点でいい試合だったと思う。(これからの目標)まだまだ新人戦や個人戦団体戦もたくさんあるので一つ一つでしっかりと結果を残していきたい。今年出させていただいたので、来年再来年はこの経験をみんなに伝えていきたい。
TEXT=須之内海 PHOTO=森美香子、小野由佳莉、吉川実里