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第93回関東大学バスケットボールリーグ戦
9月24日(日) 日体大世田谷キャンパス
東洋大67-87慶大
16|1Q|22
12|2Q|19
18|3Q|24
21|4Q|22
スターティングメンバー
28 佐久間澪
29 岩淵俊也
30川上海斗
35 杉田涼
0田代幹
佐久間の貪欲な姿勢がチームには不可欠だ
果敢なプレーでチームを沸かせた田代
“もうひと踏ん張り”。連敗脱出の糸口をつかんだ前日の駒大戦を経て臨んだ慶大戦。序盤は相手に食らいつく戦いをしたものの、Q毎に徐々にスコアを離され失速。67-87で試合を終え、リーグ戦初勝利を手繰り寄せることはかなわなかった。
先制は慶大にとられたものの、その後岩淵(済4=新潟商)、田代(済1=桐光学園)の連続得点から調子を上げ、競るゲーム展開を見せる。「(リバウンドが)取れて流れが変わると思った」と佐久間(済3=東海大相模)がリバウンドに反応しボールを保持、セカンドチャンスをものにする。また岩淵のスティールから川上(済3=市立船橋)へパスをつなぎ、東洋大の持ち味の速攻などオフェンス面の強みも見せた。流れをつかんだかのように思えたが、激しいプレーの中でファールがかさみ相手にフリースローを献上、得点のチャンスを与えてしまう。最後にはパスカットから速攻をくらい、1Qを16―22に終えた。
東洋大のリズムをつくりたい2Qだが、戻りのピックアップが遅くなり、数的不利の状況を生みフリーでシュートを打たせるなど相手に都合のいいバスケットをさせてしまう。中にボールを入れた後に外に出してディフェンスを翻弄し、フリーでロングやミドルからのゴールを狙うもリングに阻まれ得点につなげることができない。追い付けたはずの点差はいつしか徐々に広がっていく。後半は佐久間の身体を張ったプレーで得たバスケットカウントで得点を重ねるなど、追い上げを見せるもののあえなく試合終了のブザーがなる。最終スコア67―87と、8つめの黒星をつけた。
今試合でチームの士気を高めたのは、スタートで出場した1年生の田代だ。スタートで起用されると、外からのシュートで得点を重ねチームに貢献した。「十分にゲームの中でその持ち味を出してくれた」と中嶋監督も彼のプレーを評価。「ハードワークして勢いづけるというのを心掛けて臨んだ」と田代自身が語った、チームが苦しい状況でもゴールへ向かう遮二無二な彼のプレー。それが彼を1年生ながら長くコート上に立たせた要因だった。
次戦の順大戦はリーグ戦1巡目の最終試合となる。ボールへ貪欲に絡む佐久間は「リバウンドやルーズをしっかりやってみんなで勝っていきたい」と彼らしく意気込みを語った。ここまで全敗を喫しているチーム。このままで終われない。止まらない負の連鎖を断ち切ることが出来るのは他の誰でもない、選手たちのみだ。
■コメント
・中嶋監督
自分たちのディフェンスができずになかなか苦戦してしまったっていうのが今日の一番のよくなかったところ。(メンバー編成に関して)先日スタートで出ていた和田、今試合でいうと田代を入れることによって、相手選手とのサイズの部分などが同等になる。以前はうちの方がマッチアップすると小さかったが、そういったところをどんどん作戦的にクリアしていけたかな。ローテーションに関しては練習通りにしている。1週間練習してきた中でこの局面の時にはこうしよう、というチームのルールがあってその中で交代をしている。(田代選手に関して)田代は高校生の時からずっとスカウティングをしてきた選手。元々2番のポジションで高校時代は使われていたが、大学に入ってから約1か月、新人戦に向けてPG(ポイントガード)としてのコンバートをして彼自身のプレーの幅をすごく広げられたというように思っている。その中で今回はPGではなく2番3番のポジションでの起用だったが、厳しい時にゴールに向かってアタックしてファールもらってくれるなど、十分にゲームの中でその持ち味を出してくれた。それが今回スタートで起用した彼のプレーイングタイムが長くなった理由。(次戦に向けて)目の前に試合に集中して1週間、今試合で駄目だったところを補って、次の試合に向けてやっていきたい。
・佐久間(済3=東海大相模)
リバウンドとルーズを頑張ろうと試合前に声を掛けていたが、前半は結構絡めていた。途中から相手の5番がガツガツやってきたので、そこでやられてしまった。リバウンドとルーズが課題。(リバウンドで自身が気をつけていることは)毎試合あまり点が取れないので、リバウンドは貢献できたらいいと思う。今日は1Qでいい具合にボールが来てくれたので、たまたまだったがそれで取れて流れが変わると思ったので続けていきたい。(8連敗だが連敗中の内容は)連敗は早く抜け出したい。昨日(駒大戦)がチーム的には一番できていて、今日は点差が離れてから、昨日は縮められたが今日は我慢ができなくて離されてしまった。昨日は3Qで6点差まで縮めることができたので、そういうゲームをものにしないと勝っていけない。(次戦へ向けて)どこも自分たちより強いので、スタッフは開き直ってやるしかないと言っていたが、自由にやって勝てるように。リバウンドやルーズをしっかりやってみんなで勝っていきたい。
・田代(済1=桐光学園)
リバウンドが取れなかった。ディフェンスでのハードワークがみんな足りなかったと思う。自分は昔からそんな目立ったプレーや会場沸かせるプレーはするタイプじゃないので、とにかくハードワークして勢いづけるというのを心掛けて臨んだ。ジャンプシュートは決められたが、欲を言えばオープンで打ったシュートやイージーなところを落としたりしたので、そこを決めたかった。(次戦に向けて)次こそ勝ちたい。
TEXT=外狩春佳 PHOTO=藤井圭、土橋岳