スポトウ｜東洋大学スポーツ新聞編集部

平成29年度東都大学準硬式野球秋季１部リーグ戦・中大２回戦

９月26日（火）　上柚木球場

東洋大１－２中大

（イニングスコア）

（東洋大）

瀬下（営２＝藤代）、割石（社３＝越谷南）－多田龍（ラ３＝高松西）

ピンチを切り抜けほえる瀬下

割石は緩急を駆使し中大を翻ろうした

新４番・内藤は４番の役目をしっかりと果たした

    割石（社３＝越谷南）の完封勝利で先勝し、勝ち点に王手をかけて迎えた対中大２回戦。両チーム白熱の投手戦の末、中大に勝ち越しを許し１－２で惜敗。勝ち点は３戦目へとお預けになった。

　隙のない打線に高い機動力、強豪・中大の強さが前面に出た試合となった。東洋大の先発は２年生の瀬下（営２＝藤代）。序盤から中大の強力打線が瀬下を襲う。安打で出塁を許すと、堅実な小技を駆使し何度も得点圏にランナーを背負う。しかし落ち着いたピッチングをみせた瀬下。要所でバッターを打ち取り得点を許さない。瀬下の好投に応えたい打線は四回、四球と相手投手のボークでチャンスを作ると４番内藤（営３＝藤代）が中前に弾き返し、待望の先制点。「１本出さなきゃなと思った」と今季から４番に座る内藤が結果でチームを引っ張った。直後の四回裏、先頭打者に出塁を許すも２死二塁まで粘りの投球を続けた瀬下だったが、高く浮いたボールを左翼フェンス際まで運ばれすぐさま試合は振り出しに戻る。

　五回からマウンドにはエースの割石。緩急を自在に操り、中大打線を寄せ付けないピッチングを披露する。しかし割石の４イニング目、中大は鍛え上げられた正確なバントで東洋大を崩しにかかる。セーフティと送りバントでピンチを迎え、対するは７番松元（中大）。ここで意図的に外そうとした見せ球が甘く入り痛恨の勝ち越し打を許す。「その一球が本当に悔しい」と一球の失投が勝負の命運を分け、エースは悔しさをにじませた。打線も得点を挙げた四回以降はノーヒットに抑えられ１－２で敗北。最後まで投手・小澤（中大）攻略の糸口をつかむことができなかった。

　中大２回戦目を落とし、決着は最終戦に持ち越された。「勝ち点を落としたわけではないので気持ちを新たに頑張っていきたい」と指揮を執る山越（社３＝横浜隼人）。全日本選手権準優勝チーム相手にどこまでやれるか。強豪相手に東洋大の番狂わせが今始まる。

▪コメント

・若松主将（法３＝座間）

14三振したし、ピッチャーの２人はよく２点で抑えてくれたと思う。バッター陣が３人で終わる回が多かったり、守備からリズムが作れなかったのが敗因。とにかくバッター陣がもっと打てなくてはいけない。（相手投手について）全日本のときに１４７㌔を出したピッチャーで、球が速いという意識はあったのからそこまで速いという感じはしなかったが、球種は他にスライダーとチェンジアップがあって、その中で相手キャッチャーに狙い球を上手くかわされてしまった。(次戦に向けて)東海大には負けられないので、必ず勝ちにいく。

・内藤（営３＝藤代）

勝ち切れなかったのが悔しい。（中大の小澤投手は）ストレートもよくて、ツーシーム、チェンジアップがすごくキレがよかった。それをケアしながら、真っ直ぐに対応していくのが難しかった。バッター陣はみんなそこに苦労した。（チャンスで回ってきて）中大との試合はいつもチャンスが少ない展開になるので確実に一本ここで出して点を取っておかないとどんどん厳しい展開になると思った。一本出さなきゃなと思っていた。（４番は）今まで４番だった人たちが調子悪くて回ってきたという形。チームが勝つことが一番なので自分が試合を決められるときは決めて、つなぐときはつないでチームが勝っていくようにしたい。（東洋大の雰囲気は）今日は授業で来れない人が多く、人がそろってはいなかったが一人一人が今日で中大を２タテしようという気持ちでいい雰囲気だった。この雰囲気でやっていけば３戦目もチャンスはあると思う。（東海大３戦目に向けて）東海大戦は落とせない試合なのでチーム一人一人自分の役割を考えて全力でプレーしていけば自ずと結果はついてくると思う。

・山越（社３＝横浜隼人）

瀬下と割石がよく投げてくれたが、向こうのバッテリーが一枚上手だった。球種を絞ったりはしたがいいピッチャーだったので打てなかった。勝ち点を落としているわけではないので気持ちを新たに頑張っていきたい。ピッチャーの調子がいいので次の東海戦で自分たちの野球ができれば勝ち星は取れると思う。連戦になってくると、どうしても割石、瀬下だけではだめなので他の投手がどれだけ頑張れるかが勝利につながると思う。悔しい負け方をしたので、今日の負けを生かして勝ち点を取っていきたい。

・割石（社３＝越谷南）

僕の一球で負けたという感じで、もうそれ以外無い。ピッチャー有利なカウントだったので見せ球としてボール球を投げたが、バッターにとらえられてしまった。その一球が本当に悔しい。中大はバントが多いというのがあったので、バントあるよと多田が野手に伝えてはいたが、そのバントから点を取られてしまい、それは注意不足でもあるし、練習不足でもある。実力が無かったという感じ。僕自身、前のリーグ戦から０点で繋いでいて、１回戦も９回を完封していたので、今日は本当に悔しい。後半の１点が重くなる試合だとは前半を見ていて思ったので、そこで１点を取られてしまった自分が甘かった。（次戦へ向けて）ここからは優勝するために勝ち点を取るしか無いので、０点で抑えて、ピッチャーで勝てるようにしていきたい。やるべきことをやっていくだけ。

・瀬下（営２＝藤代）

立ち上がりからランナーを背負って、相手が嫌な攻撃ばかりしてきたのでそれに動じないように要所をしっかり抑えようと思って投げた。ピンチを作られることが多いので状況的には慣れている。（適時打の）失投が悔しい。中大が東洋大の投手陣に苦手意識があることは分かっているのでバントを狙いに来ることは分かっていた。そのあたりはサード、ファーストと声を掛け合いながらやっていこうと思った。もう少し防げていたら展開も変わっていたと思う。（１回戦は）割石さんが完封していたので自分も完封しようと思っていたが、苦しめられてまた割石さんに頼ってしまった。次は自分で勝てるようにしたい。これから重要な試合が続くがやることだけは間違えずに、小さく野球をやらないよう心掛けたい。（次戦の東海大に向け）終盤粘りのあるチームなので最後まで気を抜かず戦っていきたい。

TEXT=大谷達也　PHOTO=望月優希、永田育美