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第93回関東大学バスケットボールリーグ戦
10月1日(日) 慶応大学日吉キャンパス
東洋大53-68日体大
10|1Q|19
11|2Q|15
18|3Q|20
14|4Q|14
スターティングメンバー
11 村上飛雄馬
28 佐久間澪
29 岩淵俊也
35 杉田涼
0 田代幹
安定感のあるスリーポイントでチームを引っ張る大野
4Qでチームの中心として活躍した古賀
リーグ戦を折り返し、9連敗という厳しい状況の中迎えた日体大戦。初戦で大敗した日体大相手にリベンジを果たしたいところであったが、前半に離された点差を埋めることができず53-68で10連敗を喫する。しかし39-54で突入した4Qで、大野(文3=市立柏)や古賀(済1=横浜)を中心に、一時は51-56まで巻き返すことに成功する。今まで出場機会にあまり恵まれてこなかったメンバーの躍動に、チームの機運は確実に高まってきている。
1Q開始早々に先制点を決められると、即座に流れは日体大に。主将の岩淵(済4=新潟商)と村上(済2=正智深谷)を中心に、速攻や外からの攻撃を仕掛けるがシュートを連続で決められず点差はどんどん離れていく。9点差で挑んだ2Qは佐久間(済3=東海大相模)が積極的にリバウンドを取りにいき、流れをつくりだすもののパスミスや連携ミスなどターンオーバーが続く。リーグ戦開幕以来、長らく課題としていたリバウンドに克服の兆しが見えたところで、同じく課題として挙がっていたターンオーバーの多さが改めて浮き彫りとなった。中嶋監督が「ターンオーバーが多く出てしまうところが自分たちの良くないところ」と振り返るように、ターンオーバーをいかに減らしていくかがリーグ戦初勝利に向けての大事なキーポイントになることは間違いない。
続く3Qはチーム1の高身長である平(済4=東海大菅生)を投入することで、ゴール下からのシュート本数も増え確実に得点を重ねていく。反撃の手応えは十分にあったが日体大は素早いパス回しで東洋大のディフェンスをかく乱し、ノーマークの選手が確実に決めるというパターンが出来上がっていた。苦しい15点差で迎えた4Qで監督は日体大ペースを止めるべく、コートのメンバーをガラリと変えた。その4Qで躍動したのが大野と古賀だ。大野は4Qからの出場となり「他のみんなよりもアグレッシブにシュートを打っていこうと考えていた」という言葉通り、身長168cmと小柄ながらも大きい選手に引けを取らず、確実に決めるスリーポイントでチームを盛り上げた。ディフェンス面でも積極性を見せ、相手のミスを誘い速攻を仕掛けられるチャンスを多数演出した。一方古賀は3Qまでにもルーキーらしい思い切ったプレーでチームに貢献していたが、4Qではさらにリバウンドにも絡んでいき攻撃のリズムをつくった。変わって入ったメンバーが奮闘するものの前半の失点が大きく、あと一歩が届かずに53-68で痛い10連敗となった。
リーグ戦2周目で10連敗という厳しい結果ではあるものの、チームは課題を見つめ次戦に備える。4Qで活躍した古賀は「(前に対戦した相手のやり方に)ちゃんと対応できていないのが東洋の弱みだと思うので、そこを改善したい」と、次戦に向けて課題の克服を誓う。次の相手はリーグ戦前半で大きく点差をつけられた中大。そこから国士大、江戸川大と3日間の過酷な連戦が待ち構えている。これ以上の連敗を防ぎ、リーグ戦初勝利を掴むため、チーム一丸となって戦い抜いていく。
■コメント
・中嶋監督
何をこの後していくかをチームで考えた場合に、思い切ってプレーすると。じゃあそれは何なのかといったら思い切ってシュートを打つ、一生懸命ディフェンスを頑張る、リバウンドを頑張るということ、それに尽きるということでスタートしたのでそれがようやく出てきてこういう結果になってきたんじゃないかなと思う。(課題は)1試合から9試合目、今日で10試合目だが負けるときのひとつのパターンというのはやはり勝負所でリバウンドが取れない、ターンオーバーが多く出てしまうというところが自分たちの良くないところだと思うので、反省し続けていく。こういうところのクリアが一番の課題だと思うのでそういう面ではまだまだターンオーバー出ている部分があるが、ナイスパスとターンオーバーはすごく紙一重な部分があるのでターンオーバーの質でもあると思う。そこが変わってくれば同じターンオーバーが出ても間違いなくいい方向にいくと思う。(第4Qの選手の入れ替えについて)ガラッと変えたメンバーが踏ん張ってくれたというのは何よりも一番良かった部分ではないかと思う。最初に出ていたメンバー、後から出ていたメンバーが一つになったというのは今日の良かった部分だと思う。(次戦に向けて)3試合連続というハードなスケジュールになるので、なんとか3連勝するつもりで次の週末にいければいいと思う。
・大野(文3=市立柏)
前半に少し離されたが後半でいつもならさらに離されるチームだったのが、今日はアグレッシブに攻めていて積極的にシュートを打てていた。(4Qでの意識)4Qからの出場だったが、それまでいい流れできていた。その流れを自分が切らないようにと、他のみんなよりもアグレッシブにシュートを打っていこうと考えていた。(2周目初戦だったが)チーム的には毎回毎回切り替えていこうって話をしているが、それでも切り替えきれない部分があった。個人的には1周目2周目とか関係なく初めて戦うぐらいの気持ちで。自分はディフェンスでアグレッシブにいこうと臨んだ。(次戦に向けて)自分のプレータイムはそんなに多くないと思うが、出たら全力でやる。
・古賀(済1=横浜)
出だしがいつもの試合より悪くて、出だしでほぼ試合の流れがいっちゃったのでそこを改善できればもっといい試合ができると思う。(自身のプレーについて)良かった点は思いっきりプレーができて、ちゃんとシュートも決められたこと。合わせのプレーもできた。悪かった点は速攻で走りきれていなかったところ。(日体大とは2回目だが)前にやってこういう風にやってくるっていうのが分かっているけどそこにちゃんと対応できていないのが東洋の弱みだと思うので、そこを改善したい。
TEXT=稲村真織 PHOTO=外狩春佳、水野桜