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平成29年度東都大学野球秋季1部リーグ戦
10月6日(金)神宮球場
●東洋大2-3x立正大
本塁打を放ち喜びをあらわにする西川
「取られた次の回に何としても食らいつきたかった」と五回2死走者なしで西川(営4=浦和学院)は打席に入る。「打った瞬間いったと思った」と打った本人も会心の一撃を振り返った。力強く放たれた打球は左翼席に飛び込み、今季2本目の本塁打に。ここまで無安打と重くなったベンチの空気を一掃した。この打席の前に西川は指揮官から助言を受けていた。この時、「左ひざを沈ませるようにして打ってみろ」と指摘を受けた。その通りに修正を加え、最高の結果を指揮官に示してみせた。一度乗ったこの男の打棒は留まるところを知らない。続く第三打席では詰まりながらも執念で中堅前に落とし同点の適時打となった。その後の第四打席では遊撃強襲の内野安打を放ち猛打賞を記録。この日チームの得点全てを叩き出した西川が自身の打棒でチームを鼓舞した。
この日2人の右腕をリードした西川は、意識的に決め球をかえることによってそれぞれの普段と違う持ち味も発揮した。「お互い3度目の対戦。今までと同じように攻めてたら打たれる」と今日の試合を振り返る。中でも特に意識したのは2番手で登板した甲斐野(営3=東洋大姫路)の配球だった。「普段はフォークを使うところで直球を使ったり、逆にフォークを使うところで他の変化球にしてみた」と工夫を語る。三回には自慢の強肩を披露。1死から安打で走者を背負うと飯田(営4=常総学院)との息のあった連携で盗塁を刺した。「外したのは監督の指示。刺せて良かった」と意気揚々に振り返った。再び四球で背負った走者が遅れてスタートを切ると素早く二塁に送球。高校時代の後輩である津田(総2=浦和学院)の素早い返球でアウトにとり、チームに勢いをもたらすプレーとなった。
この日は惜しくも敗北を喫し勝ち点を逃したが、扇の要に座る西川はすでに「次の国学大戦は2連勝で勝ち点をとりたい」と次戦を見据えていた。春秋連覇に向けて負けられない戦いが続く中で女房役の攻守に渡る活躍に期待が高まる。
◾︎コメント
・西川(営4=浦和学院)
五回の本塁打は打った瞬間入ったと思った。点を取られた後の回や取った後の回は大切。取った後に取られない守備をしなければいけなかったのにそれができていなかった。お互い3度目の対戦で持ち球や決め球は知られている中での配球は難しかったが良かったと思う。今日は自分のミスで負けてしまったから国学大戦では攻守でチームに貢献して何としても勝ち点を取りたい。
TEXT=須之内海 PHOTO=伊藤梨妃