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2017.10.15
サッカー

[男子サッカー]筑波大に悔しい逆転負け 勝敗を分けたのは“個の力”

第91回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ(後期)第17節

10月14日(土) 筑波大学第一サッカー場

東洋大1-2筑波大

<出場メンバー>

▽GK

伊藤俊祐(国4=柏U-18)

▽DF

坂本涼斗(国1=柏U-18)→87分 朝妻佑斗(国2=大宮Y)

浦上仁騎(国3=大宮Y)

渡邉拓也(国2=FC東京U-18)

渡辺星夢(国3=前橋育英)

▽MF

松崎快(国2=大宮Y)

高橋宏季(国3=FC東京U-18) 

勝野瑛(国3=浦和Y) 

宮吉悠太(国4=京都橘)→87分 小堀将人(国4=八千代)

▽FW

小林拓夢(国2=帝京長岡)→67分 坪川潤之(国2=矢板中央)

坂元達裕(社3=前橋育英)


渡邉は身をもって筑波大の強さを実感


先制となるゴールを挙げた松崎


坂元は何度もチャンスを演出した


 後期リーグも折り返しとなる第17節。筑波大との対戦は、主導権を握られながらも松崎(国2=大宮Y)の得点で先制に成功。しかし後半、前線に力を注いだ相手を止めることができず立て続けに2失点。首位を走るチームの壁は高かった。


 「相手の攻撃を待ち構えるような形で試合をつくっていこう」(古川監督)。前半、選手たちは監督の意図をピッチ上でうまく体現して見せた。立ち上がりからボールを保持されるものの、前線へのくさびのパスやクロスの場面では落ち着いた対応を見せ、相手にシュートまで持ち込ませない。特に、中盤をまとめる高橋(国3=FC東京U-18)、勝野(国3=浦和Y)の2ボランチが連動した守備でボールを奪い取るシーンが目立った。16分、高橋が高い位置でボールを奪い取り勝野がこれを受けると、裏に走り込んだ松崎へ絶妙なスルーパス。1つ切り返しを挟んで「あとはGKの逆を取って決めるだけだった」(松崎)とコースを見極めシュート。これがネットを揺らし、この試合初めてのシュートが待望の先制点となった。25分にはCKからピンチを迎えるも、GK伊藤主将(国4=柏U-18)がこれをストップし反撃を許さない。終始高い集中力を保った守備陣の奮闘もあり、前半をリードしたまま折り返す。

 後半、1点を奪いに前がかりになる筑波大のワンタッチでの細かいパスワークに翻弄(ほんろう)され、次第にボールの取りどころを失い始める。前半とは異なりシンプルにシュートを狙ってくる筑波大の勢いを止めることはできなかった。58分に中央でプレスが甘くなったところでボールを受けた戸嶋にシュートを打たれる。これを伊藤がめいっぱい腕を伸ばして弾こうとするも触れることはできず。ゴール右に吸い込まれ、同点弾を奪われる。こうすると流れはますます筑波大に傾いていく。69分には左サイドでボールを持った三笘を3人がかりで止めにいくも、これをかわされ一閃。鮮やかな2発で一気に試合をひっくりかえされてしまった。センターバックを務める渡邉(国2=FC東京U-18)は「動き出しやボールに対する準備が早かった」とプロへの内定や全日本大学選抜に選ばれた選手たちを擁する筑波大の攻撃力に脱帽。わずか10分での逆転劇に守備陣は悔しさを隠し切れなかった。ラスト20分間、なんとか同点に追いつこうと坂元(社3=前橋育英)が攻撃陣をけん引するも、なかなかエリア内に侵入することはできず。最後まで決定機を生み出すことはできなかった。

 試合後、選手たちが口々にしたのは筑波大との“個の力”の差。古川監督は「個人の部分をもっと高めていかないといけない」とこの試合を振り返り選手たちに奮起を促した。また、筑波大のエース・中野のプレーについて「レベルの違いを感じた」と語るのは坂元。同じFWの選手として多くの刺激を受けたのは間違いない。この敗戦から各々が何を学んだのか、それを次節の慶大戦でどう生かしてくるかに注目だ。リーグ戦も残すところ5試合。初のインカレ出場に向け、3連敗は許されない。



■コメント
・古川監督
筑波大は前節大量に得点を取っていて、選手たちの表情にも警戒心は出ていた。しっかりプレッシャーをかけて攻撃のところも相手を追いかけさせるような展開にしたかった。選手たちの頑張りもあって前半はプラン通りに終えることができたと思う。(得点シーンは)相手のサイドバックが高い位置を取りながらビルドアップしてくるのはスカウティングで分かっていたので、奪った瞬間のところはひとつ狙い目だった。それがうまくきれいにハマったシーンだと思う。欲をいえばその他にも同じようなシーンはあったのでそこで決めていればもう少し変わったゲーム展開ができたのかなと思う。(筑波大との差は)経験不足というか、1部で常に優勝争いをしているチームか昇格チームかというところが差なのかもしれない。もう一つはシステムに頼ることなくエリアに入れさせないボールへの圧力だとかそこは個人の部分をもっと高めていかないといけないと思う。この試合で突きつけられた宿題を克服して彼らとはインカレの舞台でなんとか次は勝ちたい。(次節に向けて)1週間空くので、もう1度勝ち点3につなげられるようないい準備をしたい。連敗してしまったので次の試合の重要度というかプレッシャーが高まるところではあるが、その中で今シーズンずっとやってきたことを続けていきたい。

・坂元(社3=前橋育英)
首位相手に先制点を取ることができて、前半は流れ良くボールをつないでチャンスも何回かつくれたと思う。後半はもったいないミスが目立った。自分も何度かチャンスあってそれを外してるので、それを決め切れなかったからこの負けにつながったと思う。(筑波大の印象は)全日本入ってる選手とかプロ決まってる選手が多くいる中で、やっぱり個々のレベルは高い。FWの中野誠也くんの裏へ抜け出す動きとかFWとして自分と全然違うところがあって、そういう面でレベルの違いを感じた。(具体的には)裏への動き出しであったり、一つ一つのボールを大事にしてシュートまで持っていくという部分で違いを感じた。(後半意識したことは)自分はいつもと違ってトップ下という位置でボールを受けて、少し引き気味になってボールをつなぐ側になろうということで中に入ってつないだ。前半はそれができていたが、後半は抑える一方になってクリアを拾えなくて、自分もボールを全然もらえなくてっていうのがあってそういう部分がだめだった。(次節に向けて)今2連敗しているので、次3連敗は絶対できないと思う。インカレに向けて次の試合は大切になってくると思うので絶対に勝ちたいと思う。

・渡邉(国2=FC東京U-18)
1-0で折り返して、受け身になってしまって前から行けなくなると、相手もうまいし(ゴールを)入れられてしまうというのは教訓になった。(後半はワンタッチパスで崩されることがあったが)そういうときに自分たちは慌てて(全員が)ボールに行ってしまうので、それがマークを剥がされる原因だと思うので、もっと自分が焦れないでしっかり我慢して耐えるというのをみんなに伝えればよかったと思う。(相手の前線はタレントぞろいだったが)実際やってみて動き出しとかすごい早くて、ボールに対する準備も相手の方が早かったので、ちょっと気を許したらやられるなという印象だった。(次節に向けて)2連敗しているが、次節はホームでやる最後の試合なのでしっかり勝つことを一番に意識したい。ホームでたくさんの人が観に来てくれると思うので、その人たちのためにも絶対勝ちたい。

・松崎(国2=大宮Y)
いい形で先制点を取れて、前半1-0で折り返せたことは良かったが、後半に筑波大が勢いをもってきて押し込まれてしまって、その時間帯に逆転された。最後はいい形で押し込めていたと思うが、常に押し込める状態をつくらないと強い相手には力負けしてしまうと思う。(得点シーンを振り返って)高い位置でボールを取ってセンターバックと相手のサイドバックの間が割れていたので、そこにボールを要求して走ったらいいパスがきた。相手の5番が正面に入るのは見えていたので、うまく切り返せてあとはGKの逆を取って決めるだけだった。(収穫と課題)苦しいときに個人で運ぶことだったり最後の残り3分の1の精度であったりそういうゴールにつながるプレーというのを引き上げていかないといけない。(次節に向けて)2連敗してしまったので、インカレ出場を目指すうえでは絶対に負けられないと思うので、次の慶大戦しっかり勝ってまたインカレを目指せる順位に上がっていけるようにしたい。


[次節試合予定]
第91回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ(後期)
第18節 10月22日(日) 対慶大 東洋大学朝霞グラウンドにて 11:30キックオフ

TEXT=美浪健五 PHOTO=金澤瑞季、谷口奏生