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2017.10.14
ラクロス

[女子ラクロス]千葉大戦まさかの黒星で2部残留決定 「来年は必ず1部昇格を!」

第30回記念関東学生ラクロスリーグ戦  女子・2部Bブロック

1014日(土)千葉大学西千葉キャンパス サッカー・ラグビー競技場

東洋大5-7千葉大



試合に敗れ涙を流す

ここぞという場面でシュートを決めたMF園部主将

ゴールを狙うAT岡崎

ゴールを決めたときの笑顔はリーグナンバーワン!


 勝つか引き分けで1部入れ替え戦へ進むことができるという好条件のなか挑んだ、リーグ最終戦の千葉大戦。勝利だけを考えて臨んだが、試合はまさかの逆転負け。誰も予想していなかった展開、4年生の引退の突然の訪れにチームメイトは言葉を失う結果となった。

 

 最初は東洋大ペースで試合が進む。6分、MF土井(ラ4=星野)がゴール前で落としてしまったボールを、MF園部主将(ラ4=西宮)が拾いそのまま流れるようにシュートを放つ。その2分後、相手ファールからスタンドシュートの権利を獲得し、AT橋口(社2=伊奈学園総合)が得点を決める。10分、AT青木(ラ3=東洋)が相手のディフェンスを抜けながら、速球のシュートを決め、G窪田(ラ3=大宮広陵)とお決まりのハグを見せた。ここまでは完全に東洋大に流れがあったが、次第にU-22日本代表でもある相手G俣野にゴールを阻まれる。普段なら得点を量産するAT青木やAT岡崎(ラ4=水口東)のシュートをナイスセーブされ、なかなか調子があがらないアッタック陣。次第にペースは千葉大へと傾き始めていた。前半の残り時間が半分を過ぎたころ千葉大の反撃が始まった。17分、20分、24分、と立て続けにシュートを決められ試合は振り出しに戻る。引き分けでも入替戦に進める東洋大ではあったが油断はできないため、ここで1点決めておきたい。残り30秒、AT青木がドローを飛ばすところから試合が再開。鋭いパスがAT青木に通り、まさにシュートを打とうとした瞬間、前半終了のホイッスルが鳴り響いた。

 後半は前半と打って変わって千葉大が最初から主導権を握る。攻撃側にボールが来ることが少なく、時間だけがただ過ぎていく。後半開始2分、4分、8分、10分と立て続けに得点を決められ、あっという間に3-7に。残り15分で最低4点を追加しないと、2部残留が決まるため、女戦士達は果敢にコートを駆け抜ける。雨が降りしきる中、12分に決めたシュートを皮切りに東洋大の反撃が始まる。18分、ゴール付近で細かいパスをつなぎながらMF園部主将がシュートを決める。ここぞという場面でMF園部主将に託されたボール、気迫のこもったシュートだった。しかし、残りの6分間得点を動かすことができず、一部昇格戦まであと2点のところで、リーグ戦は閉幕となった。

 スタメン12人中5人が4年生。そしてベンチには怪我で離脱していたエースのAT齊藤(ラ4=井草)も控えていた。「本当は(千葉大戦に勝って)栞菜(齊藤)は入替戦に少し出るはずだった。そのために無理して1セットだけの練習をしていたのに。合わせる顔がない」と、MF土井は同期に悔しい気持ちをにじませた。DF稲葉(ラ4=都立国際)や、DF深海(ラ4=県立国府台)に副主将を務めるMF土井は「東洋のキーマンはひかる(稲葉)とゆり(深海)だった」と昨年DFを務めた経験ならではの言葉で称えた。

 25分×2セットに練習の全てを注ぎ込む、勝っても負けても1回勝負のリーグ戦。夏真っ盛りの8月から、秋が始まる10月まで行われ、数多くある試合の中で最も気合いが入る。“強くなりたい”ただそれだけを考えてMF園部主将を先頭に改革を進めた4年生。練習も週4から週5に増やすなど、今年になって変えたことは数えきれないほどあった。「来年は絶対に1部昇格してほしい」と、4年生は目に涙を浮かべながら口をそろえた。その思いも引き継ぎ、次の代は新しい色を出しながら更なる高みへと昇っていく。

■コメント

・園部主将(ラ4=西宮)

お互い、1部昇格の入替戦がかかっていた試合だったので、気持ち的には絶対勝たなければならないと思っていた。でも、私たち的には千葉大に勝つというよりも次の試合、1部入替戦にあたる農大戦を見据えて練習をしてきていたつもりだった。勝てると思っていた油断の部分だったり、千葉大の気迫だったりに東洋が負けてしまう部分や、弱い部分が出た。(個人としては2得点だが)いつも点を決めてる子たちのシュートが入っていなかったこともあり、ボールを持った時は絶対決めてやるという気持ちをいつも以上に持っていた。相手のゴーリーが日本代表で、このリーグの中で1番強いのは知っていたので。(1年間大事にしてきたモットー)チームとしてはAチーム代表として出させてもらっているという誇りを忘れてほしくなかったので、高いことを要求しましたし、厳しいことも言ってきた。自分自身は、3年生までは自分の気持ちで練習に臨んだり波があったけれど、主将になってから上に立つ立場として雰囲気に無駄がないようにして、声を出すというところは心がけていた。ただ人数が多いのもあって、全員のことを見ていたかと言われるとそうはいかないかもしれない。個人的には全員というよりも幹部の子やそれぞれのリーグのリーダーを気にかけることができたとは思います。(どんなチームでしたか)今年、いろんなことを変えたりとか挑戦したりしていい部分も悪い部分も出たと思う。そこに対してみんながそれぞれ前向きに問題と向き合ってくれた。だから、向き合うという準備はみんな今年でできたと思う。まだまだ伸びしろのある成長途中のチームだと思います。(どんなことに挑戦してきたか)組織の形だったりとか、練習頻度も週4から週5に変えたりだとか、コーチも変えたり、今まではAもBも一緒に頑張ろうという感じだったけれど、Aはリーグに集中できるように、動きを別々にしたりだとか。勝つためにということをこだわって、削ったものや増やしたものはあります。(来年期待する選手)キーマンとなれるように頑張ってほしいのは、河野花咲っていう子がいるんですけど、ミディで私と、土井と3人でやっているうちの1人。下級生だから我慢していたところもあると思うのですが、上もいなくなるのでのびのびと、魅せるプレーヤーになってほしいなと思います。(来年のチームへ)来年は1番上の代の人数が多くなるので、頼れる人たちが多くなるのはいい部分だと思う。私たちが抜けるところをゼロスタートではなくてプラスの状態から始めてほしいので、今の3年生を中心に今年の課題を挙げてもらって、改善するとともに絶対に1部昇格という目標は忘れないでほしいと思います。

・岡崎(ラ4=水口東)

やっと最近ラクロスが楽しいとか好きとか思ってみんなとやってきた。自分もチームに貢献できるようになれて、絶対今日も負けると思ってなかったし、けどコーチが言っていたみたいに、勝つチームじゃないと本当に楽しくはないし、悔しい。めっちゃ悔しい。悔しいしか出てこないです。千葉大も気迫が伝わってきていて、最初は東洋大が押せてたが、負けちゃった。来年は、もっと仲良くてって今も仲良いですけど、助け合って絶対に1部昇格してほしいです。

・土井(ラ4=星野)

まさか過ぎて。誰も本当に負けるなんて思ってなかった。東女体大や日所体大は体育大だから怖いなあとは思っていたりしたけれど、まさか千葉大にまけるなんて思っていなかった。ずっとバスケをやっていたから、新しいことをするのも不安だったし初めてがいっぱいあった。バスケの縦社会で生きてきたから、オフもあり自由なことに1年生の時は物足りなくて何度も辞めようと思った。2年生の時はそれに染まってしまう自分が嫌で辞めようと思った。バスケをやりたいと思ったから辞めようと思ったけど、なんとか踏ん張って3年生4年生はチームを強くしたいなあと思った。1年生の時から今の4年生は体育会系気質で、だからぶつかりあうこともあった。たぶんあかり(園部)もそうだと思うけど、今勝てなくても、今1部に昇格できなくても5年後、10年後になって、圧倒的な1部常連校になって欲しいという気持ちはあるから、その1年目の土台としてやって来た4年生になっての1年間だった。2部の中では断トツで進化したチームだなと思っている。結果的に最後はすごい負け方してしまったけど、組織的には1番強いチームなのかなと思う。今までずっとディフェンスだったので、4年生になってミディになり、初めてアタックに参加するようになって、ただがむしゃらにやってきたという感じ。ディフェンスには4年生のひかる(DF稲葉)とゆり(DF深海)がいる。ひかるは走るのがピカイチ。ゆりは安定のディフェンダー。ゆりは3年生になってから、試合に出るようになって、4年生になってからはこのポジションはゆりしか守れないってくらいディフェンスのぬしだった。ひかるとゆりにはいつも助けられていたから。ディフェンスは目立たないポジションだから、キーマンとかで取り上げられたりしないけど、東洋のキーマンはゆりとひかるだと思うぐらい。(けがで離脱していた齊藤について)本当は1部入替戦でかんな(齊藤)をちょっとでも出そうということで、ワンプレーだけの練習をずっとしていた。試合が終わった後は顔も見られなかった。来年は圧倒的に強い東洋になって欲しい。2部敵なしのチームになってほしい。AチームだけじゃなくてBチームも、マネージャーも、みんなが圧倒的に強いチームになってほしい。

・青木(ラ3=東洋)

気持ち的に、千葉大は負けたら3部との入替戦、引き分けなら残留、勝ったら1部との入替戦だった。でも東洋は負けたら残留、引き分け以上で1部との入替っていう状況だった。入りから、千葉大の方が絶対負けないっていう思いが強かったのかなって試合振り返って思う。来年はチームを技術的に引っ張っていかないといけない立場だと思う。今までは自分からあまり動いたりせず、先輩に言われたからこうしようと動く気持ちでやっていた。先輩がいなくなり、自分が1番上の立場になるので、自分のことだけでなく周りを見られるようになりたい。

TEXT=菊池美玖 PHOTO=梅山織愛