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第101回日本陸上競技選手権リレー競技大会
10月27(金)~29(日) 日産スタジアム
▼1日目
男子4×100mリレー 予選
1組
1着(津波ー与那原ー桐生ーウォルシュ) 39"22 ※決勝進出 東洋大新
▼2日目
男子4×100mリレー 決勝
2位 東洋大(森下–与那原–桐生–ウォルシュ) 39"47
男子4×400mリレー 予選
2組
2着 東洋大(松原–齋藤旬–吉津–櫻井朴)3'10"16 ※決勝進出
4継の優勝の目標は4年生から後輩たちへと託された
吉津(右)と櫻井の走りで2位通過を果たした
4×100mリレー(以下、4継)の日本一を狙い挑んだ日本選手権リレー。予選では39秒22の東洋大記録を叩き出し全体の1位で予選を通過する。しかし決勝では一時はトップに立つも3走の桐生(法4=洛南)からアンカー・ウォルシュ(ラ3=東野)へのバトンがスムーズにつながらず2位でゴールとなった。
4継の予選を全体のトップで通過し、優勝まであと一歩。1走を津波(ラ2=那覇西)から森下(総3=浜松市立)に変更し決勝レースに挑んだ。冷たい雨が降りしきる中、スタートのピストルが鳴った。森下から2走・与那原(法4=那覇西)へはこれまで何度もバトンをつないできた経験がある。流れるようなバトンパスで2走に勢いをつける。今年度、主将として、また4継の主力としてチームを率いてきた与那原。力強い走りで先行するチームとの差を詰め桐生へとバトンを託した。日本最速の実力はリレーでも発揮され、東洋大はトップに立った。しかし、アンカーのウォルシュがバトンパスで予定より早くスタートを切ってしまい流れが途絶えてしまう。再度加速するもスピードに乗った中大に追い付くことができず、2位でゴールとなった。
惜しくも優勝は逃したものの、最後のリレーとなった4年生に梶原監督は「与那原と桐生の二人は最後の最後までしっかり走ってくれたので、感謝したい」と思いを語った。東洋大でリレーを走るのは今レースが最後となった4年生。後輩たちは今回優勝を逃した悔しさと先輩の思いを胸に、次こそは4継の日本一を目指す。
日本選手権リレー2日目には4×400m(以下、マイル)リレーの予選が行われた。1走の松原(法2=九州学院)が出遅れるも、終盤の走りに定評のある3走・吉津(ラ1=豊橋南)が見事な追い上げを見せる。アンカーの櫻井朴(法3=国学院栃木)が2位を守り切り予選通過を果たした。決勝ではウォルシュの起用が予定されているため、予選よりもタイムは伸びるはずだ。「4継の分も勝ちにいく」と梶原監督。マイルリレーの日本一へのカウントダウンが始まった。
今大会が4継、マイルリレーともに今シーズン最後のレースとなる。今季の締めくくりとして来シーズンの弾みとなるよう、好記録を狙いたいところだ。
■コメント
・梶原監督
4継は1走を津波から森下に変えるのは前から決めていた。津波はけがから復帰したばかりだから、(決勝の)天候は雨で気温も低いだろうからということで津波は暖かい内に走って、翌日は森下でいこうと。メンバー変更は予定通りだった。気温が暖かいときにタイムを狙いにいって、決勝は勝負に挑むと。予選ではもう少し出るかなという期待はしていたが、大学記録を更新できた。決勝は1、2、3走まではほぼ思ったような流れでいって桐生のところでトップに立てた。流れがそのままいければ間違いなく勝てただろう。(ウォルシュ)ジュリアンが少し早く出てしまい、バトンが伸びてしまった。ジュリアンが完全に減速して(バトンを)もらって改めて加速したので、あのようになってしまった。来年もジュリアンは4継を走るので、今回のことを糧にしてもらいたい。今回は与那原と桐生にリレーの日本一を獲って卒業させたかったけれど、残念ながらできず悔しい。与那原と桐生の二人は最後の最後までしっかり走ってくれたので、感謝したい。マイルはジュリアンが4継を走ったので予選は使わないで、決勝はジュリアンを入れていくと。残りの4人で十分(予選を)通る力はあるが、1走の松原が思ったよりも走れなかった。他のメンバーはそれなりに走って2着で通過できたので結果的には良かったと思う。決勝はジュリアンを入れて、4継の分も勝ちにいく。
・与那原(法4=那覇西)
(4継を終えて)優勝したかった気持ちはあるが、最後だったのでこのメンバーでリレーをつなげて最後終われたのは良かったかなと思う。(2走の桐生とは)同じチームでやるのは最後だったので、まだ実感はそこまでないが終わってから少しさみしさがある。(予選では東洋大新が出たが)もっと記録は狙えると思っていたがなかなかうまくいかないところがあり、それがスポーツかなと。(4継の後輩に向けて)僕らが日本一に1回もなれなかったので、そこを目標にそこにいける力はあると思うのでしっかり取ってほしい。
TEXT=吉川実里 PHOTO=福山知晃、吉川実里