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2017.10.30
空手道

[空手道]若手が台頭!全日本へ向け好アピール

第28回関東学生空手道体重別選手権大会

10月29日(日) 慶應義塾大学日吉記念館


男子67㌔級

岡田 ベスト16

吉田 ベスト16


男子75㌔級

幸保 ベスト16


女子50㌔級

都築 ベスト8



吉田は冷静にプレーした


基本に忠実に試合を進めた岡田


先制の大切さを実感した幸保


今大会ベスト8の都築 得意の蹴りが際立つ




 第28回関東学生空手道体重別選手権大会が行われ、男子は67㌔級で吉田(法2=栄北)と岡田(法1=埼玉栄)が、75㌔級では幸保(法1=横浜創学館)がベスト16、女子は50㌔級で都築(法1=日本航空)がベスト8に進出した。

 

 「今日は先制を取られたら終わり」という気持ちで試合に臨んだのは、75㌔級に出場した幸保だ。気迫あふれるプレーで積極的に試合を進める。2回戦と3回戦ではポイントを先制すると、その後は相手に1ポイントも許さなかった。4回戦の相手は強豪・帝京大の枝本。開始してすぐにポイントを奪われるとそこから反撃の一手がでない。そしてそのまま試合は終了してしまった。ベスト16という結果に「満足はしていない」と振り返るが、次なる舞台である全日本選手権に向けて「気持ちを切り替えた。監督に恩返しができるようにしたい」とその目は次を見ていた。

 67㌔級では新戦力が台頭した。吉田は「比較的冷静に試合を進めることができた」と振り返る。その言葉の通り、積極的なプレーの中にも冷静さがある試合運びで順調に勝ち上がっていった。ベスト16という結果に「よかった」と喜びを表したが「次はベスト8に進めるようにしたい」と目標をさらに先へとレベルアップさせた。そして、最後までコートで試合をしていたのは岡田だ。開始38秒で上段突きを決め、先制するも、16秒後に追いつかれてしまう。その後もポイントを取っては取られての繰り返し。そして5対4で迎えた残り3秒。このまま試合は終了かと思われたがここでまさかの反則負け。「もったいなかった。熱くなりすぎた」と岡田は振り返る。「技術やスピードだけでなくゲームの進め方」と今後の課題も見つかり「4年間で1つずつしっかり上がっていけるようにしたい」とまた更なる成長をとげていく。

 吉田は2年生、幸保と岡田はまだ1年生と若手の活躍が光った男子。このことに「互いに仲がよく、嬉しい」と岡田は語る。互いに切磋琢磨して強くなった若手の力がさらにチームを底上げしていく。


 一方、女子では都築の存在感がさらに増した大会になった。シードで2回戦では開始から勢いのあるプレーで先制点を得ると、終止都築のペースで試合が進み、最後は得意の蹴りで試合を決める。3回戦も危なげなく勝利すると、続く準々決勝の相手は今大会準優勝の帝京大宮原。「負ける覚悟で思いっきり」と都築が語った通り格上の選手にも果敢に攻め、有効を決めポイントを得るも反則裁定で敗退し結果はベスト8だった。都築は来月に迫る全日本で女子団体戦の一員として出場する。一昨年の全日本では宮坂(法3=日本航空)が先鋒を務め、昨年の全日本の団体戦では古怒田(法2=御殿場西)が大将を務めた。そして現在の2人はチームにとって替えの効かぬ実力者になった。都築には全日本を通して彼女らのような存在になることに期待がかかる。

 


□コメント

・吉田(法2=栄北)

(ベスト16という結果は)よかった。次はベスト8に進めるようにしたい。比較的冷静に試合を進めることができた。負けた試合では先制点を取られ、そこから立て直すことができなかった。緊張は全くしなかった。小学生のときから試合のほうが力が出るタイプ。(印象に残った試合は)3試合目。つかみ合いになっていつもは出ないような技がすっと出た。得意ではあったが、試合ではなかなか出ていなかった。リーチの長さが持ち味だと思う。全日本にむけてアピールができたと思う。(今後は)後輩がまた入ってくるので、引っ張っていって見本になれるようにしたい。

 

・岡田(法1=埼玉栄)

力まず、やれることをしっかりやり、基本に忠実にやろうと思った。(ベスト16という結果は)納得いかない。最初は緊張して硬かったが、進んでいくにしたがって本来の動きが生きるようになってきた。スピードでは負けないと思っている。5試合目はもったいなかった。熱くなりすぎた。周りの声援も聞こえなかった。冷静になって周りを見れるようにすることが課題。また、技術やスピードだけでなくゲームの進め方も今後の課題。(下級生が多く結果を残したが)普段から仲がよく、嬉しい。これからも刺激を受けていきたい。練習試合とは緊張感が違った。次はベスト8になれるようにしたい。4年間で1つずつしっかり上がっていけるようにしたい。

 

・幸保(法1=横浜創学館)

(ベスト16という結果は)不満。出たからにはひとつでも上に行きたかった。監督にも恩返しできなかったと思うが、次の全日本に向けて切り替えた。今回は体重別選手権なので体重を落として臨んだ。最初の1ポイント目の重要性がわかった。今までは取られても取り返すという気持ちでやっていたが、今日は1つ目を取られたら終わりだという気持ちで臨んだ。試合運びはよかったと思う。3回の試合で国士舘、駒澤、帝京と毎回団体で3位に入るようなチームの選手が相手だった。負けないようにはしていたが、フィジカルが強く、足りないところがわかった。1・2戦目はポイントは取られていない。1ポイント目を取ったことを利用して試合を進められた。3試合目ではポイントが取れなかった。技の正確性や、誰から見ても決まったとわかるようにしていきたい。(下級生が多く結果を残したが)いつも互いに切磋琢磨している仲間。メンバー外でも試合に出れるとなればモチベーションが上がる。これをきっかけにチーム一丸となる。今までの団体戦では自分が勝っていれば勝てた試合だった。勝てるようにしていきたい。


 ・都築(法1=日本航空)

(今日を振り返って)今日の準々決勝で宮原さんと当たって、前から憧れていた選手でその人と試合できてよかったと思う。相手は強い選手ということは分かっていたので、負ける覚悟で思いっきり試合に取り組めた。1点取ることができたが、最後まで集中できなかったことが反省点。(途中90秒に変更になった試合時間)私はスタミナが課題なので、逆に90秒全力を出すことができたので私にとってはちょうどよかった。(全日本へ向けて)1年なので思いっきりやって、チームに貢献できればいい。

 

TEXT=伊藤梨妃、仲宗根優介、PHOTO=伊藤梨妃、永田育美