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平成29年度関東大学アイスホッケーリーグ戦
11月3日(金)東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ
東洋大3―2慶大
[ゴール・アシスト]
14:20 古川誠(出口・渡邉)
29:15 猪狩
44:30 柴田
2ピリまでを無失点に抑えた水田
古川誠は8試合ぶりのゴールで先制点をもたらす
ここから毎試合得点を狙うという猪狩
1次リーグでは苦戦を強いられながらも勝利した慶大戦。今試合は1、2ピリで順調にゴールを重ね、いい雰囲気が流れるも、最近の課題である3ピリで失点し肝を冷やすという場面がみられた。結果は3-2で大事な勝利を落とさずに試合を終えたが、無失点を守りきれず悔しさが残った。
試合開始と同時に積極的に動いていく東洋大。慶大がパックを持っている時間を長くは続かせない。フィジカルなプレーで相手のゴール前までパックを運んでいく。とくに、FW出口(社3=駒大苫小牧)がうまくドリブルで抜けていったり、前回の日体大戦で得点を決めたDF佐藤(社3=駒大苫小牧)やDF渡邉(社3=日光明峰)はロングシュートを放ったりと得点のチャンスを次々と狙う。そして遂に訪れた先制点の瞬間。PP(パワープレー)でゴール前に慶大がかたまる中、ゴールの右手側に単独でいたFW出口からのフリーパスを反対側にいたFW古川誠(社3=白樺学園)がそのままゴールへと力強く流し込んだ。FW古川誠にとっては実に8試合ぶりとなる得点で「接戦の場面で結果につながって良かった」と安堵の表情を見せた。
2ピリでも東洋大の勢いは止まらず、果敢にゴールに迫っていくが、惜しくも相手GKにキャッチされるなど、DFに阻まれてしまう。DF坂元(社3=清水・北海道)から先制点を決めたFW古川誠への素早いパス回しなどもみられたがなかなか得点が決まらず、開始約10分が経過。そんな中、FW猪狩(社1=駒大苫小牧)が相手を一人かわしてパックをゴールへ放った。手前にいた相手DFのスティックに当たるもパックはそのままGKの右肩をかすめてネットを揺らし、東洋大の2点目となった。途中、慶大に押され気味な時間が訪れることもあったが、SH(ショートハンド)の際にもGK水田(社2=駒大苫小牧)を中心にしっかり守りきり、慶大に得点を許さずに3ピリへ。
3ピリでは比較的早い時間に得点を決める。FW柴田が横から押し込んだパックは見事にGKの足元をすり抜け、追加点を奪う。しかしここから「相手に支配されている」と監督や選手が今後の課題と考える展開となる。攻撃体制によりDFが一人しかいない瞬間にゴールを狙われ、1失点。さらには残り10分を切ったところで二人連続してペナルティを受け、3対5と一気に不利な状況に陥ってしまう。ここではゴール前を3人でしっかりとかため、なかなか慶大にシュートを打たせない。なんとか凌いで4対5に。しかし残り2秒でSH(ショートハンド)が終わるという場面。相手のシュートにGK水田は腕を上げて反応するも、得点を許して2失点目。この後のPP(パワープレー)の場面ではゴールを狙うも決まらず、そのまま試合終了。3ピリはシュート数も全3ピリオドで唯一慶大に負けてしまい、GK水田が試合後に語った「ぐっとこらえて我慢することが必要だと思う。でもフィジカルなプレーをしてくれる人も今の東洋大に必要な存在」というコメントはチームの課題をよく表すものであった。
勝利は取りこぼさずに終えたものの、監督、選手がともに語る3ピリの課題。チーム全体が解決策を講じなければどんなに序盤にいい試合をしても、終盤に追い詰められる展開になってしまう。課題を改善し、残す試合を全勝することのみが自力優勝がなくなった東洋大に残された道だ。
◾︎コメント
・鈴木監督
1・2ピリはすごいいい試合で、やっぱり3ピリで失点からバタバタするっていうここ数試合の傾向は抜けていないゲームだった。ただ、勝ちきらなきゃいけないっていうところではしっかり勝てたっていうところは評価できる。次は選手たちがそれを理解して、次にレベルアップしなきゃいけない内容もあったと感じている。シュートまでもっていく形もそうだし、結果に表れているのはシュート数だったり、得点が最後のピリオドは相手に支配されているのでここ数試合の課題を今日もクリアすることができなかった。ここをレベルアップしていきたい。(3ピリでペナルティが二人連続ででた場面は)相手に優位な状況だったので、なんとか時間を稼いでほしいって。5対3は守りきったけど5対4のときに失点してしまった。ただあのケースでいうと、5対3で失点しなかったっていうのは評価できるところだった。(次戦へは)60分間戦いきれるっていうものを選手たちも自分に何が足りなくて3ピリがいつも良くないのかっていうのを選手たちが自分で感じなきゃいけない、考えなきゃいけない。そこをチーム全体で60分間、東洋のホッケーができるようにレベルアップしていきたい。
・FW古川誠(社3=白樺学園)
1、2ピリでは東洋のホッケーができていたが、3ピリでちょっと流れ悪くなって連続失点もあった中では勝てて良かった。(8試合ぶりの得点については)ずっと調子はよかったが、点数が取れない状態が続いていて、毎試合今日こそは今日こそはとやっていたんですけど結果につながらなかったので、こういう接戦の場面で結果につながってよかった。ゴールを決めること以外のコンディションは絶好調だった。(3ピリの失点は)リードして3ピリ入ると気が緩んで失点につながっているので、そこをもっと60分間耐えられるようにしたい。自力優勝がなくなったので、とにかく東洋のホッケーして、残りの4試合は全勝して、あとは他のチームの結果次第になってくるので、とにかく全勝です。
・GK水田(社2=駒大苫小牧)
1、2ピリ良かったが3ピリで2点入れられてしまって、ちょっと油断があったかなと思う。(SH(ショートハンド)で5人対3人の場面や、ディフェンス全体に関しては)変に気にすると逆に固くなってしまうのであまり気にしないようにしていた。それこそ1、2ピリ良かったが、3ピリになって我慢できなくて反則になってしまったところは少し嫌な部分だったと思う。(秋リーグは3ピリでの失点がチームとして多い印象だが)相手が当たって来てもぐっとこらえて我慢することが必要だと思う。でもフィジカルなプレーをしてくれる人も今の東洋大に必要な存在だと思う。(秋リーグ残り4試合の戦い方は)1、2ピリのスタートは良いが、やはりムラがあると感じる。1、2、3ピリ通して同じ動きができないっていうのは実際課題であると思う。
・FW猪狩(社1=駒大苫小牧)
もうあと2次リーグ、こぼしたらいけない試合で確実に勝ちをとれたので良かった。いつもセットとかからいいパスをもらって、ゴールシーンが数多くあったけどそれをいつも外しいて。今日しっかり決められたので、次の試合から毎試合得点を頑張りたい。(ゴール前に一人で抜けるシーンが多かったように思えたが)いつも過程までは良いが、フィニッシュが良くないので。今日はたまたまゴールにつなげられたので良かった。これからもつなげていきたい。
TEXT=越塚日南 PHOTO=玉置彩華、川口朋珠