Article

記事


2017.11.13
アイススケート

[アイスホッケー]反撃に燃えるも明大に及ばず。しかし手応えつかんだ一戦に

平成29年度関東大学アイスホッケーリーグ戦

11月12日(日)東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ

東洋大3-6明大

[ゴール・アシスト]
26:45 古川誠(川口)
36:58 奇(石倉・清水)
53:33 所(渡邉)


FW古川誠のゴールを皮切りに反撃が始まった

ロングシュートを決めたDF奇

FW所はアグレッシブに戦い1得点を挙げる


 1次リーグでは逆転負けを喫した明大との一戦。1ピリで次々と失点が重なり3点差をつけられると2ピリのSH(ショートハンド)のタイミングでさらに1失点。しかしそこで負けられない東洋大は反撃を仕掛ける。2ピリ中盤でFW古川誠(社3=白樺学園)が1点目を決めると、それに続いてDF奇(社2=宣徳・韓国)のゴールで得点を重ねる。2点を追う3ピリでは、FW所(社2=駒大苫小牧)がGKの隙をみて得点し1点差まで迫る。だが、最後は明大が立て続けに2点を決め、3―6と勝利を逃した。

 
 6季もの間、明大相手に勝ち星を挙げられずにいる東洋大。1次リーグでは2点のリードをつくるものの、逆転負けに終わった強敵だ。そんな悔しさをバネに、序盤から足をしっかり動かし、相手DFに果敢に攻撃を仕掛け、攻めの姿勢を崩さない。GKの前まで上手にパックを運び惜しいシュートが続くなど、得点にはつながらないものの、ゲームの主導権は東洋大がつかんでいるように見えた。しかし先に得点を決めたのは明大。1点目を軽々と決めると、そのわずか14秒後に2得点目を決め、一気に不利な試合展開に。さらに東洋大の選手の反則が言い渡され、この反則によるSHを守り切れずまたも1失点。0-3と差をつけられ1ピリを終える。

 さらに2ピリ開始2分。またもや東洋大の反則によって3対5のSHに失点、ついに4得点目を明大に許す。しかし、やられっぱなしではいられない東洋大。「このまま終わるのは恥ずかしい。意地でも流れを引き戻したい」というFW古川誠の強い気持ちがついに得点につながる。2ピリ開始7分、パックを持ったFW古川誠は得意のドリブルでゴール前まで踊り出ると華麗にゴールを決める。すると徐々に東洋大らしいフィジカルなホッケーを取り戻してくる。2ピリ終了3分前にはブルーライン近くにいたDF奇が、受けたパスをゴールにシュート。本人も「頭が真っ白になった」と驚くほどのロングシュートがネットを揺らし2得点目となった。

 あと2点を追う3ピリ。明大の反則によりPP(パワープレー)で何度かチャンスが訪れるものの、ものにすることができず得点が動かない時間が続く。試合終了まで残り6分半というタイミングでSHにも関わらず東洋大のトリッキーなシュートが決まり、あと1点のところまで迫った。だが明大が2点追加して逃げ切る結果に、3-6で健闘むなしく敗退した。

 因縁の明大にまたも勝てず。しかし鈴木監督は「選手の努力が見えた試合」だったと振り返る。序盤の4失点があったにも関わらず、そこで気を落とさずに反撃に切り替えられたことはかなり評価できるポイントになった。FW山田主将(社4=埼玉栄)も手応えを感じ、「今回の明大戦で、チーム全体が自分たちのプレーができれば勝てる相手だと確信できた」と語った、大きな収穫の試合となった。インカレでは決勝で当たる明大、レベルアップを誓い再戦に闘志を燃やす。

 リーグ戦も残り2戦。「残りの2戦も大事なゲームなので、気持ちの切り替えをどうしていけるかがカギになる」と監督。1週間試合が空く中で、どれほど試合にコンディションを合わせて戦えるかが重要だ。


◼︎コメント

・鈴木監督

なかなか反則が多くリズムがつかめなかった試合。しかし選手の努力はみえた。リーグ戦まだ続きますし、インカレの決勝で明大と当てるまでにレベルアップして、負けはしたけれどいいチャレンジができていたし、選手にとっても明大に対してここまで戦えるという部分が感じられたと思う。しかし勝ち切るためにはもっと努力が必要。試合では先制されたが、気持ち折れずにプレーできたのは評価できる内容。タイムアウトでは6人攻撃の配置と確認をした。決定力の差。(明大に勝てないのは)意識的な部分も技術的な部分も両方あると思う。ただそれが大きな差ではないというのは選手も感じている。しかし勝ち切るには相当な努力が必要。インカレの決勝でリベンジを果たしたい。この明大戦はすごく悔しい負けだし、リーグの優勝もほぼなくなった。だけどうちにとって残りの2戦も重要なゲームなので、気持ちの切り替えをどうしていけるかがカギになる。

 

・FW山田(社4=埼玉栄)

内容的にはかなり自分たちでチャンスつくれていた。でも勝てなかった、負けは負けなので、そこはちゃんと受け止めないといけない。(キャプテン視点から今回の試合は)ここ最近東洋らしいホッケーやいい試合ができていなかったが、今回はなにか違うかなって。ひと味違うというか、いつも通りの自分たちの力が出ていた。出し切れたかって言うとそうではないが、その片鱗は見せられたんじゃないかと思う。(今試合に向けて意識したこと)いつも通りほかのチーム同様に対策を練っていた。明治だからこうしようとか特別なことはなく、闘争心と自分たちに自信もってプレーするってことは常に言われていることなので、今日もそういう形で頑張ろう、って。でもきっと、選手個人個人口に出しはしないが、みんなやっぱり明大戦ということで気合い入っていたと思う。(明大に及ばない点)強いて言うなら明大戦では自分たちの力を出し切れずに終わっている試合がかなり多い印象。自分たちにある力を出し切れば勝てる相手だが、そこで出し切れないって言うのが今までの敗因だと思う。(ペナルティに関して)そうですね僕たちはプレーヤーだから審判のジャッジに口を出す権利はないので。そこはスタッフに任せて、って感じだったが、僕らも思うところはあった。(点差を詰める時)今日なんかやっぱ違って、0―4になっても全然焦る選手もいなかった。大きな点差なので、決めなきゃいけないってところでみんな前に出ていくっていう意識が4点差になってかなり強くなった。(次回明大にあたる際)今回の試合で恐らくみんなが、自分たちのプレーをすれば、ってところが確信できたと思う。そこをどうやって100%自分たちのやってきたことだったりそれでついた力だったりをだしていけるか。リーグ戦は残り2試合あるので、落ち着いてその間に詰めていきたい。(次戦に向けて)中大ともインカレであたるつもりでいるので。リーグ戦順位的にはほとんど確定してしまったが、中大にいいメッセージ送れるように自分たちのホッケーでやっていきたい。

 

・FW古川誠(社3=白樺学園)

結果3-6の3点差だったけど、負けちゃったけど、東洋らしいホッケーができたと思う。次につながる試合だったかなと。(最近の3ピリの課題は)今日はもう1ピリで3点リードされて、一時は0-4までいって。だからそんなこと言ってる場合ではなくて、失点とか関係なく点数をとりにいく。みんなそんな気持ちしかなかったので、3ピリもいい動きになったかなと思う。(0-4の中で決めた1点は)やっぱりこのまま終わるっていうのは恥ずかしいことだなと。なんとか意地でも決めて流れをもう1回引き戻そうという気持ちでずっとやっていて、それが結果につながって良かったなと思う。(1・2ピリのインターバルでは)正直、言い訳にはなるけど、1ピリはちょっと反則とかでチームにフラストレーション溜まった状態で終えて。でも0-3で点数をとるしか勝つ方法がなかったのでそこを切り替えて、僕自身の中では守りよりは攻め重視という気持ちでやっていこうって。チームとしても、ここで負けたら優勝争いから消えるって状況だったので失うものは何もないって言われて、攻める気持ちが強くなったかなと思う。(明大に勝てない要因は)去年から主力で出ている選手たちは去年もいい試合をして、明大だからという気持ちはないと思うが、やはり誰が見ても一人一人のスキルかが高いし、レベルの高いホッケーを(明大が)しているというところもある。だが、僕たちのプレースタイルはスキルとかそういうのではなくて、スケートして、当たってというホッケーなのでそれぞれいいところと悪いところがあってそういうところを考えれば同じくらいの相手だが、やっぱり入ったばかりの1年生とか今年から試合に出た人とかは、やはり見ている人からしたら向こうの方がうまく見えちゃうというのはあるのかなと思う。相手がどことか意識しないで自分たちのホッケーを60分間やれば自然といい結果になるかなと。(次戦の中大戦に向けては)優勝はなくなったが、インカレもラストに残っているのでそれに向けて。準決勝までいくとたぶん中大とあたるので、相手にもいい印象を与えるためにそこをしっかり、自分たちのホッケーをして勝てるように。一週間試合はないがそこでしっかり改善点を見つけて、いいところをセットで伸ばして、この明大戦よりいい試合ができればいいと思う。

 

・DF奇淨賢(社2=宣徳・韓国)

(今日の試合を振り返って)最初からみんな挑む気持ちが違って、明治には絶対に勝ちたいという気持ちで挑んだが、1ピリで3ゴール決められて取り返そうと思ったがなかなかうまくいかず悔しかった。(2点目を決めた時の心境)頭が真っ白になった。単純にうれしかった。(チームのDFの調子)勝ちたいという気持ちが強くて、欲張ったり、慌てたりして落ち着かない感じだった。それでミスが出て失点につながってしまった。(今日の試合で見えた課題)メンタル面を鍛えること。いきなり明治の試合で気持ちを入れるのではなく、日頃の練習や試合でも明治のときと同じ気持ちで戦っていきたい。(次戦に向けて)絶対勝って、いい結果を残したい。


TEXT=玉置彩華   PHOTO=外狩春佳、越塚日南、岡村珠里