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平成29年度東日本レスリング選手権大会(秋季大会)
11月27日(月)~29日(水)
駒沢屋内球技場
[上位入賞者]
新人戦の部
男子フリースタイルA
57㌔級 岡迫大(社2=霞ヶ浦) ベスト8
57㌔級 菅原(社2=秋田商業) ベスト8
61㌔級 宮内(ラ2=埼玉栄) ベスト16
65㌔級 永石(社1=島原) ベスト16
86㌔級 川畑孔(法2=樟南) 優勝
86㌔級 芝本 (法2=宮崎農)ベスト8
97㌔級 外山(法1=霞ヶ浦) 準優勝
125㌔級 若林(済1=市立太田) 3位
男子グレコローマンスタイル
80㌔級 芝本 準優勝
選手権の部
男子フリースタイル
61㌔級 岡迫優(社4=霞ヶ浦) 3位
男子グレコローマンスタイル
98㌔級 中村(ラ3=宮崎農) 優勝
最優秀選手賞を受賞した川畑孔
初優勝を飾った中村
奮闘をみせた外山
最後の試合で3位入賞を果たした岡迫優
駒沢屋内球技場において東日本選手権大会が開催された。初日に行われた新人の部男子フリースタイルでは春季大会74㌔級で優勝をした川畑孔が今大会では86㌔級で優勝、96㌔級では外山が1年生ながら準優勝を果たした。続く2日目に行われた男子グレコローマンスタイルでは、初戦敗退が多く苦戦を強いられる。しかし最終日に行われた、3,4年生が出場する選手権の部では、新主将となった中村がグレコローマンスタイル98㌔級で優勝し大会を締めくくった。
今月行われた内閣総理大臣杯で3位入賞を果たし、着実に成長をみせている川畑孔。今大会では本来の階級より重い86㌔級で出場。体格の差を一切感じさせない戦いぶりをみせた。なかでも2回戦ではバックを取ると、そこからローリングを連発。開始30秒で勝利を決めた。準々決勝でも相手に得点を与えずに勝ち上がる。決勝では、得意の片足タックルがなかなか決まらなかったが相手を場外に追い込み点数を稼ぐ。最後は3-1で接戦を制し、春秋で2階級制覇を成し遂げた。またフリースタイルの最優秀選手賞も受賞。今年1年好成績を残している川畑孔。年内最後の大会となる12月の天皇杯全日本選手権ではどのような活躍を見せてくれるのか。今後も彼から目が離せない。
「決勝まで行ったが優勝したかった」と振り返ったのは奮闘をみせた外山だ。初戦では先制点を取られる展開に。しかし焦らず一つ一つポイントを取り、最後は10-7で順当に駒を進めた。迎えた決勝戦でも最初に相手にリードを許す展開に。初戦と同じく粘りをみせるが相手の隙をつけず2-8で試合を終えた。惜しくも決勝で敗れてしまったが、「次は優勝したい」とすでに闘志を燃やしていた。
好調が続いたフリースタイルとは一変し、2日目のグレコローマンスタイルでは多くの選手が初戦敗退。課題の残る結果となった。
最終日に行われた選手権の部。グレコローマンスタイル98㌔級では中村が優勝。石井(専大)を相手に粘りのレスリングをみせた。決勝では相手の棄権により不戦勝となり、中村の表情からは対戦出来なかったことに対する悔しさがうかがえた。引退試合となった4年生の岡迫優は多くのチームメイトが見守るなか、3位入賞で自身のレスリング人生を終えた。大学4年間については「いい人ばかりだったからあっという間だった」と振り返った。
「雰囲気が良くなっている」。船津コーチはチームの様子についてまとめた。今回、新人戦の部で活躍をみせた下級生を筆頭にまだまだ成長に期待がかかる東洋大レスリング部。チームメイトの活躍で刺激しあって、次戦では今回より多くの入賞者がでることに期待したい。
■コメント
・船津コーチ
(初日の新人戦の部フリースタイルでは)重量級で1、2、3位と入ってくれたから期待通りだったが軽量級で勝ってほしい階級を落としたのはいたかった。でも負け方は後につながるようなものだったから、やる気がなくて負けたとかではないからそんなには気にしていない。今の1、2年生が主体となって来年、本当に良いチームになると思う。川畑孔がチームを引っ張ってくれている。確実に伸びているし、周りも彼の活躍を見てついていこうと思う。外山はリーグ戦で、怪我をしてしばらく練習が出来なかったので今回やっと満を持しての出場だった。決勝で負けてしまったが、膝が完璧に治って練習量をもっと増やしたら優勝を狙える選手だと思う。外山の同級生の太田や内山が今回怪我で出られなかったので、彼らが出てればもっと入賞者も多かったと思う。若林は負ける相手ではないが気の弱さが出てしまった。もうちょっと気持ちが強くなればいいかなと。天皇杯は4年生が2人と3年の中村と川畑孔、女子2人が出場する。この辺で川畑孔が表彰台に引っかかってくれふと相当な自信になると思う。最低でもベスト8には入ってもらって来年の全日本の出場資格は確実にとってもらいたい。
・岡迫優(社4=霞ヶ浦)
(今日が引退試合だったが)最後だから、悲しい。レスリングは小学1年生か2年生の時からやっているけれど、振り返ってみると短かった。高校の時はとても長かったが、大学はあっという間だった。あっという間だったのは、同級生がいい人ばかりだったし、後輩もいい人ばかりだったから。山崎(社3=霞ヶ浦)は(高校時代からの)僕の直属の後輩。大好きだし、練習も真面目なので期待している。弟にも、ぼちぼち頑張ってもらいたい。
・中村(ラ3=宮崎工)
最後は不戦勝ではあったが、勝たなければならない試合があったのでそれは勝てて良かった。いつも3位とかで、この色のメダルは初めてだから、小さな大会ではあるけれど優勝できたという点ではうれしい。(天皇杯に向けて)今年最後の試合になるので、自分の力を全部出しきって上位に食い込めるようにしていきたい。
・川畑孔(法2=樟南)
優勝したことはそこまでこだわっていない。(いつもより重い86㌔級は)やりづらさはないが、みんな体が大きかった。1回戦の相手が大きくて高校のときも強かったので緊張した。決勝戦も危なかったが、今回試合に対して気持ち的に余裕があったので上手く出来た。(天皇杯では)3番以内に入りたい。
・外山(社1=霞ヶ浦)
決勝までいったので優勝したかった。今回は自分から攻めていったが、全然決まらなくて課題が多くみつかった試合だった。1回戦では最初に多く点数を取られてしまって、そこで負けてしまいそうになったので苦戦した。(決勝戦は)最初に相手に倒されてしまって、バックを取られてしまったのが敗因。来年は2年生になって、新人戦で出れるのもラストになるので1つでも多く勝ちたい。高校生から全国大会で優勝したことがまだないので、優勝を目指したい。
TEXT=梅山織愛 PHOTO=渡部穂乃花、小野由佳莉、菊池美玖